このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 1年(2012年度)です

第61時
実験13 フックの法則

     2012 12 5(水)、6(木)
     理科室

はじめに
 本時は、ばね2種類を使ってフックの法則を確かめる実験を行います。次時は、生徒に持参させたいろいろな種類の輪ゴムで、同じ実験を行います。輪ゴムは『ばねばかり』ならぬ『ゴムばかり』。バネや輪ゴムの使えば、筆箱やメガネなど身近な物体にはたらく重力を測定できる、というシンプルな発見を楽しんでもらいます。適当な弾性のある物質なら、何を使っても力の大きさを測定できるわけです。

関連ページ
実験16 フックの法則 1年(2002年) ・力の大きさは、ニュートンで表わす(定義には触れない)
実験5 フックの法則 1年(1999年)


上:みんなで協力してフックの法則を確かめる生徒達


本時の目標
 すべての物体は弾性があることを知る
 フックの法則を理解する
3 バネ2種類に力を加え、力と変形した量が比例するグラフ2本を得る
 測定データの誤差を考え、理想的な実験をした場合のグラフを書く
 フックの法則がなりたてば、力の大きさが測定できることに気づく
 次回、輪ゴムを持参し、身の回りの物体の重力を測定しようとする

準 備
生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • 定 規
  • 本日の学習プリント (1/人)
  • ばね2種類
  • 20g 分銅 (10個/班)
  • 1m 定規
  • 鉄製スタンド
  • つまようじ(マッチ棒で代用可)

授業の流れ
(1) 本時の授業内容の紹介 (1分)
 実験時間を確保するため、いきなりフックの法則を知らせます。次に、フックの法則のグラフ、実験操作の手順、測定データからグラフを書く方法を紹介します。なお、グラフの詳細は、各班の実験データが集まってきたところで説明します。生徒にとって初めてのことばかりなので、オーバーフローに注意して授業を組み立てます。

(2) フックの法則  (7分)
 下の板書例を見てください。3クラスとも同じ順序、内容で進めました。


上:A組の板書

(1) 全ての物体はを加えると変形する
(2) 物体に加えたの大きさと変形の大きさは比例する
(3) (2)を調べるのに適した物体(物質)の例

 フックの法則を調べるために適した物体(物質)の例を挙げさせたところ、まっ先に『ばね』『つるまきばね』が発表されました。これらは金属からつくられた物体です。つまり、金属は弾性をもっていることがわかります。なお、弾性という語句は最後に取り上げました。

(3) 力の大きさを変型の大きさの関係を示すグラフ (7分)
 今回の実験は、ばねに20g 分銅を吊るすので、ばねに加える力=分銅にはたらく重力、になります。力の大きさの単位は g重にすれば良いのですが、今年は質量(g)力の大きさ(N)を並記しました。フックの法則と関係ないところで、生徒を混乱させたくないからです。並記しても混乱する生徒はいますが、これ以上丁寧に説明することは逆効果です。とにかく、すみやかな学習指導要領の改善を求めます。


上:B組の板書

グラフを指導する上でのポイント
 横軸は変数なので、今回は分銅の質量(g)=ばねにはたらく力の大きさ(N)
 縦軸は、変型した量=ばねの伸び(cm)
 測定データの各点は正確に打つ
 分銅0のとき、ばねの伸び0(原点)であることを確認する
5 
データの配列から、原点を通る1本の直線上にあることを推測させる
 理想的な実験を行ったときに得られる1本の直線を書く
 6ができる人は、科学的思考および技能=A
 ばねの種類を変えると、グラフの傾きが変わる
 → グラフの傾き=ばねの弾性の大きさ


上:A組のここまでの板書


上:C組の板書

(4) 生徒実験:フックの法則 (25分)
 生徒達はさくさく取り組んでいました。


上:定規の調節する生徒


上:実験前の初期設定をするところ(ばねは、少し伸ばした状態からスタートした方が誤差が少ない。写真では10g分銅を使っているが、もう少し重くても良いだろう。また、マッチの先端を定規にあわせる)
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上:20g 分銅を3つ吊るしたときの様子



上:マッチの先端があらこちらを向くなら、手で軽く押さえれば良い。


上:誤差を含む複数の実験データから、1つの理想的なグラフを書く生徒

(6) 後片付け、考察   (5分)


上:D君の学習プリント

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上2枚:E君、F君の学習プリント


授業を終えて
 次時は、輪ゴムを使って身近な物体の重さを測定します。お楽しみに!

note: 弾性と塑性 
 弾 性 
だんせい
 ・物体に力を加えると変型し、開放されると元に戻る性質
 ・ボールがむような質、と覚えると良い
 ・全ての物質には弾性限界があり、それを超えると元の形に戻らない
 ・弾性と(垂直)抗力は密接な関係にある
  → 変型させる力の大きさ=弾性のよる力(抗力)の大きさ
  → 作用反作用の法則によって説明する
 塑 性 
 そせい
 ・弾性がとても小さい物体が持つ性質
 ・中学校の美術室には、絵画室と彫室がある
 ・像の代表は、粘土を使った作品

関連ページ
実験16 フックの法則 1年(2002年) ・力の大きさは、ニュートンで表わす(定義には触れない)
実験5 フックの法則 1年(1999年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学
第2章 静かな
 力のつりあい 
 力を矢印で表す   p.18
 フックの法則   p.20、p.21 
 石やはさみにはたらく重力を求める実験   p.21
 グラフの書き方  p.21欄外

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実験12 力を矢印で表す

→ 第62時
実験14 輪ゴムで身近なものの質量を量る

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