このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2000です

観察3 イカの消化器官
                2000 6 20(火)快晴

 「次の時間はイカを焼いて食べます」ということで、子どもたちは嬉々として理科室にやってきた。

 もちろん、イカは持参。近所の魚屋で売られている1パイ100円の生イカは売り切れ寸前だったに違いない。授業の目的は消化器官の観察であるが、その後のイカ焼いきも見逃すことはできない。

(右図:イカの内臓)


授業の流れ

1 消化器官について
 教科書を参考にしながらまとめる
 口、食道、胃、小腸、大腸、肛門へと続く1本の管を消化器官という。

2 人の消化器官をまとめる

 教科書の図をコピーしておき、空欄に適語を書かせる。

・ だ液せんの『せん』に使う漢字を紹介する。
・ こう門の『こう』も紹介する。

・ 胆のう胆汁(消化酵素)をつくる

・ すい臓からすい液(消化酵素)が出る

・ だ液線からだ液(消化酵素)が出る


 (右:Aさんの学習プリント)

3 イカの消化器官

 理科便覧(p.41)を見ながらスケッチする

 実際の授業では、ここまでを前時に済ませておく

(右:B君のスケッチ)

 消化器官と関係ない部分もあるけど、気にしない。実際の解剖では、もっと色々発見するはずだから、、、

4 イカの解剖
  イカの種類によって、また、個体によって違いがあるが、そこが面白いのである。
  
 (左:上部の胃袋から内容物が出てきた。甲殻類の殻でブツブツ、ザラザラしている。)
 (中央:左右にある透明な器官が鰓えらである。)
 (右:上部左の白い器官は、生殖器官。雌雄は不明。)

◎ イカの内臓  

5 イカ焼き
 なんと言ったらいいのだろう。多くの生徒にとっては、これからが本番である。
  
(上:ガスバーナー、金網、アルミホイル、イカ)


(上: はしで直接焼く生徒もいる)


(上:アルミホイルが大活躍。)
 また、包丁は使わなず、全てハサミで切る。


(上: ほぼ出来上がり。この班は味噌を入れた。)


授業を終えて
 非常に楽しい解剖・観察だった。是非とも、お勧めしたい。難点は、後始末で「イカ臭さ抜群!」の理科室になるが、それまた良い思い出になる。

 イカを教材にするすることで、たくさんメリットがあった。
 1 家庭料理する材料なので、解剖に抵抗感が少ない。
 2 「イカを食べるぞー。」と導入できる。
 3 内臓を見て感想が「なるほど」、あるいは、「美しい」。
 4 材料を、家から持参させることが容易。この季節、『刺身用』が100円/杯である。
 5 家庭で予習・復習することができる。

 とにかく、解剖実習を計画しているなら烏賊しかない、と断言できます。私はこれまでに、体長20cmのウシガエル、ハマグリなどでも生徒実習を行ったことがありますが、内臓器官の観察のしやすさだけを考えてもイカに勝てません。ウシガエルも捨てがたいものですが、値段が高価であること、残酷な感じがすること、実験後の処理を粗末できないこと(美味しいもも肉であっても食べる気は全く起こりません)などの理由から第1候補からは外れてしまいます。

===

 また、この授業は、自分の担当するクラスの授業参観にあたった。この時の様子が、学級通信枇杷林檎35号36号に多数掲載されているので、あわせて読んでいただくと面白い。

イカの解剖実習を検討されている先生へ
 静岡県富士市の遠藤先生からのe-mail(2010年9月20日拝受)があります。遠藤先生は、教員生活6年目で、私より優れた実践をされました。是非ご覧になって参考にしてください。

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(C) 2000〜2010 Fukuchi Takahiro