このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第9章 評価は不要物?

16 観点別評価と評定の未来 2018(平成30年) 2ページ
               •2••4•5•6•7•8•9•10•11

2 文科省が示す観点別評価と評定の関係

 文科省(中央教育審議会)は、オールA = 5と示していません。オールA 4又は5、と示しています。つまり、観点別評価A『十分満足できる』がどれだけ集まっても、総括的な評定5『十分満足できるもののうち、特に程度が高い』にはならない、と明示しています。評価と評定は本質的に違うものであり、等式(=)で結ばれるものではありません。

観点別評価の
組み合わせ
 

文科省が示した
評 定

AAAA 4又は5
AAAB    
AABB(AAAC)    

ABBB(AABC)

   

BBBB(ABBC)(AACC)

BBBC(ABCC)    
BBCC(ACCC)    
BCCC    
CCCC 2又は1
上:平成29年12月に文科省(中央教育審議会)が示した観点別評価の組み合わせと評定
 ※灰色の部分は示していない

 理科的に表現するなら、これは中学2年で学習する『化学変化』です。化学変化とは、初めの物質がまったく別の物質になるもの、矢印(→)で表されるものです。1人の子どもを観点別に評価することはできますが、それを集めたものは、はじめの子どもとは別な子どもになっているのです。つまり、分割された観点をどれだけ集めても1人の子どもの全体像は見えないのです。

 もう1つ別な資料を示しましょう。文科省の『総則・評価特別部会 資料6-2(平成28年1月18日)』11ページに、以下の記述があります。

総括的な評価としての評定

・観点別の学習状況の評価をもとに、総括的な学習状況を示すため、5段階(小学校は3段階。小学校低学年は行わない)の評定を行う。
・平成12年の指導要録通知により、観点別の学習状状況だけでなく、評定についても目標に準拠した評価とすることとした。
・各観点別の評価を評定においてどのように総括するかは、各学校の工夫が求められる

これを注意深く読んでわかることは、以下の4点です。
(1)観点別評価 = 観点別『学習の状況』
(2)評定 = 総括的『学習の状況』
(3)評定は、観点別評価を総括して示す
(4)総括する方法には、各学校の工夫が求められる

 上記(1)〜(3)に着目すると、一定の機械的算出が必要なことがわかります。それは当然です。しかし、注目すべきポイントは(4)です。各学校に、工夫を求めていることです。

 一般常識として、1対1の完全対応であることは考えられません。それは工夫とはいいません。完全硬直した、あそびやゆとりのない、危険な考え方だと思います。さらに、文科省の提言『4又は5』を無視した『5』、『2又は1』を無視した『1』は子どもの機械化のようなものです。あなたの学校がいわゆる学校崩壊、あるいは、それに近い状態でなければあり得ない工夫だと思います。すべての先生&子どもを画一的な枠にはめる工夫は、通常の教育現場にあってはならないものである、と思います。

→ 次のページへ
 『学校の先生がよく勘違いしているポイント』
 『オールA=5、という枠組みによる弊害』

↑ TOP
[→home

(C) 2018 Fukuchi Takahiro