このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 1年(2012年度)です |
第83時
観察11 地層の広がり(柱状図)2013 2/28(木)、3/1(金)
理科室はじめに
前時の実験を受け、本時は地層を模式図でまとめます。地層は、そこがかつて水底だったことを示しています。さらに、堆積物(地層)を調べれば、水深や環境がわかります。堆積物が大きく変化するのは、地震や突然の隆起・沈降など大きな事件が起ったことを示しています。また、不整合面は、そこが隆起して水底から陸地へ変わり、地層が失われた時代があったことを示しています。不整合面より上の地層は、再び大地が沈降し、水底になったことを示しています。なお、本時と次時の学習プリント番号が逆転しています。
他年度の実践
・観察4 露頭と柱状図 1年(2002年)
・観察5 名古屋市南区三吉町5-43の地層 1年(2002年)
本時の目標
1 広がりのある地層と柱状図を理解する
2 地層のしゅう曲、断層について理解する
3 不整合面について、その成り立ちを知る準 備
生 徒 教 師
- 筆記用具
- 教科書、理科便覧、ファイル
- 色鉛筆
- 本日の学習プリント(1/人)
- 本校のボーリング標本
できるだけたくさん準備する授業の流れ
(1) 本時の授業内容の紹介 (1分)
(2) ある土地の断面図、柱状図の色塗り (10分)
学習プリントに立体的な地層の模式図を印刷しておきます。モノクロ印刷です。この図に、生徒の好きな色で着色させます。作業時間は7、8分が適当でしょう。この作業が終ったら、『図からわかること』を発表させます。
上:色塗り完了した地層の模式図下は、私が板書した模式図です。泥の層しか示していませんが、柱状図の説明には必要十分です。柱状図は『ある地点の地層の模式図』です。この図は、地点A〜地点Eの柱状図を表しています。
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左:模式図を板書し、泥の層を茶色で着色したもの
右:学習プリントに着色する様子(3) 萩山中学校のボーリング調査標本の紹介 (3分)
理科準備室を探すと、萩山中学校のボーリング調査標本が6箱ありました。昭和55年頃のもので、標本は礫、砂、泥だけでした。ぱっとしない標本ですが、色塗り作業(2)の後はちょっと面白く見えるものです。なお、標本はどこの中学校にもあるので、理科主任の先生や教頭先生にたずねてください。
上:本校のボーリング調査標本(1m毎に詰められている)本校の標本は、特別なものがないので、一目見るだけに止めました。もし、あなたの学校の立地、地質に特徴があるなら、個性的な授業を展開してください。別ページ『観察5名古屋市南区三吉町5-43の地層1年(2002年)』は、埋め立て地にある名南中学校での実践記録です。
上:地質標本を観察する生徒(4) 色塗り作業でわかったこと (20分)
色塗り作業(2)でわかったことを自由に発表させます。内容はクラスによって変わりますが、必ず押さえるポイントは『奥行きがあること』『地層は水中(海)でできること』『しゅう曲』『整合、および、不整合面』です。また、この図に断層はありません。断層は、次の(5)で学習します。不整合面は教えないつもりでしたが、1番初めのクラスの生徒から「地層が切れている部分がある」という発見が出たので、全クラス指導しました。
(5) 食い違った地層:断層 (10分)
断層は、ある面を境にして食い違っている地層です。最近、断層の上にある原子力発電所が話題になっているので、生徒たちは簡単にイメージすることができたようです。活断層は、活発な断層という意味です。ただし、活発である基準は不明瞭なので、調査する人によって活断層か否か、判断が変わります。原子力発電所については、事故が起きれば核爆弾爆発と同じです。断層の上に立地しているが大問題なので、一刻もはやく廃炉にするべきです。実際は、廃炉することもできないほど危険なものが原子力発電所の正体です。
上:逆断層と正断層の板書
授業を終えて
色塗り作業にはたくさんの時間がかかりましたが、たくさんの秘密が隠されています。1つでも多くの発見をするためには、時間をかけることが必要なので、これで良かったと思います。とくに、誰もが「なるほど」と思う、当たり前のことを発見させることが重要です。難しいことは覚えるしかありませんからね。関連ページ
・観察4 露頭と柱状図 1年(2002年)
・観察5 名古屋市南区三吉町5-43の地層 1年(2002年)実践ビジュアル教科書『中学理科の地 学』
第4章 地層と堆積岩 中学校の地盤調査『ボーリング』 p.92、p.93 地表に現れた大地の歴史『露頭』 p.94、p.95
考察10 1年理科 学年末テスト |
観察12 堆積岩(地層をつくる岩石) |