Home 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)

第83時
観測8 宇宙における私の住所
   宇宙の階層

     2019 12 14(金)、18(火)
     普通教室

→ 私たちの銀河

はじめに
 宇宙から見ると、地球はどれほどの大きさなのか。それを実感するのが本時の目的です。

参考・関連ページ
観察4 宇宙を構成するもの(天体) 3年(2004年)


図1:天の川銀河を書く様子


本時の目標
・天の川銀河を知り、太陽との関係を知る
・天の川の正体を理解する
・宇宙の階層を知り、太陽や地球の位置や関係を理解する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • (1 /班)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)私の住所 (12分〜15分)
 ある場所の表記はいろいろな方法があります。地球上なら緯度と経度によって、目印が何もない地点でであっても特定することができます。ウェブで使うアドレスも、ある1つの場所を特定するものです。

 今回は、宇宙の遠い場所からあなたの家に郵便物を送ることを考えてみましょう。日本では大きな区域から小さなところへと書いていきますが、今回は欧米のように小さなところから書いていきます。


図2:taka先生の住所

 図2は私の住所です。前半は社会科のようです。地球より大きな範囲になると、ようやく理科らしくなりますが、細かく書くことができません。宇宙は広大で、未知なことが多いようです。

 授業では銀河(ギャラクシー)をおさえることができれば十分です。銀河は数億個の恒星の集団で、私たちの太陽は天の川銀河(銀河系)に所属しています。

(3)私たちの銀河 (15分〜18分)
 私たちの銀河の名前は、天の川銀河(銀河系)です。天の川銀河はよいのですが、銀河系という固有名詞は『銀河(数億個の恒星の集まり)』と混同しやすいので注意してください。

 図3は、天の川銀河を簡単に図示したものです。


図3:天の川銀河を横から見た図、上から見た図

 図3では『横から』『上から』と表記してありますが、宇宙に上下左右はありません。角度によって、図3のように見えることを教えます。そして、5分以上使って、スケッチさせます。ポイントは『小さな点1つひとつが太陽と同じ恒星(自分で輝く星)である』ことです。太陽、太陽とつぶやきながら書かせも良いでしょう。


図4:銀河を描く様子


図5:同上

 一段落したら、天の川銀河における太陽の位置を示します。銀河の半径は5万光年で、太陽は中心から3万光年の距離にあります。


図6:天の川銀河の模式図

 天の川といわれる由来を紹介しましょう。私たち人類が星として観測できる範囲はとても狭く、天の川銀河の模式図に示すと、図6のようになります。私自身、それを初めて知ったときは衝撃でした。肉眼で観測できる星6000個は、すべてこの範囲に入っていると言えるのです。

 この事実を認めることができれば、天の川の正体は簡単に理解できます。天の川(ミルキー•ウェイ)は、ぼんやりした白い光(乳の道)のようにしか見えませんが、実は無数の恒星が重なったものです。図7を見てください。


図7:同上

 上下方向に星はありませんが、左右方向にはたくさんの星があります。とくに、右(中心)方向はとても濃い白に見えます。されに、銀河の中心には、これまでは予測レベルでしかなかったたブラックホール、大質量の暗黒物質(ブラック•マター)などが発見されています。

 このように、人類が十分に観測できる範囲は驚くほど狭いのです。それを認知させることができれば、ここまでの学習目標は達成できたと言えるでしょう。

(4)宇宙の階層(15分〜18分)
 私たちの宇宙は、図8のような階層構造を作っています。


図8:私たちの宇宙の階層構造(クリックすると拡大します)

 ポイントは『宇宙の恒星単位は恒星』とすることです。恒星は自分で輝く星です。恒星を基準にすると、太陽は宇宙全体の標準よりも少し小さな星、地球は輝いていないので星以下、ということになります。


図9:同上(クリックすると拡大します)

(5)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 住所のところでは、意外な生徒が活躍して楽しかったです。

関連ページ
観察4 宇宙を構成するもの(天体) 3年(2004年)

第82時 ←
観測7 太陽は1日に360度+少々動く

→ 第84時
観測9 宇宙の基本単位としての恒星
↑ TOP
[→home
(C) 2019 Fukuchi Takahiro