このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第57時
実習4 原子のイオン化(電子配置)

     2018 10 22(月)、23(火)
     普通教室

はじめに
 電子の数は原子番号と、同じです。1番『水素』の電子は1個、2番『ヘリウム』は2個、3番『リチウム』は3個、・・・です。ここまでは、わざわざ確認しなくても常識として納得できることでしょう。本日は『電子の位置』を追加します。電子は、原子核の周りを飛んでいますが、その位置と数が決まっています。 

 原子核にもっとも近い位置で飛べる電子は2個までです。3個めは、その次の高さ(遠い位置)になります。4個め・5個め・6個め・7個め・8個め・9個め・10個めも同じ位置ですが、11個めは違います。もう1段階高い高さ(3番めの位置)になります。

 つまり、一番内側は2個、その次は8個、その次も8個までです。この規則性を紹介してから、電子配置が安定するように電子が出入りする(イオン化する)ことを示します。


図1: イオンの電子配置(クリックすると拡大します)


本時の目標
・原子番号20番までのイオンのモデル図を、電子配置に注意して描けるようにする
・最外殻電子の数を2、または、8にすることで、電子配置が安定することを理解する
・電子配置を安定させるために、電子が出入りすることを理解する
・電子を出すと+、もらうと−になることを理解する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • イオン周期表練習用紙(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)イオン周期表の小テスト(5分〜10分)
 今日から4時間連続して、イオン周期表(taka先生の造語)の小テストを行います。今回はその初日です。小テストに当たって、周期表の枠を印刷したA3用紙を配布します。片面4つ、両面で8つの枠を印刷したものです。家庭練習用紙としての役割も兼ねています。

 小テスト連続を宣言することで、とにかく暗記しなければならないことを示します。そして、連続4回の授業で、暗記するための鍵や規則性を深めていきます。前時は『イオンの紹介』でしたが、本時は『イオンの電子配置の規則性』を学習します。


図2:16点満点の小テスト


図3:小テストの解答


図4:小テストの解答の解説

 金属原子はすべて+イオンになる、ことを付け加えました。

(3)20番までの原子がイオン化したときの電子位置(15分〜25分)
  原子番号1番から順に、ゆっくりモデル図を書いていきます。

モデル図を描く手順
1)原子核を描く
2)原子核に番号1〜20を描く
3)水素原子に、電子1個を描く
4)ヘリウム原子に、電子2個を描く
 → 電子2個は、同じ軌道
5)チリウム原子に、電子3個を描く
 → 3個めの電子は、外側に軌道を書いて、そこに描く


図5:上記1)〜5)までの板書

6)ベリリウム原子に、電子4個を描く
 以降、省略


図6:完成した電子配置図


図:完成した電子配置図(B組)

 最外殻電子の過不足によって、電気量が決まります。基準となる最外殻電子の数は、以下の通りです。

基準となる最外殻電子の数
原子番号(原子名) 最外殻
電子数
1番(水素)〜5番(ベリリウム) ヘリウム
6番(炭素) 2(8) ヘリウム(ネオン)
7番(窒素)〜13番(アルミニウム) ネオン
14番(ケイ素) ネオン(アルゴン)
15番(リン)〜20番(カルシウム) - アルゴン
 上記内容については、説明しません。

(6)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 最外殻電子の位置をどこにするか、学級によってまちまちになってしまいました。いまだ、迷っているところです。

関連ページ
原子の構造(3年)2011年
原子の大きさ(2年)2003年

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