このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録:化学 3年(2001年度)です

塩酸の電気分解のしくみ

2001 5 14(月)
2005年4月追記

今日は、先日行った塩酸の電気分解のしくみをモデルを使って考えます。理解できた班から、もう一度、実験をしてイメージを定着させます。


(上:A君の学習プリントのまとめ)

→ 実験画像が含まれている2000年度の実践『実験11塩酸の電気分解も参考にして下さい。


<授業の流れ>

1 塩酸の電離式

(上:Bさんの学習プリント)

<生徒のためのワンポイント・レッスン>
 原子イオン(原子が+や−の電気を帯びたもの)、分子の区別ができなくなっている生徒がたくさんいる学級の場合は、右のように、3者をまとめてやると良い。一般に、水素は水素分子を意味する。

<塩酸について>
・ 塩酸の正式名称は、塩化水素
・ 分子式は、HCl
・ 常温で気体
・ 水に溶ける(35g/100g)
・ 電解質(溶けるとイオンになる)

2 塩化水素水溶液に電流を流す
1) −極には電子があまっていることを確認する
2) −極へ、水溶液中の+イオン(水素イオン)が移動する
3) 水素イオンが電子を受取って水素原子になる
4) 水素原子2個が結合して、水素分子になる
5) 逆に、+極へ、塩化物イオンが移動して塩素原子になる
6) 塩素原子2個が結合して、塩素分子になる


3 生徒実験
今日は、先日行った塩酸の電気分解と同じです。ただし、2回めのなので手際よく実験が進みます。15分もあれば十分でしょう。実際の授業では約半数の班が実験を行いましたが、どの班も水素ガスと塩素ガスを確認することができました。右の写真で説明しますと、左側の電極(−極、黒いリード線)からは白く見える水素ガスが発生しています。右の電極(+極、赤いリード線)から薄黄緑色の塩素ガスが発生していますが、塩素ガスは水に対して非常に溶けやすい性質を持っているので、あまり集まっていません。生徒は、水素ガスにマッチの炎を近付けて爆発実験をくり返していました。また、後片付けの時に、プールの消毒液の臭いが理科室に充満することも大切な経験になります。実験をやらずに、ノートにまとめるだけの生徒にとっても音と臭いによる復習が期待できます。

4 まとめ


授業を終えて
 塩酸の電気分解を終えた次に、本時を行えば良かった。

 生徒達があまりに手際よく実験を行い、しかも、プリントにたくさんの発見をまとめているので、私は簡単にまとめをすれば良いだろう、と勘違いしてしまった。今日に至るまで、3年生化学分野がうろうろしてしまったけれど、最終的には理解が深まったのではないと思う。次時は電気分解の応用として、食塩水の電解する。その後、化学電池の学習をして、1学期の中間テストを迎えたい。どこまで生徒の理解が進んだか楽しみである。

  ◎ C君の学習プリント
  水溶液中に、塩化水素分子2個が溶けていることを表わしている。
  水素イオンと塩化物イオンが2つずつ描かれている。

  ◎ D君の学習プリント
  前回できなかった塩素による脱色反応を成功させている。おめでとう!

  

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(C) 2001-2005 Fukuchi Takahiro