このページはアクティブラーニングを斬る!Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスンです

2 私の能動的学習(アクティブラーンング)実践

1 自分の考えを板書する

2015年4月15日(水)3限、普通教室

 中学2年の理科における実践です。この日は、2年生になって一番初めの顔合わせ授業でしたが、自己紹介を早々に切り上げ、壮大な質問を投げかけました。これから数ヶ月かけて学習するテーマ『動物』に関するものです。

生物とは何か?

 無謀とも言える私の問いかけは、子どもたちのやる気スイッチを一気に入れることになりました。中学生は難しい問題ほどやる気が出る年頃なのです。巷では中二病(ちゅうにびょう)ということもあります。その結果、以下の意見1〜12が出ました。

  1. 宇宙にあるもの
  2. 命があるもの
  3. 原子からできているもの
  4. 細胞からできているもの
  5. 自分の意思で動いているもの
  6. 呼吸しているもの
  7. 個性があるもの
  8. 子孫を残そうとするもの
  9. 水が必要なもの
  10. 絶滅するもの
  11. 進化するもの
  12. 自分の周りに生態系をつくるもの

 子どもの意見に間違いはありません。意見の中から重要語句を取り出して、私が黒板にまとめます。的外れな意見のように感じる時でも、子どもの発言から問題と関連するものを見つけてまとめていきます。絶対に否定しないことで、自由な発想が膨らんでいきます。


上:黒板左に、問い「生物とは何か?」に対する答えが書かれている。
 なお、現在板書している子どもたちは、次の問い「動物とは何か?」


上:2つ目の問い「動物とは何か?」について、自主的に板書する子ども

 2つ目の問い「動物とは何か?」については、自主的に板書するように言いました。挙手することなく、自分の考えを発表したい人は、勝手に席を立って黒板に書くことができるのです。その結界、以下の意見1〜12が出てきました。

  1. 感情をもつ
  2. 精子、卵子がくっつく!
  3. 肺呼吸、エラ呼吸などをする!!
  4. 弱肉強食
  5. 種類がある
  6. 欲がある
  7. 動物と人間とは気持ち感情が違う
  8. 性別がある
  9. 動く
  10. 臓器をもつ
  11. 動物は常に酸素を吸って二酸化炭素をはく
  12. 植物とは違い、自分で動くことができる

 意見が出揃ったところで、私はそれぞれについて私の考えを述べました。大切なことは、どれも間違っていないこと、どれも納得できる部分があることを指摘し、それを明言することです。今日は、2年になって初めての理科の時間です。生物「動物」の導入の時間です。これから始まる学習について、たくさんの興味ある内容があることを示すこと、わくわく感を高めることが目的です。そして、Mr.takaという福地先生は、そのような姿勢で理科の授業を1年間展開していきますよ! と示すことが私の自己紹介になっているのです。


上:できあがあり状態の板書

 授業の最後に、子どもたちから質問を受けました。「じゃあ、福地先生が考える動物とは何ですか?」

 その答えは、上の板書のオレンジ色部分「他の生物を体の中で溶かして吸収するもの」です。つまり、私たちヒトを含む動物は、体内で消化酵素を出し、食べ物を体内でドロドロに溶かし、吸収します。そして、吸収できなかったものを不要物(尿や便)として排出します。

 このように話をすると、子どもたちは「えーっ!」と言いながらも、わくわくしている様子でした。子どもからアクティブ質問を頂いて、それに応えて驚いてもらえるなんて、幸せなことです。

2016年11月30日掲載

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