このページは、学級通信2年D組『枇杷林檎びわりんご』です。

 枇杷林檎 121号      2000年11月10日(金)

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──合唱コンクールを終えて──
 自分が精一杯歌えたならそれでいい。
 くやしくて涙が出るなんて、すばらしいこと。
 なぜなら、流した涙の量だけがんばったという証拠だから。
 そして、いつかそれが喜びの涙に、天が必ず変えてくれるよ。

 自分の周りにはすごい人がいるさ。
 足元にも及ばないと思える人もいるさ。
 でも、いつまでもうらやましがっていてはだめ。
 いつまでもくやしがっていてはだめ。

 今、自分ができることを丁寧に大切にしていくことだ。
 さあ、涙をふいて
 また、新しい何かが始まるよ。


 凛として
 11月も10日というのに
 木の陰でけいとうの花が咲いていた
 人の目のつかないところで
 真っ赤な花を咲かせていた
 人が見ていようが見ていまいが
 自分らしく咲いていたい


 合唱コンクール結果報告           福地孝宏

 当日、たくさんの方に来場いただき、ありがとうございました。しかし、行きたくても来れなかった方のために、報告させていただきます。2年生の4クラスは、それぞれの力を出しきりました。「まだまだ、力を出しきっていない。」と言われそうですが、これが普段です。実力。本当の力です。いつも学校に早く登校する生徒とは、気持ち良く「おはようございます。」とあいさつを交わし合い、普段、遅刻する生徒とは、かかえてきた問題を解決するのに時間を使いました。

 ここで、前日の裏話を少々。

 前日、吉岡先生と
 合唱コンール前日なのに、話題(びわりんご119号)が少ない短い。「先生、投稿して下さいよ。」「私、2つもあるけど両方どう?」「う〜ん、すごくいいけど、内容が同じだから1つしかダメ。」「じゃあ、どうするの。」「(先生ごめんなさい)最後は私がしめます。」(天馬からの『おふだ』を書いて、それを見てもらってから)「じゃあ、明日ね。」

 職員室でY先生と
「優秀賞ならいいけど、ダメだったら、『枇杷林檎は、ちゃんとあるか?』(全員ポケットから出したら)『きれいに折ってあるか?』(くしゃくしゃの生徒を探してから)『おい、(生徒の名前)、きれいに折ってないからダメだったんだってえ。とりあえず、ポケットにあったから、バチは当たらないよ。』と言えばいいね。ちゃんとシナリオができている。」と言ってと大笑いした。

 訂正印に思いをたくして
 「明日、枇杷林檎をポケットにたたんで、ポケットに入れることができれば勝てるだろう。ごちゃごちゃいっても仕方ない。全員同じことができれば、それで良い。」と思った。そして、(120号の)一部を訂正した。(自分の力)→(2Dの力)。どうしようか迷ったけど、1枚ずつペンで2重線で消し、自分の訂正印を押した。私は自分ができることをしたかった。後悔したり、言い訳したくなかった。

 港湾会館前で(9.15am)
 2Dの生徒は、中庭正面にならんで歌った。女子は数名をのぞき、ほどんど集合していた。男子は半数だった。それでも、音をはずしても歌った。私も歌った。遠くに、ほとんど全員そろった2Cが合唱していたけど気にしない。自分のクラスの生徒と一緒に歌えるなんて幸せ。全員そろっていないクラスを見て「勝てない」と感じた子もいただろう。遅刻して、今日の枇杷林檎を受け取れない子もいるだろう。それでも、精一杯うたった。何も気にしなかった。今となっては、最高の思い出の1つ。

 同じ気持ち、同じこと
 といえば、枇杷林檎を奇麗にたたんでポケットに入れ、歌ってくれた生徒がいたこと。当日、不安な生徒が多いと思ったから、同じ気持ちを『形』にしたかった。全員にしてほしかったけど、ふだんの2Dを知る担任としては「過度」の期待をしなかった。生徒達が、「開演30分前に集合しよう」と自発的に決めたことだけど、、、。だけど、私には見えた。「今、ステージで歌っている1人1人のポケットの中には、2Dの気持ちが入っている」

 公平な審判
 音楽科の先生の審査は、さぞかし大変だったと思います。審査委員長は「ふだんの君達の努力を知っているから、今日1回だけの発表で順位をつけるのかと思うと、手足がしびれてきました。」と話をしました。私は、(じゃあ、今日のコンクールの結果をどうするんだろう)と心配でした。しかし、委員長の判断は的確で、さすがだと思いました。結びの言葉は、こうです。「優秀賞を取ったクラスは、ふだんの力を発揮できたクラスです。」

 2年生の結果
 優秀賞 A組
 優良賞 C組

 私は、この結果にとても満足しています。D組の担任としては残念ですが、「奇蹟」は起こりませんでした。しかし、口を大きく開け、体をいっぱいに使って歌う生徒たちは、ステージで光り輝いていました。天馬より自由に大空を駆け巡り、今でも、まぶたに浮かびます。焼き付いちゃったんだよなあ。3ヵ月間も同じ目標に向かって努力してきた仲間ですから、全力を尽くした者同士、だったらこの気持ちわかるでしょう。また1つ、一生の思い出ができました。やったね!すごい宝物。どんなに歳をとっても忘れやしないさ。

 最後に、厳しい注意を一部の人にしておきます。「責任転嫁せきにんてんか」するんじゃない。見苦しい。いくら、自分ができなかったからといって、A組、C組に拍手した人に「いいわけ」し「苛いじめ」をするな。はっきり言っておこう。もし、D組が優秀賞だったら、君はうひょ、うひょ。周囲の気持ちを考えずに、だだ、それだけ!?!!中学生なら叱られる前に、この注意を理解しなさい。そして、これをよい経験として成長しなさい。

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