このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 1年(2012年度)です

第15時
考察15:1年理科1学期中間テスト

     2012 5 30(水)、31(木)
     普通教室

はじめに
 テスト返却を普通教室で行いました。生徒にとって初めての経験なので、丁寧に行いました。

本時の目標
1 問題用紙を持参する
2 正解を知り、問題と答えの関係を正しく理解する
3 通知表の評定の決まり方を知る

準 備
生 徒 教 師
  • 筆記用具
  • 教科書、理科便覧、ファイル
  • 問題集用紙
  • 採点済みの生徒の解答用紙
  • 本日の学習プリント (1/人)
  • 検印、スタンプ


授業の流れ

(1) 始業のあいさつ、本時の内容紹介、準備
 本時の内容は、テスト返却、その解説、1学期の評定が決まるまでのスケジュール紹介です。テスト返却時はざわつくものですが、間違いが起こらないように『机上に出しておく物』を限定しました。
  机上に出しておく物
  1) 問題用紙
  2) 赤ペン
   筆箱はダメです!
   原則、シャープや消しゴム付の赤ペンも不可です

(2) 模範解答(学習プリント)配付
 模範解答を印刷した学習プリントを配付します。右面は模範解答、左面は生徒が自由に利用できるスペース、左下は問題用紙持参の検印欄です。

(3) 模範解答の確認
 模範解答を配付すると、生徒は静まり返ったり、一斉に話したりします。先生は生徒達の話題をチャックしましょう。そして、完全に注目させてから、彼らの話題について解説します。その他、採点上のポイント、生徒がよく間違えたものも解説します。図やグラフ、難しい漢字は板書します。必要に応じて、授業の復習をしながら解説する場合もあります。とくに難解な問題は、この時点で軽く解説し、返却後に再度確認する、という手順も悪くありません。

(4) 得点予想
 自分の得点を予想させます。予想点と実際の点が近いほど、客観的に自分を分析できたことになります。得点を予想させる目的は、科学的思考力の育成です。

 「先生! ぴったりだったらどうなるんですか?」と、あるクラスで質問されました。私が「200点あげます!」と答えると、みんな呆れ顔でしたが、そのクラスのピッタリ賞は6人。テスト返却時に大喜びでした。「200点ください」と言う生徒はいませんでしたが、科学的思考ポイントとして検印1個進呈です。

(5) 平均点の発表
 今回は77点でした。極めて高い得点でした。この原因の1つは、テスト範囲の内容が簡単だったことです。生物や植物観察の基本が中心なので仕方ありません。もう1つの原因は、生徒達がよく学習したことです。私は、生徒達をほめると同時に、次回のテストの平均点は低くすることを知らせました。80点近いテスト2枚で通知表『3』、というのは感覚的に馴染めないと思うからです。次の期末テストは、先生が頑張って内容を難しくする必要があります。誰もが納得できる内容でつくるのは大変だけど、がんばりましょう。


上:板書例

(6) 机上の再確認→ テスト返却
 テスト返却前に、先生は机間巡視します。机上に問題用紙と赤ペン以外が載っていないか確認してください。筆箱などがあれば、確実に指示します。赤ペンがない生徒は、友達に借りさせれるか、他の色ペンを許可します。シャープペンシルや消しゴム付の赤ペンは不可ですが、どうしてもそれしかない場合は、その生徒を着目することを知らせたり、生徒の解答用紙を先生の赤ペンで全て再チェックしたりします。間違いが100%起こらないようにするためです。その後は、さくさく返却します。返却には時間をかけません。

(7) 解答の確認
 生徒は模範解答を見ながら間違えたところを直します。そして、採点ミスがあれば先生に訂正してもらいます。


上:板書例

 同時に、質問を受けつけますが、今回の問題は簡単だったので、質問は出ませんでした。質問が予想される場合は、黒板に『質問コーナー』と板書しておくと良いでしょう。一括して受け付けることができます。

(8) 問題用紙を持参したことの確認
 問題用紙と学習プリントの検印欄を机上に置かせます。問題用紙の氏名を確認して、問題用紙と検印欄に1つずつ印を押していきます。今回は2つ押すようにしたので、私が机間を歩く方が効果的でした。

(9) テスト問題の解説
 質問は出ませんでしたが、私から蒸散の計算問題の解説をしました。


上:蒸散の計算問題を解説するための板書

(10) 1学期の通知表の付け方
 最後に、1学期の通知表の付け方を紹介しました。主な内容は以下の通りです。
 1) 4つの観点があること
 2) 定期テストの得点は、主に観点『知識・理解』の資料になること
 3) 毎日の授業プリントは、主に他の3観点の資料となること
 4) 観点『興味・関心』は、プリント保存、各種提出物、自宅からの持参物
 5) 観点『科学的思考』は、毎日の発見・疑問、感想の記述内容
 6) 観点『実験・観察の技能』は、スケッチ、標本の内容
 7) 評定は、4つの観点の総合評価であること

 熱心に話を聞く生徒の顔が印象的でした。成績に興味があるのでしょう。それは当然のことですが、必要以上にこだわることは危険です。教育現場で必要なのは評価ではありません。毎日の授業です。毎日の授業の結果として、年3回評価が出されますが、評価のために頑張るのは本末転倒です。まず、先生が本末転倒にならないよう、十分に注意しましょう。転倒するのは大人、子どもの順です。気をつけてね! 


上:A君の学習プリント


授業を終えて
 平均高くて吃驚しました。通知表をつけるのが大変です。80点2枚で『3』、というのは感覚的に馴染めませんからね。でも、よく考えれば、通知表は絶対評価だから、機械的に良い成績には良い評価をつければ良いのです。相対評価の時代は終ったのです。私の感覚は間違っている、と反省しました。古い教育観を引きずっているようなので、同じような古い人と一緒にがんばります。

関連ページ
・ 考察4 1年理科1学期期末テスト 1年(2012年)
・ 
テスト返却1(1学期中間テスト) 1年(2002年)
・ テスト返却1(1学期中間テスト) 1年(1999年)

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