このページは、中3地学/takaの授業記録2001 です |
地震のゆれ
2001 秋このページは2005年夏、4年前の記憶によって書かれたものです。また、画像資料として利用したのはCさんの学習プリントだけです。ほどんど学習内容だけなので、他の年度の学習記録地震のゆれ方1年(2002年)、実習1地震の伝わり方1年(2002年)などを参考にして下さい。
授業前に考えたこと
1 今日から地震の始まりです。
2 インパクトのある授業をしたいけれどアイデアがないので、各自の地震体験を振り返ることから始めよう。
3 授業後半は地震そのもののイメージを掴ませたい。
授業の流れと内容
下の図1のような流れと内容で進めることをお勧めします。
図1 授業の流れと学習内容
初期微動と主要動
(20分)→ 震源と震央
(5分)→ 伝わっていく地震のゆれ
(25分)
初期微動 主要動 P 波 S 波 たて波 よこ波 速い
(8km/秒)遅い
(4km/秒)震源と震央
の違いスケッチ
伝わる速さの違い
だんだん弱くなる授業の様子
1 学習プリントの配付(1分)
図2を見て下さい。これは授業後のCさんの学習プリントですが、私が印刷しておいたものは大変簡単なものですが、ポイントは震源を中心にして打った点です。その点を利用して地震のゆれが広がっていく様子をスケッチさせます。
図2 授業後のCさんの学習プリント
2 初期微動と主要動(19分)
授業の導入は次のようにすることをお勧めします。80%以上の生徒が食い付いてきます。
(地震のゆれ方1年(2002年)から転載)
「みなさんは、地震を経験したとはありますか? 経験したことはある人は手を挙げて下さい。・・・なるほど、ほとんどの人が体験していますね。では、ここからが本当の質問です。よく思い出して答えて下さい。詳しく調べると、地震の揺れ方は2種類ありますが、地震が始まったときの揺れ方は、どんな揺れ方だったでしょう? 1つは(ジェスチャーを加えながら)こんな感じの貧乏ゆりのような縦揺れです。もう1つは(ジェスチャーを加えながら)首が左右に揺れる横揺れです。相談しても構いません。10秒後に、全員に答えてもらいます。」
横揺れとして、酔っ払いの真似をしても面白いでしょう。「答えを紹介する前に、もう一度ヒントを差し上げます。地震が始まったときの小さな揺れを思い出して下さい。天井に吊されている電灯やヒモをどんな動きでしたか。コップの水はどんな動きをしていたでしょうか。思い出して下さい。地震の初めは、縦揺れか横揺れか決まっているのです。それでは手を挙げて答えてもらいます。相談の時間が欲しいなら10秒間差し上げます。」
生徒の回答
縦揺れ: 40%
横揺れ: 60%
図3 Aさんの学習プリント
表4 初期微動と主要動
初期微動 主要動 P 波 S 波 たて波 よこ波 速い(8km/秒) 遅い(4km/秒)
図5 Bさんの学習プリント3 震源と震央(5分)
(1) 震源を書かせます
(2) その真上に震央を書かせます
(地震の大きさ(震度とマグニチュード)1年(2002年)から転載)
「地面の上に自分の家を建てなさい。」
「お城でもいいよ。」
「次に、家の下に爆弾を仕掛けてください。」
「爆発させれば、つまり、地震です。」「では、爆弾の位置とその真上の位置を何と言いますか。」
「教科書や理科便覧で調べて書きなさい。」震源: 地震の発生場所
震央: その真上(地上)4 伝わっていく地震のゆれ(15分)
地震のゆれが1秒ごとに広がっていく様子を書き表します。下の図6を見て下さい。震源を中心にした同心円が書かれていますが、一気に書いてしまっては実感が湧きませんので、一斉に、中心から1つずつ書いていきます。まず、震源から1つめの点を結ぶようにして円を書かせます。1秒後に広がって地震の波です。継ぎに、2つめの点を結ぶようにして円を書いてく下さい。これをくり返すと、5つめの円で地上に到達します。つまり、地震が発生してからすぐに揺れるのではなく、この場合は5秒かかります。震源が深ければ、もっと時間がかかるわけですね。これをくり返して6、7、8秒・・・と最後まで書きます。
図6 震源から広がっていく地震波補足: 球状に広がる波
本当の地震のゆれは同心円状(平面)ではなく、球状(立体)に広がっていきます。このイメージは、1回の説明で1/3ぐらいの生徒がつかめるので、ジェスチャーを交えた先生の説明を1回だけ試みて下さい。深追いは危険です。脱線しそうになったら、先生が教室のまん中に立ち、「では、先生が地震を発生させますので、ゆれが伝わって来たら、順番に倒れ下さい。先生を中心にして順に広がっていくのですよ。」と説明し、生徒を交えた模擬実験を行い、問題を立体から平面にすり替えて下さい。5 速く伝わるところと遅く伝わるところ(3分)
しかし、ゆれの伝わる速さは場所によって違います。図5には地盤が柔らかくて伝わりにくい場所を印刷してあるので、そこは同心円ではなく、間隔が狭くなるように書かせて下さい。ほぼ全員の生徒が問題なく理解し、書くことができるでしょう。6 だんだん弱くなる地震のゆれ(5分)
地震のゆれは遠くになるにしたがって弱くなっていきます。これをスケッチに表現して本時の学習を終わりましょう。具体的には、図5のように中心に近い同心円の太さを太くさせてください。そして、円が大きくなるにしたがって線が細くなっていくようにします。地震のエネルギーが拡散していくわけですね。
7 本時の感想・疑問・発見(2分)
授業を終えて
2001年度の実践と比較すると、本年度の実践の方が良いです。初めての地震の時間なので、実感レベルで地震波をイメージさせることが大切だからです。初回は「地震とは何者か」、大雑把に掴むことが大切です。原因は後日に回して下さい。さて、地震の波は2種類あるので、授業後半に書いた地震の波の広がりは、どちらか一方の波しか表現していません。これを生徒に正確に教えようとすると、返って混乱することが多いので、後半に入る前にさらっと一言だけ付け加えてお終いにして下さい。
火成岩と鉱物の関係 |
初期微動継続時間 |