HomeMr.Taka 中学校理科の授業記録1年(2016年度)


実験19 こげた砂糖の拡散(水溶液)

     2016 9 30(金)〜10 5(水)
     理科室

はじめに
 今日から4時間『水溶液』について学習します。水溶液は、水の中に1種類以上の物質が溶けたものです。肉眼では安定している水溶液でも、ミクロレベルでは水分子と溶けている粒子がダイナミックに動き回っています。

 初回は、目に見えない粒子をイメージさせるために『こげた砂糖』を使います。黒い砂糖が溶けていく様子の観察は、生徒に大好評です。まだ実践されていない先生は、是非お試しください! 指導手順は4年前の記録『実験20:こげた砂糖の拡散(水溶液)1年(2012年)』をご覧ください。授業手順がよくまとまっています。本ページの中心は記録写真、図1〜図12です。


本時の記録


図1:角砂糖を水に入れた時の様子を発表する様子

 図1の教師用実験台の上には、前時『演示実験:液体窒素による状態変化』に使った50mLビーカーと断熱用発泡スチルロールと軍手が残されています。きちんと片付けなければいけないのですが、違う実験授業を連続して行う場合は、完全に片付けるための時間が確保できないことがあります。


図2:19人の考えが発表させたA組(クリックすると拡大します)

 A組は半数以上の生徒が発表してくれました。すごいことです。しかも、よく見ると、ほとんどの正解です。が、より良いものを選ぶなら、不規則に散らばっているものがよいでしょう。均一に散らばっていても『規則正しく並んでいるようにものは不正解』とすることで、動的な水溶液をイメージさせることができます。


図3:就業直前のB組の黒板と教師用実験台(クリックすると拡大します)

 図3の教師用実験台をみると、これからの実験の使う『焦げた砂糖』の残骸があります。300mLビーカー、三脚、金網、ガスバーナーなどです。机上に散らばっている白い粉は『炭酸水素ナトリウム』です。

 図4は、配布前の焦げた砂糖です。真っ黒な炭は、薬さじについてものを炎で炙ってつくったものです。


図4:焦げた砂糖(クリックすると拡大します)


図5:アルミホイルを千切り、各班で好きなものを選ばせる


図6:焦げた砂糖が溶解する様子を観察する生徒


図7:観察結果を記録する生徒


図8:同上

 図8の試験管の色はさまざま。砂糖の焦げ方、試験管に入れる砂糖の量によって変わります。何度も試すことで、これまで見えなかったものがどんどん見えるようになってきます。


図9:B組の板書(クリックすると拡大します)


図10:炭を試験管に入れたときの様子

 図10を見ると、全く溶解していないことがわかります。水は無色透明のまま、炭は沈降して沈殿していることがわかります。


図11:砂糖がこびりついてビーカーを流水につける様子

 授業後、興味ある生徒が洗浄中のビーカーを見守っています。炭酸水素ナトリウムで膨らんで砂糖はほわほわで、簡単に溶解します。図12は、その1分後のビーカーです。


図12:ほぼ綺麗になったビーカー

 図12のビーカーの底に、わずかに塊がついているだけです。完全に黒く焦がさなければ、このようにビーカーは全く汚れません。

 本時の記録は以上です。ぜひ、4年前の記録『実験20:こげた砂糖の拡散(水溶液)1年(2012年)』をご覧ください。


図13:4年前の記録『実験20:こげた砂糖の拡散(水溶液)1年(2012年)』から


終わりに
 とても楽しくて、奥深い実験授業です!

関連ページ
実験20:こげた砂糖の拡散(水溶液)1年(2012年)
実験12 べっこう飴 (2年)2003年

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学
第4章 化学変化 液体状態の砂糖にNaHCO3を入れた時の様子 p.69
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第6章 水溶液  溶媒と溶質 p.96
角砂糖の拡散
 ↑ クリックすると、印刷原稿がご覧になれます
p.98、p99

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→ 実験20 水溶液の濃度

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