このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第35時
実験9 マグネシウムの酸化

2017 9 6(水)、7(木)
第2理科室

はじめに
 マグネシウムは、鉄よりも激しく酸化します。燃焼皿の上で行いますが、酸素を吹きかけなくても大火傷や大事故の危険性があるので、十分に注意してください。注意して行えばできる実験です。私は荒れた学校でも事故なく楽しく実験してきました。学習効果の高い実験なので、できる先生にはこれからも続けていって欲しいものの1つです。


上:実験後の理科室風景(クリックすると拡大します)


本時の目標
・マグネシウムの加熱実験を行い、マグネシウムと化合する酸素の割合をグラフにする
・実験の精度を上げるための工夫をしながら、実験を繰り返す
・無事故、けがなしで授業を終える

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • マグネシウム(10g程度/班)
  • 薬包紙(5枚程度/ 班)
  • ガスバーナー (1 /班)
  • 燃えかす入れ(1 /班)
  • チャッカマン(1 /班)
  • 三脚(1 /班)
  • 三角架(1 /班)
  • 燃焼皿 (汚れていてもよい、1 /班)
  • るつぼばさみ (1 /班)
  • 薬さじ(1 /班)
  • セロハンテープ (1 /班)
  • 電子てんびん(1 /班)
  • 小さなダンボール(1 /班)
  • ぞうきん (1 /班)
  • 電子てんびん(教師用)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

 実験の目標を説明します。鉄よりも危険なことを周知します。

(2)化学反応式の確認 (3分〜5分)
 さらっと確認します。かんたんだよ、という雰囲気を出すことが大切です。モデル図は丁寧に書きます。その下に、実物をセロハンテープで添付させることを知らせます。


上:マグネシウムの反応式

(3)実験手順の演示説明 (7分〜10分)
 完全に実演しながら、手順を説明します。絶対に守って欲しいのは制限時間です。どんなに長くても10分です。それ以上は忘れてしまい、裏目になります。重要なことは再度抑えれば良いだけのことですから、一度に同じことを何度も言わないようにしましょう。

 下図は実験手順の板書ですが、このタイミングでは書きません。時間を失います。細部まで演示、良いデータを出すための細かいテクニックをすべて伝える時間です。手と口を動かし続けてください。言葉にすることが難しい感覚、感性も伝えるようにします。

 この実験に必要なテクニックを細部まで伝えることができる時間は今です。生徒実験が始まってから行う注意は、今説明している内容の再確認にすぎません。以下の板書は、準備を一通り終え、いくつかの班が点火し、少しゆとりができたタイミングで行います。先生が板書に使える時間は90秒までです。書き終えたら、タイミングを再度はかり、黒板に全員注目させ、手順を確認します。確認時間は30秒までです。この時、子どもたちは下図@〜Cまで進んでいると思うので、自分のこれまでの操作が正しかったこと、および、次に行う操作を確認することでしょう。

 

上2枚:板書した手順(A組、B組)

 板書できることは、実験に必要なテクニックの1/100にも満たないものです。そのようなことを書かせるために、貴重な時間を使うことは絶対に避けなけければいけません。ゆとりがある子どもは自主的に板書を写しますが、私は指示しません。別ページ『実験5 マグネシウムの酸化(2年)2003年』もご覧ください。

(4)グラフ化の方法 (3分〜4分)
 鉄と同じように、直線になること(比例)を確認します。


上:グラフ化に関する板書(A組)

(5)準備説明 (1分〜2分)
 実験器具や材料の準備は、すべて生徒にさせます。

 このタイミングで、電子てんびんのゼロリセットの方法、初めの質量の測り方を確認します。電子てんびんによる初めの質量測定は、今回の実験の山場の1つです。これができないと何も始まらないからです。生徒が動き始めると先生の指示は通らないので、ここでの10秒間がとても重要になります。

(6)生徒実験(30分〜35分)


上:準備する生徒たち
 左の生徒が運ぼうとしている黒いものは、マグネシウム。本来は金属光沢をもっているが、理科室にあるものは古い。薬包紙の載っている量は、約2g。ざっくり配布し、各班で正確に計量させる。


上:約0.5gのマグネシウムを加熱しようとするところ
  一回目の実験は0.5gぐらいから始めると良い。その理由は、マグネシウムが多すぎると燃焼皿に広げにくくなるからである。

加熱上の注意をするタイミングは、どこかの班の燃焼皿の上で反応が始まったタイミングで行います。


上:加熱後の燃焼皿とマグネシウム
 電子てんびんが6.1gを示しているのは、ダンボールと酸化マグネシウムの質量の合計であろう。また、燃焼皿は水で洗わないこと。水を使うと、予想外の化学反応が起こり、異臭が発生する。加熱後の燃焼皿にできた酸化マグネシウムは、燃えかす入れに捨て、燃焼皿は薬さじでカリカリとこするように綺麗にする。最後にパンパンと払って終了! 質量変化は、初めと加熱後の差によって求めるので、完全に清掃する必要はない。


上:マグネウムを自分で追加する生徒


上:実験結果

実験結果を発表について
 1つのデータが出たら、その度に発表・板書させます。すぐに自分たちの班と他の班のデータを比較できるので、2回目の実験の参考になります。
(1)列の左端は、代表者名
(2)2列目は、はじめの質量(約0.5g)と加熱後の質量
(3)3列目は、2回目の実験結果
(4)4列目は、3回目の実験結果
(5)5列目は、4回目の実験結果

(7)本時の感想、考察 (5分)


上:実験後の理科室風景(クリックすると拡大します)


授業を終えて
 今日も楽しい実験でした!

関連ページ
実験5 マグネシウムの酸化(2年)2003年
実験2 マグネシウムの燃焼(2年)2000年

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

第4章 化学変化  マグネシウムの酸化 p.50-p.51

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