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第14時
植物の光合成と呼吸2016 6 6(月)、7(火)、8(水)
教室はじめに
私は『光合成をする生物=植物』と定義しています。これは中学生用に私が考えたものです。そして、光合成をしない生物を動物と菌の2つに分類しますが、これについては2年生で学習します。光合成とは何か! 私は中学生用に『光合成=葉緑体で二酸化炭素と水からブドウ糖とつくること』と定義しています。これは教科書とほぼ同じですが、『ブドウ糖』と明記している教科書はないように思います。ブドウ糖に限定したのは、光合成を単純な化学反応式で表現するためです。この反応式を教えるのは、中学3年生が適切でしょう。
また、すべての生物は呼吸しています。動物も植物も菌も同じです。では、呼吸とは何か。その定義が必要です。呼吸には2種類あり、1つは、酸素を取り入れて二酸化炭素を出す『外呼吸』、もう1つは、酸素とブドウ糖からエネルギーを取り出す『内呼吸』です。植物が呼吸していることを教えるなら、内呼吸まででしょう。なぜ、植物が呼吸をしているのか、中学1年生なら疑問を持つはずです。
光合成と呼吸を化学反応式で表すと、矢印の向きが違うだけで、反応前後が同じ物質であることがわかります。前述の通り、中学1年生にとって反応式は早すぎますが、私はあえて1年生で実施しています。もちろん、これは教科書や学習指導要領にはありませんし、あってはならないものです。学習段階が飛躍しているからです。
しかし、これまで30年間荒れた学校においても同じように指導し、生徒たちを楽しませてきました。その原動力は私自身の教えたいという欲望です。そして、楽しませることができた理由は綿密な学習課程づくりと、生徒たちの実態にあわせた繰り返し学習です。私が単独で3年間持ち上がることができた場合は、この化学反応式を3年間定期テストに出題し続けました。本年度は単独ではないので、十分な指導ができませんでした。
私は、光合成と呼吸の関係をどこまで深く理解できるかによって、その人の自然に関わる態度や姿勢が決まると信じています。人生観も変わる、と思います(私自身、そうでしたから)。植物とは何か、生物とは何か、自然とは何か、それらの定義はあいまいです。専門家によって全て違います。私は中学理科教師として、自分で思索できる人に育てたい、という欲望を持っています。
その先にあるもは豊かな自然&平和で多様性に満ちた人間社会です。そんな壮大な夢を感じる時間、ではなく、実現に向けて最善の努力をしたいと思います。
本時の目標
1 昼の植物、夜の植物について考える
2 光合成のはたらきについて、まとめる
3 呼吸のはたらきについて考え、まとめる
4 物質の作りかえについて知らせ、まとめる準 備
生 徒 教 師
- 筆記用具
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント (1/人)
指導手順
冒頭に壮大なことを書きましたが、本年度は1人担任ではないので指導できません。現実と欲望の境界線で苦悩しています。2012年度の記録『観察16:光合成、ブドウ糖からのつくり変え』『実験19:光合成と呼吸』などをご覧ください。 1年(2012年)本時の記録
本年度は図1〜図6のみです。
図5:必要な物質『点滴』について調査したA組の板書(クリックすると拡大します)
図6:化学反応式に係数をかけなかったB組の板書(クリックすると拡大します)
授業を終えて
教科書の内容は簡単に理解させることができましたが、1人担任はない苦悩と、私の欲望が渦まく1時間でした。学級によっては、2時間使ったところもあります。いずれにしても、本当に苦しいところですが、夢を捨てることはできません。関連ページ
観察16 光合成、ブドウ糖からのつくり変え 1年(2012年)
実験19 光合成と呼吸 1年(2012年)