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第82時
観測7 太陽は1日に360度+少々動く2019 12 12(水)、17(月)
普通教室はじめに
本時は、前時『星は1日に360度+1度動く』に対応しています。太陽と星が1日に360度動くことは、いずれも地球の自転によって説明できます。しかし、地球の公転による動きは違います。星は、1日につき4分(1度)ずつ早くなり、1年365日で24時間(360度)早くなる、つまり、元通りになる計算になります。星が昇ったり沈んだりする位置、南中高度は変わりません。
これに対して、太陽は早くなる時と遅くなる時があります。冬至から夏至までは早くなり、夏至から冬至までは遅くなります。春分の日と秋分の日は、昼と夜が12時間ずつになりますが、変化する時間は不規則です。さらに、昇ったり沈んだりする位置、南中高度も毎日変わります。
図1:黒板消しを縦に持ち、回しながら説明するA君
本時の目標
・太陽の1日おける日周運動と年周運動を統一して、理解する
・天動説を説明するための2つの図『天の北斜上から見た図』と『地上から見た図』を正しく書き、理解する
・地動説を説明するために『天の北斜上から見た図』を正しく書き、理解する準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)
太陽の動きは『観測3 日本から見た太陽の動き』で学習しました。そこでは冬至、春分、夏至、秋分の動きを図示し、南中高度の計算式を学びました。本時の内容はほぼ同じですが、ポイントは、地球の公転による変化を明確にすることです。理解できる生徒にとっては簡単ですが、できない生徒には難しい問題です。(2)透明半球で調べる、太陽の動きの季節変化 (15分〜20分)
太陽は東から昇って南を通り、西へ沈みます。南中高度は毎日変わり、春夏秋冬における変化は図2のようになります。
図2: 太陽の南中高度、および、日の出&日の入りの位置の季節変化図2は『観測3 日本から見た太陽の動き』で学習したなので、ほとんどの生徒が納得しています。しかし、それを説明するためには別次元の力が要求されます。
図1はA君が説明していますが、黒板左に書かれている天球図が違います。
図1:黒板消しを縦に持ち、回しながら説明するA君図1と図3の天球図は同じです。この図の太陽は、真東から昇って真西に沈み、翌日、やや南よりから昇り(やや低い南中高度となり)やや南よりに沈むことを示しています。
図3:天球図(宇宙の北斜め上から見た図)を使って太陽の動きを説明するB君図3の右上を見てください。B君が説明するために書いた緑色のぐるぐるがあります。これは、日周運動しながら年周運動する様子を描いたものです。この図4は、以下の3点を示します。
- 日の出位置が毎日変わること
- 太陽の南中高度が毎日変わること
- 日の入の位置が毎日変わること
以上は年周運動による変化です。図4のぐるぐるは、私が書き直したものです。
図4:年周運動による毎日の変化、日周+年周運動の図
図5:日周運動と年周運動を説明するC君図6をクリックすると、その後の説明図が出てきますが、素敵な俳句も紹介してくれました。国語の授業で習ったものかと思いましたが、習っていないそうです。文学的な説明で面白かったのです。
(3)地表からみた太陽の1日の日周運動と年周運動(10分〜15分)
(2)と(3)は天動説です。(2)は教科書でよく見られる模式図ですが、(3)は私のオリジナルです。他では見たことがないので、世界初かもしれません。この図は、授業で生徒どうしが教えあう授業ができるレベルでなければ混乱を招きます。したがって、文科省や教科書出版社の方は掲載しないようにお願いします。
図7:地表からみた太陽の1日の日周運動と年周運動(A組)
図8:同上(B組)
図9:同上(C組)
図10:同上(C組全面、クリックすると拡大します)(4)天の北斜め上からみた太陽の1日の動き:地動説(5分〜7分)
この図はこれまでに何回も書いているので、瞬間に理解できます。図11には本日2018年12月19日と翌日の地球の位置を示しています。
図11:天の北斜め上からみた太陽の1日の動き(5)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
今日の内容は難しくありません。3次元空間を、いろいろな視点から見る力がじわじわついてきたのではないかと思います。参考・関連ページ
観察6 地球の自転 3年(2004年) 太陽の日周運動・南中高度、宇宙から見た地球の東西南北
観察7 日本の四季 3年(2004年)
月・地球の日周運動 1年(1999年)
月・地球の日周運動2 1年(1999年)
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観測6 星は1日に
360度+1度動く
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観測 8 宇宙における
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(C) 2019 Fukuchi Takahiro