このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。 |
第9章 評価は不要物?
16 観点別評価と評定の未来 2018(平成30年) 3ページ
1•2•3•4•5•6•7•8•9•10•113 学校の先生よく勘違いしているポイント
下表の赤い部分をみてください。学校の先生がよく勘違いしている部分です。オールAは5、ではありません。恥ずかしい話ですが、私自身もこの枠組みの中でしばらく仕事をしていたことから、間違った認識になっていました。深く反省しなければいけないと思います。
観点別評価の
組み合わせよくある勘違い
評 定文科省が示した
評 定AAAA → 5 → 4又は5 AAAB AABB(AAAC) ABBB(AABC)
BBBB(ABBC)(AACC)
→ 3 BBBC(ABCC) BBCC(ACCC) BCCC CCCC → 1 → 2又は1 上:学校の先生によく見られる勘違い
同じように、『オールCは1』ではありません。オールCでも総括的に2になる生徒がいます。
4 オールA=5、という枠組みによる弊害
現場の先生に問いかけます。あなたが中学校の先生で、オールAだけが『5』、という枠組みで評定を出さなければいけない学校に勤務しているなら、いわゆる『評定の逆転現象』に直面していると思います。
逆転現象とは、誰もが認める逆転です。先生だけが認めるものではありません。一斉授業で同じ場所と時間で学習し、同じ定期テスト受けた生徒たち全員が認めるものでなければいけません。先生は、公平かつ公正に最終評定を出すことが仕事であり、その責任を持っています。明らかな逆転現象が起きているようなら、それを適切に正さなければいけません。
画一的枠組みによる、よくある逆転現象
(1)4観点すべて『ぎりぎりA(十分満足できる)』→ 評定5
(2)総括的に特に程度が高くても1観点だけ『ぎりぎりB(おおむね満足できる)』→ 評定4上記の場合、先生は逆転現象を防ぐため、数字を微調整することになります。AとBのボーダーラインを変えたり、ある小さな観点の比重を変えたり、あるものを追加したり削除したり、などです。
先生自身が授業を振り返って微調整することは必要であり、とても重要なことです。それは授業全体、学校全体をみて行うことです。先生は常に反省しなければいけません。しかし、特定の生徒の逆転現象を解消するための操作は、あってはならないことだと思います。
上記(1)4観点すべて『ぎりぎりA』は評定5(十分満足できるもののうち、特に程度が高い)、という枠組みが間違っています。正してください。ぎりぎりのものがどれだけ集まっても、特に程度が高いものにはなりません。
あなたの学校がその枠組みを撤廃しない限り、あなたと子どもは歪められ教育現場で学習と生活をしなければならないことになります。歪んだ枠組みを取り去ることが先決になります。本来、それはあなたの仕事ではありませんが、仕事をすべき人がしていないのですから、あなたができる範囲で頑張るしかありません。
文科省の指針はわずかです。そのうちの1つ、オールAは『4又は5』に従うことを、私は強く勧めます。同じように、オールCは『2又は1』に従うことを強く勧めます。なお、オールCの生徒に対して機械的に『1』をつけることは別の弊害については、別ページ『』で論じます。最近顕著になってきた社会的病理のページといえるものです。
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『文科省が示す観点別評価と評定の関係』
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