このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第82時

実習11 オームの法則 

2018 1 29(月)
理科室

はじめに
 前時の実験結果をまとめます。内容は簡単ですが、数学やグラフアレルギーの子どもは拒絶反応を示すので、前の楽しん実験を思い出させてください。すべての子どもが合格印をもらったはずです。グラフにも2個以上合格印が押してあるはずです。それと勇気を出させることが、本時の成功のカギです。

 また、14年前『実験7 抵抗2年(2003年度)』は、未知の物体の抵抗値を求める実験をしています。時間にゆとりがあれば遊びに時間としてご検討ください。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・前時の実験結果を、理想的なデータに置き換えてまとめる
・電圧と電流は比例すること(お友達)であることを確認する
・それらの関係をグラフにすると、一定の傾きになることを確認する
・傾きは電流の流れ難さ(抵抗)を示すことを確認する
・電圧と電流から、抵抗を求められることを確認する
・オームの法則について理解する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)前時の実験結果のグラフ(12分〜17分)
 前時は合格印を出したので、それ欲しさで忙しくなったようです。本時は新しいグラフを用意して、その結果を確実にまとめます。

 グラフは横軸と縦軸の名称、および、それらの目盛りの取り方が重要です。下図2を見てください。


図2:前時の実験の結果をグラフにしたもの

 図2の横軸と縦軸を見ると、それほど難しいものではないことがわかります。これに、前時の実験結果を丁寧に書かせます。前時の学習プリントにも同じグラフが書かれていると思いますが、理想的な実験結果が出たものとして、理論値によるグラフを書きます。

 はじめに書くグラフは5Ωと20Ωの2本です。グラフには、その名称を書かせます。そして、それらの傾きが違う原因について考えさせます。「さて、2つのグラフの傾きが違うのはなぜでしょう?」

 すぐに「抵抗の大きさが違うから」という答えが返ってくるはずです。次に、グラフの傾きは何を表しているのか考えさせます。「2本のグラフの傾きに注目くしてください。5Ωは急、20Ωはゆるやかです。さて、グラフの傾きは何を表しているのでしょう?」

 答えは「抵抗の大きさ」ですが、即答できる生徒は多くありません。「指名しないから、わかった人は挙手しなさい」と明言しても、挙手する生徒は10〜20%でしょう。先生はがっかりすることなく、「数学で習いませんでしたか?」「これは電流の流れにくさ=抵抗を示すグラフですが、何が違うのかな?」「5Ωの傾きが大きいのはどうして?」など、ヒントを出してください。その上で、みんなに説明してくれる生徒を指名し、教壇に招きましょう。端的な説明をしてくれるはずです。

 全員理解できたら、10Ωや40Ωのグラフを書かせます。できれば、前時実験した直列つなぎと並列つなぎも書き込みますが、それらの理論値(抵抗値)は、次のステップ求めることになるでしょう。

(3)抵抗とは何か (10分〜15分)
 そして、抵抗とは何か、まとめます。今回のオームの実験で知りたいのは、電圧と電流が比例すること、つまり、グラフが原点を通る直線となること、それは、グラフの傾きが一定であることであり、その傾きは抵抗を示す、ことですから。


図3:抵抗、グラフの傾きに関する板書


図4:図3の続き
 右端には、日本語、英語、単位をまとめてある

(4)練習問題(15分〜20分)
 これまでに何回もやっている問題ですが、授業中に何度も繰り返すことで、それを当たり前のことにしていきます。


図5:練習問題と三角形にした日本語(単位)、英語(単位)
  日本語(単位)と英語(単位)を並置することで、日本語と英語と単位の違いを明確にします。ぜひ、お試しください。

本時の板書展開

 以下の図6と図7は同じ学級のものです。授業冒頭は図6左のグラフを板書します。次に、右のまとめ右端のまとめを同時進行させます。


図6:本時の板書展開(その1、クリックすると拡大します)

 これで黒板全てがいっぱいになるので、図6左のグラフを消します。そして、その部分に練習問題を書きます。さらに、図6右端のまとめを書き直します。


図7:本時の板書展開(その2、クリックすると拡大します)

(5)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 確実に実験内容を押さえることができたと思います。比例するグラフの意味は数学で学習済みですが、もとをたどれば、比例・グラフ・傾き・割り算などの数学的考えは、自然を理解するために生まれたものです。オームという人間の探究心、欲望、そして、その結果を説明しようする科学的思考、知的欲望、それらを子どもたちに伝えてください。

関連ページ
実験6 オームの法則2年(2003年度)
実験4 電圧と電流の関係(オームの法則)
2年(2000年度)
実験7 抵抗2年(2003年度)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

第81時 ←
実験10 オームの法則

→ 第83時
実習12 合成抵抗
↑ TOP

[→home
(C) 2018 Fukuchi Takahiro