このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です

観察10 消化器官
              
                   2003 11 14(金)
                   各教室

 このページは2005年夏、当時を思い出しながら書き起こしたものです。記憶が弱くなっていますので御容赦下さい。また、2000年度の実践記録『観察3 イカの消化器官』も参考にして下さい。ユニークで有効な実践記録です。
 

図1 Aさん記録した人の消化管


授業の流れ

1 消化器官、消化管について

・ 食物から必要な養分を体の中に取り入れる働きをしている器官を消化器官という。
・ 食物が体内を通る1本の管を消化管という
 → 消化器消化の違いに注意しよう!

消化管は体外、と考えることもできる。その途中に消化液を出す器官(だ液腺、すい臓、肝臓)がある。
 (だ液腺:だ液
 ↓
食 道
 ↓
 (胃:胃液
 ↓
小 腸
 ↓ (小腸:小腸の壁の消化酵素
 ↓ (すい臓:すい」)
 ↓ (肝臓:胆汁
 
 ↓
肛 門


図2 Bさんの学習プリント

消化管が1本の管であることの説明例
 小さな肉片に釣り糸を巻きつけて食べたらどうなるでしょう。釣り糸を噛み切ってはいけません。肉もできるだけ飲み込むようにして下さい。釣り糸でくくられた肉は胃袋に落ちていきますが、やがて胃液で溶けてしまうでしょう。しばらくして、釣り糸をゆっくり引っ張れば何もついていない糸が出てくるはずです。次に、小さな肉の中にパチンコ玉ぐらいの金属がついていたらどうなるでしょう。同じように、引っ張れば口から出てきますが、それでは面白くないので、他に美味しいお菓子を食べたりテレビを見ながら眠ってもらうことにしましょう。あまり現実的に考えないで下さい。お笑いマンガのようにイメージして下さい。翌朝、トイレで、ぽとんと下からパチンコ玉が出てきました。釣り糸もついていました。口からも釣り糸が出ています。さあ、どちらの釣り糸を引っ張りましょうか?

消化管は体外である、と考えることもできることの説明例
 口の外は当然体外ですよね。じゃあ、あーんと口を開けて、口の中は体外でしょうか? 体内でしょうか? あーんと思いっきり口を開けたときのまん中ですよ。体内ですか? それとも体内ですか? 
正解は体内ですが、体外の皮膚と連続していることも事実です。唇の粘膜は微妙な部分ですが、口の中、喉、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸は体内ですが、肛門から連続した尻、これは体外ですね。このように体内としての消化管は、体外の皮膚と連続してつながっています。そして、口をいっぱい開けた時の中央は体外であることも事実ですから、同じように考えれば、消化管は体外と考えることもできるのです。


図3 C君の学習プリント (注意:消化管は体内です)

2 消化器官のスケッチ
 教科書や理科便覧の図を見てスケッチさせます。ごく簡単に書かせれば世でしょう。ただし、1:口、2:胃、3:小腸、4:大腸、5:肛門の5つは1本の管として連番にします。そして、その管にだ液腺、肝臓、膵臓を付け加えるようにします(図4)。


図4 消化器官をスケッチしたD君の学習プリント

3 消化器官のはたらき
 図1や図4を参考にして消化器官のはたらきについて解説して下さい。ただし、図4にある大腸25時間は便秘の人ですね。実際の授業では、その場での生徒の発言に応じて話す内容を変更したと思うのですが詳細をさっぱり忘れました。いずれにしても、ここまでの内容で40分以上消費しています。生徒から多数の質問が飛び出たのだと思います。

4 なぜ食べるのか?
 この質問は私から出したものですが、すべてのクラスに考えさせたわけではありません。生徒からの質問が少なかったクラスだけに発問しました。

・ 生きるため
・ お腹をいっぱいにするため
・ 食物から栄養を取るため
・ エネルギーを得るため
・ 体の中で、食べ物をもやして熱を得るため
・ 内呼吸により、生活に必要なエネルギーを得るため
・ 体をつくるため、成長するため

図5 食べる理由についてまとめたE君の学習プリント

◎Aさんの学習プリント
 図6はAさんの学習プリントです。これを分析すると、教室での50分授業としては記述内容が少ないので、生徒から相当数の質問が出たのでしょう。生徒も先生も楽しかった授業だったのでしょう。しかし、学習プリントに記録がまとめられていない以上、漫談のように時間を過ごした可能性を否定できません。私自身、十分に反省する必要があります。各器官のはたらきを表にして整理するなど、有効な時間の使い方を工夫すべきです。


授業を終えて
 2000年度の実践記録『観察3 イカの消化器官』も参考にして下さい。

note
1 3学期に入ってから化学分野に入ればよい
2 2学期いっぱいは生物学分野を学習できる
3 今日から期末テストまでの間に、消化器官と消化酵素を学習する
4 つまり、消化だけで、吸収はテストに学習する
5 ただし、小腸の柔毛(毛細血管、リンパ管)は学習する
6 時間的にはゆとりがある
7 1〜6により、表1のようなスケジュールを決定!

表1 期末テストまでのスケジュール

第1時
(本時)
・消化管と消化器官
・なぜ食べるのか(エネルギーを得るため、内呼吸には触れない)

第2時
食物と消化酵素
・中学生に必要なカロリー(家庭科の復習?)
・食物(5大栄養素、家庭科の復習)
・食物の分解・消化
・消化酵素(食物を加水分解する、働く物質が決まっている、繰り返し働く、生体内で反応、37度Cでよく働く)
・ 食物を体内に取り込める小さな「分子」まで分解する

第3時
実験1だ液の働き
・デンプンとブドウ糖の関係(でんぷんは数万個のブドウ糖が集まったもの)
・だ液(アミラーゼ)の働き
・指示薬(ヨウ素液小学校5年で学習済み、ベネジクト液)の確認
・犬のだ液にはアミラーゼが含まれていないのでデンプンを含む食べ物を食べない

第4時
消化酵素のまとめ
・消化器官と酵素
・胃から分泌される消化酵素ぺプシンはPH2で働く
・食物と消化酵素の関係
・小腸の柔毛(毛細血管、リンパ管)

第5時
・あまっているクラスは時間調整(自習)

8 実験『食物に含まれる炭素』
・ 有機物
・ アルミハクに包んで過熱する
・ ハクには小さな穴を開ける
・ プリントに添付する

9 期末テスト後の吸収について
・ 消化された物質が消化管の中から体内に吸収されることを『吸収』という
・ 胃と小腸の柔毛

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