このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第9章 評価は不要物?

16 観点別評価と評定の未来 2018(平成30年) 4ページ
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5 文科省が示すこれまでの観点とこれからの観点

 文科省が現在示している現在の4つの観点とこれから始まる新しい3つの観点は以下の通りです。

これまでの観点
(現行の学習指導要領)

 

これからの観点
(新学習指導要領)

関心•意欲•態度 知識及び技能
思考•判断•表現 思考力•判断力•表現力等
技能

主体的に学習に取り組む態度

知識•理解  

 

 

 

 

 

上の表について、私は素朴な疑問が3つあります。
(1)なぜ、現在の観点は4つなのか
(2)なぜ、新しい観点は1つ減るのか
(3)他にもっと重要な観点はないのか

  10年前の私は、文科省が示した観点に対して大きな不満を持っていました。今でも十分ではないと思いますが、最近、観点の内容や項目わけの方法は重要でないことに気づきました。

 もし、『観点別評価から子どもの全体像を評価できない』という文科省の考えを実践するなら、完璧な観点でなくてもよいからです。文科省は、観点は、子どもや教師が学習や授業を反省するための視点、とも示しています。つまり、観点は多少不備であっても、それを屋台骨にしてその周りまで反省すればよいのです。文科省が示した3つ、4つの観点は、授業を反省するための大きな方向であり、実際は、各学校の先生が学習内容に合わせて変えればよいのです。

 結論として、文科省は現在の観点も新しい観点も不完全なものである、と認めているのではないかと思います。そうした上で、各校の特性に合わせ、各校が工夫し、1人ひとりの先生の個性をいかした授業(観点)を実践するように求めているのではないかと思います。

 10年前は、「文科省による現場への丸投げ」という批判がありました。私もその通りだと思っていました。今回、観点が1つなくなることに対しても、理解できませんでした。しかし、このHPを執筆しているうちに、私の考えは次のようにまとまってきました。

 文科省は「観点をもって授業を反省するという指針を示した」と考えるべきだと思います。先生は、毎時間の授業を反省しなさい、と促しているのです。その延長線上にあるものが、子どもの観点別評価にすぎない、と考えれば良いと思います。

6 観点は重みづけをしなければいけない

 で述べたように、絶対的な観点づくりは必要ない(無理)であるのと同じように、観点の重みを同じにする必要もありません。などで繰り返し述べてきたことからもわかるように、同じ重みにしようとする行為は先生にとって大きな負担であるだけでなく、授業や子どもの実態からの乖離を招きます。

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