このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 1年(2012年度)です

第52時
実験4 光の直進 → 屈折 → 全反射

     2012 11 6(火)、7(水)
     理科室

はじめに
 今日は、全反射につかう半円形の透明体にこだわりました。初めに半円形を使った復習の作図問題(直進、屈折)を行います。その後、屈折から全反射へ展開します。

 授業は予定通り進みましたが、生徒実験は盛り上がりませんでした。原因は、検証実験にしたことです。前時も同じ手順でしたが、光の分野は『実験→ 実験結果をまとめる』の手順にするべきでした。反省です。なお、以下の2002年度の実践記録がよくまっといるので参考にしてください。

関連ページ
実験4 光の屈折1年(2002年
実験5 光の屈折2(全反射) 1年(2002年)


上:半円形の透明体を使って、光の屈折を調べる様子


本時の目標
・半円形の透明体を使い、光の直進、屈折、全反射を理解する
・光の直進、屈折、全反射を正しく作図する
・同上の検証実験を行う

準 備
生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • 定 規
  • 本日の学習プリント (1/人)
  • 光の実験用 プラスチック(ガラス)
  • 光の実験用 光源装置

授業の流れ
(1) 本時の授業内容の紹介 (1分)

(2) 半円形を使った作図問題1     (15分)
 学習プリントに半円形の透明体、および、光源A〜Cを印刷しておきます。そして、3つの光源から、それぞれ半円形の弦に対して垂直に光を進入させたときの様子を作図させます。以下の2つの板書は、その問題と解説の流れを示しています。


上:途中の板書
 まず、点Bの光が直進することを確認します。その理由は『法線』と一致しているから、入射角=0=反射角だから、です。次に、点Cの光について同様に確認します。生徒の何人かは、半円形の弦から進入する時に屈折するのではないか、と錯覚します。点Bと点C(点A)は同じであることを確認してください。その次に、透明体の中の光が空気中に出る時に屈折する方向を考えさせます。上の板書では、『左』『右』と書いて発問してます。


上:最終的な板書
 A点も同様に発問し、プリントに作図させます。ポイントは点A〜点Cの光が1ケ所に集まることです。これは次の時間に学習する凸レンズの焦点と同じです。半円形の透明体は、凸レンズと同じように焦点を持っています。

(3) 半円形を使った作図問題2     (10分)

 右図は、Aさんの学習プリントです。中央右にある印は、作図問題(点A〜点C)の合格印です。

 次の問題(点D〜点G)のうち、点D〜点Fは前の問題と同じです。透明体を逆に置いただけです。

 点G〜点Iは難しい問題になってしまいました。透明体への進入角度、屈折率によって変わってしまうからです。半円形にこだわった私の失敗でした。

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上:Aさんの学習プリント

(4) 円の接線と接点の確認    (5分)
 数学で学習済みだと思っていましたが、違いました。5分ほど使い、円の接線と接点について指導しました。


上:円の接線と接点を説明するための板書

(5) 屈折から全反射へ    (15分)
 本日のメインです。半円形の弧から、半円形の中心に向って光を進入させます。ポイントは、弧から進入するときに『直進』することです。その後、中心から出るときに『屈折』することは簡単に理解できます。屈折し過ぎたもの=全反射、も比較的簡単に理解できます。


上:全反射を示した板書

指導上のポイント
・弧から進入するとき、すべての光は直進する
・光1の屈折光は1’、2は2’、3は3’、4は4’とする
・光4は全反射とする
・全反射の場合、入射角=反射角
・全反射は、鏡と同じ
・光4と光Bの反射光4’とB’の位置関係に注意!

(6) 生徒の検証実験    (15分)
 検証実験にしましたが、授業の冒頭でこの実験を行い、その結果を正しく図示させる展開の方が良いと思います。


上:生徒実験の様子


上:生徒実験の様子

(7) 後片付け、考察   (5分)


上:B君の学習プリント


授業を終えて
 盛り上がりに欠けました。初めに実験させるべきでした。2002年度の実践をご覧ください。

関連ページ
・ 消える石を観察する
・ 実験4 光の屈折1年(2002年
・ 実験5 光の屈折2(全反射) 1年(2002年)
 ・ 水に浮かんで見える理由
 ・ 光ファイバーの原理
 ・ 水の臨界角(屈折角が90度になる角度、水中の光が空気中にでれない角度)は48.5度
 ・ ガラスは41.8度、ダイヤモンドは24.5度
 ・ 水中に定規を立てたら長さはどうなるか
 ・ 水中に空の試験管を入れると鏡のように見える(全反射)

・ 実験6 太陽で虹を作ろう 1年(2002年)
 ・ 三角プリズムによる虹→ 光の分散(光の波長によって屈折率が異なるから)
            (空が青く見える『光の散乱』とは違う)
 ・ 光源(太陽、テレビ)などの意味(四方八方に光を出している)
 ・ 物が見えるとは?(目は、最終的に入ってきた光の方向に物体があると判断する)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学
第5章 目で見る 光   屈折する光  p.90、p.91
 屈折から全反射へ  p.92、p.93
 反射、全反射 p.94、p.95

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実験3 光の屈折

→ 第53時
実験5 凸レンズの焦点距離

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