このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 1年(2012年度)です

第19時
実験19:光合成と呼吸

     2012 6 8(金)、11(月)
     理科室

はじめに
 今日は、光合成と呼吸をまとめます。光合成は植物だけが行う活動ですが、呼吸はすべての生物が行います。光合成は葉緑体、呼吸はミトコンドリアの中で進行する化学変化で、エネルギーの出入りを伴う可逆的な式で表わされます。出入りする物質は二酸化炭素、水、ブドウ糖、酸素の4つで、出入りするエネルギーは太陽エネルギー、生活のために必要なエネルギーの2つです。

 ちょっと難しい内容ですが、生徒の様子を観ながらまとめてみます。


上:授業終盤で、二酸化炭素を水に溶かした時の性質をまとめる生徒


本時の目標
1 植物の昼と夜の二酸化炭素、酸素の出入りをまとめる
2 細胞小器官(核、葉緑体、ミトコンドリア、リボソーム)をまとめる
3 光合成と呼吸ついてまとめる 
4 酸素を調べる方法を確認する
5 二酸化炭素を調べる方法を確認する

準 備
生 徒 教 師
  • 筆記用具
  • 教科書、理科便覧、ファイル
  • 本日の学習プリント (1/人)
  • 酸素ボンベ(1)、試験管(1)、線香(1)、マッチ(1)
  • BTB(10ml)、ビーカー(3)、塩酸(10ml)
    水酸化ナトリウム(2g)、駒込ピペット(2)
  • 石灰水(500ml)、試験管(10)、ストロー(10)


授業の流れ

(1) 本時の内容紹介
 本時の学習プリントを見ながら、1時間のプランを紹介します。初めの10分間で、プリント左側に二酸化炭素を酸素の出入りをまとめます。その後、右側に4つの細胞内小器官を復習し、本時のメインディッシュである『光合成と呼吸の化学反応式』をまとめます。終盤15分で、酸素と二酸化炭素の調べ方を演示して終了です。

(2) 植物の昼と夜の酸素、二酸化炭素の出入りをまとめる
 教科書を参考にして、植物の昼と夜の植物の酸素、二酸化炭素の出入りをまとめます。とても簡単な内容なので10分あれば十分でしょう。長くかければかけるほど分からなくなるので、さくっと終ります。ポイントは、矢印の太さで『出入りする量』を示すことです。そして、みかけ上、昼は呼吸を確かめられないことをおさえます。夜は図で示した通りです。


上:板書例

(3) 細胞小器官(核、葉緑体、ミトコンドリア、リボソーム)をまとめる

 学習プリント右側に、4つの細胞小器官(核、葉緑体、ミトコンドリア、リボソーム)をまとめます。いずれも学習済みなので、さくっと終わる予定でしたが、なかなかまとめ切れませんでした。「今日、復習して良かった」と思うと同時に、「難し過ぎるのかな」と感じた瞬間でした。


上:板書例

(4) 光合成と呼吸をまとめる 
 まず、ブドウ糖+ 酸素 ←→ 二酸化炭素+ 水、を示しました。そして、『』と『』の名称を考えさせました。答えは、『呼吸』と『光合成』です。光合成は簡単に出てきましたが、呼吸はなかなか出てきませんでした。「ブドウ糖を酸素で燃やす反応は?」「空気中では燃焼といいますが、細胞内では何といいますか?」という私の発問は、ちょっと難しかったようです。(3)で伏線を引いたつもりだったのですが、「やっぱり難しすぎるかな」と感じました。


上:板書例

(5) 酸素を調べる方法を確認する
 酸素ボンベ、試験管、線香、マッチを使って、酸素の調べ方を演示実験しました。生徒にとって楽しい時間が過ごせたと思います。2学期に生徒実験させますので、このページは説明なし、画像なしでお願いします。

(6) 二酸化炭素を調べる方法を確認する
 二酸化炭素を調べる方法は3つあります。気体検知管、石灰水、BTBです。

1)気体検知管
気体検知管は簡単に調べられますが、その原理が難解で知らせることができません。しかも、地球環境に悪い使い捨てで高価なものなので、演示もしません。

2)石灰水
石灰水が白く濁ることは、小学校で学習済みですが、時間があれば演示実験します。もう少し時間があれば、手伝ってくれる生徒10人ぐらいを募集し、前に出てきたもらい、みんなから見えるように1列に並ばせます。そして、試験管に入れた石灰水に、ストローで一斉に息を吹き込ませます。実験をしない生徒も十分に楽しめる時間になります。

3)BTB
BTBは初めて使う指示薬です。よく反応するので、生徒はとても喜びます。時間がないので、今日は演示実験だけですが、これも生徒実験をさせます。しばらくお待ちください。



上:他クラスでの板書例

(7) 水に溶かした酸素と二酸化炭素の性質
 水に溶かした酸素と二酸化炭素の性質をまとめることは、とても重要です。酸素は中性、二酸化炭素は酸性です。簡単なことですが、混乱している生徒が多いので、確実にまとめてください。短時間でオッケーです。


上:板書例



上:A君の学習プリント


上:Bさんの学習プリント


授業を終えて
 よくよく考えると、物質A+ 物質B→ 物質C+ 物質Dという反応式は生徒にとって初めてです。物質変化を式で表すこと、が初めてです。ちょっと飛ばし過ぎてしまった、と反省しました。来年はどうしようか悩みますが、うーん! 光合成と呼吸を教えるからには、これを教えないと意味がないと思うので、やるしかないよな。年間カリキュラムを1人で立案したいな、と思う日でした。

関連ページ
 光合成と呼吸 1年(2002年)
 実験2 光合成で使われる気体(二酸化炭素) 1年(2002年)
 実験1 光合成(BTB) 1年(1999年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学
第2章 細胞の構造とはたらき   動物細胞と植物細胞の比較
 ブドウ糖をつくる葉緑体(光合成)
 植物の2つの同化作用
 雑草の葉からでんぷんを取り出す実験 
 代謝(異化と同化)のまとめ
 石灰水で呼吸を確かめよう!
 p.24
 p.32
 p.33
 p.34〜p.35
 p.38
 p.40〜p.41

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実験18 植物の呼吸

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観察20 シダ植物

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