このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です

食物と消化酵素
              
                   2003 11
                   各教室

 今日は質問形式で授業を進めました。


授業の流れ
1 中学生が1日に必要なカロリー

 年頃の中学生は、男女を問わずダイエットに興味があるので、カロリーという言葉に敏感に反応する。街に溢れるコンビニエンスストアの食品にはカロリー表示をしているものが多い。その割には、自分が必要とする1日の熱量(カロリー)を知っている中学生はいなかった。数字も桁もさっぱりなのである。家庭科で学習したはずなのに、、、。図1に示した数値は、参考資料によって多少の前後がある。


図1 中学生が1日に必要なカロリー

2 なぜ食べるのか?
 日本人の標準的な食事の回数は1日3回ですが、厳しい生活環境で生活している人達は違います。飽食の世界に生きている私たち日本人は、食事の意味を本当に問い直す必要があると思います。そうすれば、肥満に悩む人は激減するはずです。図2を見ると、この学級では、生徒から私が望む答え生活に必要な活動エネルギーを得るため、が返ってきたようです。その後は、具体的な活動について真面目な意見が出されました。なお、この質問は前時に終了してるクラスがあります。


図2 A組の生徒が発表した食べる理由

3 5大栄養素
 家庭科で学習済みの5大栄養素について復習します。何人かの生徒は意気込んで手をあげることでしょう。A組の生徒は図3のような順に発表しました。まさか、ビタミンや無機質から出てくると思わなかったのですが、生徒の勢いを尊重することにしましょう。また、図4には5大栄養素1グラム当たりの熱量(カロリー)、それらを含む主な食品などを掲載しましたので参考にして下さい。


図3 A組の生徒が発表した5大栄養素

表4 5大栄養素

栄養素名
カロリー

主な食品

主な働きなど
炭水化物
kcal/g
米、パン ブドウ糖に分解され、エネルギー源になる
脂 質
9
kcal/g
油、バター 脂肪酸とグリセリンに分解され、エネルギー源になる
たんぱく質
kcal/g
肉、魚 筋肉や血液など、体の組織を作る
無機質 Ca、P、Fe 体の組織を作ったり、体の調子を整える
Ca、P:骨、歯
Fe:血液
ビタミン 脂溶性
(A、D)
水溶性
(B1、B2、C)
体の調子を整える
A:目、皮膚
B1、2:炭水化物や脂質の燃焼を助ける
C:血管、傷の回復
D:骨、歯

※ 家庭科では、食品を6つの食品群に分類している
 1群 魚・肉・卵・豆製品(動物性と植物性に細分、おもに体の組織を作る)
 2群 牛乳・小魚・海藻(Caを多く含む)
 3群 緑黄色野菜(体内でビタミンAに変わるカロテンを多く含む)
 4群 その他の野菜・果物(ビタミンCやCaを多く含む)
 5群 穀類・いも類・砂糖(炭水化物を主成分とする)
 6群 油脂(脂質を主な成分とする、少量で多くのエネルギーを得る、動物性と植物性がある)

4 食物が体に入るとどうなるか?
 体内ではどのような変化が起こるのでしょう。3で発表された5大栄養素について、それぞれについてまとめてみました。図4では、1年生のときに行った実験実験1いろいろなものを熱する実験2有機物を熱するについて触れています。食塩など化学変化しない物質があること、有機物は燃焼してエネルギーを発生することを確認しました。


図4 食物が体に入るとどうなるか?

5 食物を分解する方法
 お待たせしました。ここからが本番です。皆さんの体の中でバスバーナーの炎を使うことはできません。さて、どうしましょう? B組では、図5に示したような答えが出てきました。運動したり、歯でかんだり、胃液で溶かしたり・・・それから先の消化酵素については、教科書や理科便覧で調べて発表させました。図6には中学生が覚えなければならない4つの消化酵素がまとめられていますが、


図5 B組で出された食物を分解する方法


図6 中学校で学ぶ4つの消化酵素


授業を終えて
 熱量を測定するために、ブドウ糖1グラム、アミノ酸1グラム、食用油1グラム、をそれぞれスプーンにとって、100mlのビーカーに入れた水100mlを過熱する実験は如何だろう。

体の構成成分
66% 水分
16% タンパク質
13% 脂質
4% 無機質
1% 炭水化物
調べた

備 考
 図7で示したように、D組では食べ物を消化する理由についても考え、発表させた。


図7 D組で出された食物を分解する方法

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