このページはアクティブラーニングを斬る!Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスンです

2 私の能動的学習(アクティブラーンング)実践

3 個人で実験をする

2015年10月2日(金)3限、第1理科室

 中学2年の化学実験の一コマです。

 私は毎時間のように実験を行っていますが、通常は実験器具や材料の都合により1組4人班で行っています。しかし、今回は簡単&短時間にできる実験なので、1人1実験としました(所要時間20分)。実験内容は、銅の硫化(銅 + 硫黄 → 硫化銅)です。

 なお、銅の硫化にはいろいろな方法がありますが、ここで紹介する方法は私にとって初めてです。他の方法に興味がある方は、別ページ『実験2鉄と硫黄の化合2003』をご覧ください。

準備するもの
  1. 銅線(代用品として、電気コードを使用)
  2. 硫黄
  3. 直径18mm試験管
  4. ピンセット
  5. 鉄製スタンド
  6. ガスバーナー
  7. チャッカマン

Mr. takaの言葉
 「前回の授業では、鉄と硫黄を化合させて『硫化鉄』を作りました。この反応は『硫化(りゅうか)』と言いました。今回は金属の硫化実験2回目として、銅を使います。すなわち、銅と硫黄を化合させて『硫化銅』を作ります。作り方は簡単です。試験管に少量の硫黄を入れて加熱し、気体になったところに銅を入れるだけです」


上:適当な銅線がなかったので、電気コードをビニールを剥いて、銅線を取り出す様子


上:初めの銅


上:加熱する様子


上:長い銅線を入れ、硫黄の蒸気を当てている様子


上:硫化された銅


上:コイル状にして行ったもの


上:A君の学習プリント(銅、硫黄、硫化銅の実物が添付されている)

個人実験の様子
 電気コードから銅線を取り出す場面から、子どもたちは悪戦苦闘していました。そんなことはやったことがない、という子どもたちばかりだからです。ハサミで切って良いのはビニールの部分だけですが、全て切ってしまう子もたくさんいました。次に銅線を捩りますが、この作業は簡単です。しかし、教科書や資料集の写真にある「コイル状」に形を整えるのは難しいようでした。

 次に硫黄を試験管に入れて加熱します。試験管の角度は45度、火力は弱火です。粉末状の硫黄は、1分ほどで液体になり、やがて気体になります。気体になる途中、真っ黒になりますが、その上には気体の硫黄があるはずです。気体は無色透明なので見えませんが、黄色の微粒子が見えるようなら、それは空気中で冷やされた硫黄(固体)です。

 硫黄の気体部分に銅線を入れれば、簡単に硫化鉄ができます。硫化鉄の色は青黒く光っているように見えます。

 以上で実験は終わりですが、1人1実験は一人一人が責任を持たなければいけないので、格段にやる気が上がります。成功も失敗も、すべて自分の責任であり、すべての行為が自分の発見に繋がります。アクティブラーニングそのもの、と言えるでしょう。つまり、アクティブラーニングは究極の姿に近づくと、教師不在、評価不要のように見えます。さらに進んだアクティブラーニングは、学習の狙いも自分で行うものになっていきます。ふっふっふっ。

2016年12月2日掲載

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