ジャングルツアー、5日間
1 私の日記
(1) セルバ(熱帯雨林の中を歩くツアー) 8〜10日
(2) パンパ(アマゾン河の動物を見るツアー)11、12日2 ジャングルの写真
(1) セルバは左上の写真をクリック
(2) パンパは右上の写真をクリック3 率直なアドバイス
・ ジャングル・ツアーの申し込み方法と持ち物
私の日記 8日(セルバ初日)
楽しくなる予感
8:30。ツアー・メンバー6人は全員集まっているのに、ガイドがいない。
「あーぁ。」
近くの店で、トイレット・ペーパーを買ったり、仲間と一緒にレストランでお茶を飲みながら待った。誰も気にしていない。
「そのうち来るだろう。」
今日から5日間行動を共にするのは、昨夜一緒の部屋に泊った2人のイギリス青年、美しいイスラエルの女性と一人の男、それに、南アフリカから来た青年だった。
ガイドはテント、食料を抱えてやって来た。ほとんど英語を喋れないが、感じの良い若い青年だった。
「楽しいツアーになりそうだ。」
私は、昨日ツアーを申し込む時、参加人数とそれらが英語圏の人達か、また、アマゾン川流域のインディオの村を訪ねるかを確認して申し込んだ。
「嘘ではなかった。」
セピック河のように
全員そろうと、歩いてボート乗り場まで行った。私達のボートには、すでに何人かが乗っている。
「あれっ。貸切りじゃないの?」
「まあいいか、気にするな。」
自分達は全ての荷物と装備をつめ込んだ。ボートは、ゆっくりとRio Tuichiをさかのぼって行った。
「いい気分。」
私はパプア・ニューギニアのセピック河を旅したときの事を思い出した。あの熱帯雨林の大河も雄大だった。このアマゾン河も源流付近、しかも、乾期であるにもかかわらず水量がある。
「素晴しい。」
ヤマハ50Mエンジンを積んだ私達のボートは、ほとんど水面と同じ高さにある。
ある時は水面より低く、ある時は高くなりながら進んだ。
美味しい昼食、そして
2時間ほどたってから、ボートは昼食のために止まった。一緒に来たコックが食事を作っている間、私達はその辺をぶらぶらした。
昼食後、私達6人だけが再びボートに乗り込み出発。どんどん河をさかのぼり、太陽が沈みかける頃、今日のキャンプ地にとまった。
日本のテントとは、訳が違う
コックが夕食の準備をする間、私達はテントを張るガイドを手伝った。
テントといっても、日本で売っているテントとは訳が違う。
次にテントの張り方を説明しよう。
1 8人が寝れる平らな地面を探す。
2 木の根っこや、石などを取り除く。
3 その辺からテントの支柱になる木を3本探し、
ナイフでばっさりと切る。
(選ぶポイントは、太くまっすぐであること、
ちょうどよい高さの所で枝分かれしていること)
4 3本の木を一直線上に立てる。
5 枝分かれしている部分にテントの一番高い、
屋根に当たる木を2本横に置く。
(注:木は合計5本しか使わない。)
6 大きなテントシート(屋根になる)を地面に置く。
7 テントシートを上から掛け、それの端に紐を通してピンと張る。
(この紐も、そこらに生えている蔦を使う。)
8 これでおしまい。
強い風邪が吹いたり雨なんかが降ったら、
「一発でおしまい。」
だろう。<写真>
蚊帳を張る
次に、蚊帳をつるすための支柱を立てる。
テントの時と同じように、枝分かれしている木を使う。そして、一人用の蚊帳を順に張った。出来上がると、私は蚊帳に入り込んで日本から持ってきた蚊取り線香をたいた。
「ちゃ。」
「じぃー。」
「ふっ。」
懐かしい匂がしてきた。
そして、寝袋、懐中電灯などを準備した。
9日(セルバ2日日)
ボートに乗り、しばらく走ってから、数時間歩いた。昼食後も同じ。水の出る木
ガイドが、大きな蔓性の木を切った。それを、垂直に持ってしばらくすると、無色透明、無臭の水がぼたぼたとしたたり落ちてきた。私達は、
「うまい。」
「甘い。」
と言ってごくごく飲んだ。<写真>
アマゾンで、シャンプー
夕食の前に、アマゾンのお風呂に入った。
流れが速くて冷たくて、
「気持ち、いー。」
ついでにシャンプーもした。
「最高の気分である。」<写真>
10日(セルバ最終日)
モーニング・コーヒー
本当のことを言いますと、私達は毎食後、
「紅茶やコーヒーを楽しんでいます。」
そして、コックの作る食事は簡単なものではありますが、
「一度だって同じメニュウだったことはありません。」
そして、
「いつもいつも美味しいのです。」<写真>
筏は、どこへ行ったのか
ルレナバッケに帰る途中、とてもすごいカップルを見ました。そのうちの一人は水着を着た日本人女性、もう一人は運動選手のような若者です。
その二人は、上流のほうから筏に乗って来ました。
青年は、緩やかとは言えないアマゾン河に飛び込んでは、
泳ぎ、
流され、
また、筏によじ登っては飛び込み、
遊んでいるのです。
彼女は生木の棒をもって、筏を操っています。
そして、下流から来たボートに話しかけ、筏をロープで引っ張ってもらい始めました。私はこの時<写真>を撮りました。
しばらくすると、上流から来たボートの人と話しかけました。そして、そのボートに乗り移り、筏を捨ててしまいました。
「もったいない。」
筏は流されて行きました。
まるで、おとぎ話のようですが本当です。
一皿10万円
私達のボートは、村に帰りました。
私は荷物を宿に運び込むと、河沿いのレストランでペスカードとセルベッサ(魚とビール)を頼んだ。ペスカードと言っても、いろいろな種類がある。しかし、ひとつの店で出てくるペスカードは、だいたい一種類しかない。料理の仕方も、から揚げしか無いようだが、いつ食べても美味しい。特に、太っとい背骨のまわりがうまい。
そうそう、私のよく食べた鯰みたいな魚は、日本の熱帯魚屋でみると10万円ぐらいするようだ。
11日(パンパ1日目)
ピラニアに突つつかれる
8:30。パンパツアーに出発の時間だが、今回はジープが来ない。私達は気にせず隣のレストランでお喋りを楽しむ。
9:30分出発。陸路を数時間走るとRio yacumaの入り口に着いた。
コックが昼食の準備をしている間、あまりの暑さに、またもや、私はアマゾン河で泳いだ。水着に着替えて、そろそろと中に入る。
「ぐちゃ。ぐちゃ。」
下はどろどろのぬかるみで、濃いおうど色に茶を混ぜた色をしている。冷たくて、
「いい気持ち。」
仲間が岸の上から、手を振り声をかける。しかし、しばらくすると、
「つんつん。」
小枝か子石のようなものが、私の体にぶつかってくる。
「うわっ。」
「もしかしてピラニア?」
大きな声を出して飛び上がったので、みんながこちらを向いた。ピラニアにつつかれている様だ。
私は、それからも河の中につかっていたが、
「大きな魚の餌になってしまうんじゃないか。」
と心配になり上がった。
後から分かったことだが、ピラニアは動いているものに反応するそうだ。
いるかと遊ぶ
さて、お腹もいっぱいになり、ボートで出発。
このRio yacuma河には、とてもたくさんの動物が生息している。
早速キャピバラを発見。キャピバラは大きな鼠のような動物だ<写真>。特に、子連れの親子はかわいい。
続いて、昼寝中のクロコダイル発見。クロコダイルは100mおきに1匹はいるが体長3mを越えるものは珍しい<写真>。
鳥類や、亀もいたるところで見ることができる<写真>。
やがて、河の広くなっているところに出ると、ガイドがボートを旋回させ始めた。そして、
「ドロフィン。」
と言う。大きな黒いかたまりが数十頭、ボートの周りを旋回している。時折、呼吸のために水面に上がってくる。
「いるかだ。」
しばらく彼等と戯れた。
「一頭、白いものがいた。」
ピラニア釣り
夕方、ピラニアを釣りに出かける。
仕掛けは簡単。針と糸、そして、餌になる豚の肉だ<写真>。準備ができたら、その仕掛けを水面に力いっぱいたたきつける。
「ぴちゃっ、ぴちゃっ。」
何回か叩きつけるうちに、その音につられてピラニアが集まってくる。そして、ピラニアが餌をくわえたところを、タイミングよく引っ張るわけだ。しかし、釣れるのは10センチ程度の小物ばかり。それを見ていた私は、
「大物をねらわなければ面白くない。」
と思い、深いところで頑張ってみたが一匹も釣れなかった。
「残念。」
釣られたピラニアは、夕食のおかずとなった。から揚げ。美味。
クロコダイル狩り
夕食後、私達8人は真っ暗になるのを待って、クロコダイル狩りに出かけた。
懐中電灯を持ってボートに乗る。眠っているクロコダイルが目を覚まさないように、エンジンはつけない。
コックが棒を操り、ゆっくりとボートを進める。
ガイドは懐中電灯で、岸で眠るクロコダイルを探す。
その夜は、月がなかったので星が降ってくるようだ。両岸の樹上を見ると、蛍の仲間だろうか。無数の虫達が、光を放ちながら飛び回っている。私達の目も、アマゾンの夜にランランと輝いていたに違いない。
「いた。」
「クロコダイルだ。」
「しー。」
「しー。」
全員が固唾をのんでボート進むほうを見る。ガイドが、静かに岸に上がった。右手には、クロコダイルを捕まえるためのロープを持っている。
「1歩。」
「2歩。」
と近づいた。その時、
「バサバサッ。」
ともの凄い音を立てて体を左右に激しく振ったかと思うと、もう、河の中に逃げてしまっていた。私達は、
「うおー。」
と言って顔を見合わせた。
催眠術を使う
もう一度、チャレンジだ。
ゆっくりとボートを進める。
「いた。」
「今度の奴は大きい。」
クロコダイルの首を締めるためのロープをもう一度確認して、ガイドが一歩一歩近づく。ロープが首にかかった。
「ぐいっ。」
思いっきり引くと、眠っていたクロコダイル(雌)は大暴れをしたが、尾を縛られ仰向けにさせられた。私達もボートから降り、その周りを取り巻いた。
すると、ガイドがクロコダイルのお腹をさすり始めた。5分もすると、彼女はいびきをかき始めた。
「ぐー。ぐー。」
完全に眠っとことを確認してから、ロープを少しづつ解いていき、残るは首にかけたロープだけになった。
「もし、彼女が突然目を覚ましたら大変な事になるだろう。」
ガイドはにっこりと笑って、
「催眠術を使ったから大丈夫。」
と言った。私達は持ち上げたり、調子に乗って彼女に股がったりした。
その後、彼女の首にかけてあったロープをはずして腹ばいにした。彼女に、
「さよなら。」
を言って背中を叩いた。彼女は目を覚まし、
「バサバサッ。」
と音を立て冷たい河へと逃げていった。
「起こしちゃって、ご免なさい。」
12日(パンパ2日目)
ナイフの使い方
朝、目を覚ますと、ガイドが指に刺さったとげを抜こうとしていた。
ずいぶん赤くはれ上がっている。彼は、
「毛抜きを持っていないか?」
と尋ねたが、私は、
「そんなものでは取れない。」
と思った。そこで、スイス製のナイフを消毒して皮膚を切った。
「痛かった。」
と思う。そして、ナイフの先端でとげを引っ掻き出した。1センチ程度のとげだったが、彼のナイフでは取れないだろうし、あのまま放置しておくのは、あまりにも危険すぎる。私はていねいに消毒し、
「やっと、彼に対して何かしてやることができた。」
と思い嬉しかった。そして、彼の万能ナイフと私のナイフを交換しようかと思った。
彼のナイフは先端こそ尖っていなが、いつもそこら辺の石で研いであるので切れ味はよい。さらに凄いことには、固い地面に穴をあけることができる。固い木の実の殻を割るために、少しぐらい歯がこぼれたとしても気にしない。気にならない。
始めての通り雨
帰り道、突然雨が降ってきた。
「半端な奴ではない。」
ボートから降りたとしても、雨宿りするようの場所はどこにも無い。ただ、雨が止むのを走り続けるボートの上で待つしかない。
しかし、最大のピンチはカメラだ。私はできる限り身をかがめ背中を丸め、カメラのための屋根を作った。しかし、雨は私の背中を伝い、次から次へとお腹に来る。私の右手はワイパーとなり、左手はもうひとつの小さな屋根となった。
あと5分で私のカメラは死んでいただろう。
アマゾン最後の夜
ルレナバッケ村に着くと、私はその足でラ・パス行きのバスを探した。
「時間を稼ぎたい。」
しかし、今晩出発のバスは満席だった。
「明日のバスはガラガラなのに。」
私は明日12時発のバスを予約した。
そして、アマゾン最後の夜は炭焼きの牛を食べた。
めちゃくちゃ美味しかった。
日記のつづき13日(アマゾンさよなら)をご覧ください。
2 率直なアドバイス正直な話、この5日間の記憶はあまり無い。その理由は写真が撮れなかったこと。そして、何よりインディオに会えなかったことだ。確かに、貴重な大自然としてのジャングルを初めて体験する人には、料金、内容、サービスともに満足できる内容だろうと思うが、私にはジャングル・ツアーでしかなかった。もし、私が望んでいたように、アマゾンのインディオの村を訪ねたいたら、入念な下準備の上に、現地で新しい情報を仕入れ、個人でツアーを組むしかないだろう。
1 ツアーの申し込み方法
(1) ルレナバッケ村には、たくさんの旅行代理店がある。村はぶらぶら歩いて1時間程度の大きさなので、全く心配いらない。
(2) ツアーには、2種類ある。1つはセルバ・ツアーと呼ばれるもので、ジャングルの中を歩き、キャンプするものだ。3日間であることが多い。もう1つは、パンパ・ツアーと呼ばれるもので、ほとんどがボートの上からの動物の見学である。2日間が多い。時間が無い場合は、パンパ・ツアーを薦める。どこの代理店で申し込んでも、大差はないと思う。
(3) 1番注意することは、ツアー仲間が英語圏であること。事前に確認しておかないと、ガイドも含めてあなた以外の全員が、スペイン語で会話している可能性が高い。2 持ち物
カメラ、専用バッテリー、フィルム、ミニ三脚、長袖シャツ、ズボン、靴下、草履、水着、タオル1本、サングラス、ヘッドライト乾電池、ライター、ポケットティッシ、ろうそく10本、帽子、サンローション、スプーンリップクリーム、ナイフセット、
水筒、簡易カッパ、石鹸、薬(バンドエイド、オキシドール、赤ちん、抗生物質、座薬、鎮痛解熱剤、整腸剤、水の殺菌剤、アルミブランケット、虫除けのスプレー、ムヒ
<参考> 現地で借りたもの:寝袋、スリーピングマット、テント↑このページのTOPへ