HomeMr.Taka 中学校理科の授業記録1年(2016年度)


実験6 1円硬貨の密度

     2016 7 11(月)、13(水)、14(木)
     理科室

はじめに
 前時『実験5金属(メタル)』で学んだ金属は、それぞれ固有の密度をもっています。同じ大きさで比較した場合、重いものと軽いものがあります。

 密度の測定はいろいろな物質でできますが、金属は理想的です。(1)金属は純物質なので固有値があること、(2)水銀をのぞく69種類の金属が固体(常温)であること、(3)水に沈むもの(1g/cm3以上)が多いこと、が理由です。したがって、理科で、金属の密度を測定させることは理にかなっています。とくに、日常生活で使われる1円硬貨はアルミニウム100%(密度2.7g/cm3)で、中学1年生の実験材料として最適だと思います。

 なお、本時の授業記録はありません。完成度が高い授業の1つだからです。4年前の『実験1 1円硬貨の密度1年(2012年)』を再編したものを掲載します。


実験1 1円硬貨の密度1年(2012年)』を再編


図1:持参した1円、5円、10円硬貨を見せる生徒

 家庭でたくさんの硬貨を準備することができれば、すでに授業の半分は成功していると言えるでしょう。なお、1円硬貨は純物質ですが、5円と10円硬貨は合金です。合金であっても、成分比が均一なので固有の密度を持っています。


図2:定規を使って立方体を描く生徒

 密度を求めるためには、同じ体積で比較する必要があります。体積1cm3 を基準にすることが多く、教科書や資料集は『g/cm3』で記載されてます。


図3:1円硬貨の質量は1g/枚

 図3のように、質量の測定は簡単です。電子てんびんに載せるだけです。なお、電子てんびんで測定できるものは質量(g)ではなく『重さ(N、g重)』ですが、ここでは知らないふりをしてください。


図4:メスシリンダーで体積を測定する生徒

 1円硬貨1枚1gですが、その体積は1cmではありません。体積の求め方はいろいろありますが、授業では図4のようにメスシリンダーと水を使います。これにはいくつかの技術が必要ですが、詳細は元ページ『実験1 1円硬貨の密度』をご覧ください。


図5:自分の班のデータを板書する生徒

 実験データはみんなで共有します。1円硬貨の密度は教科書や資料集を調べればわかりますが、5円や10円硬貨は平均値としても良いでしょう。ネットで調べたり、理論的に計算することも可能です。


終わりに
 密度の濃い楽しい授業です。日本国から1円硬貨がなくなるまで、是非とも実践してほしい理科授業の1つです。

関連ページ
実験1 1円硬貨の密度 1年(2012年)
実験16 1円の密度 1年(2002年)
基本操作 メスシリンダー、上皿てんびん 1年(1999年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学
第2章 原 子 1円硬貨の密度 p.26〜 p.27

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学
第1章 量と単位 国際単位系(SI単位系) p.8〜 p.10
長さと面積と体積の関係、そして、密度へ p.9
誤差と目盛りの読み方 p.12〜 p.13
重さと質量の比較 p.17
重力単位系 p.17欄外
Nと重gの単位変換 p.17欄外

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