このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 1年(2012年度)です |
第77時
観察5 火成岩6種類と鉱物6種類2013 2 5(火)、6(水)
理科室はじめに
前時は、マグマの違いから火山を3つに分類し、それぞれの火山は火山岩、それぞれの火山の地下に深成岩があることを学びました。本時は、火成岩6種類(火山岩)マグマに含まれる鉱物6種類の成分と組織から、火成岩6つを分類します。肉眼とルーペを使って、6つ火成岩を観察・スケッチするわけです。なお、次時は、6つの岩石プレパラートを偏光顕微鏡を使って観察・スケッチします。火山岩と深成岩は合計6つです。他年度の実践
・観察6 火成岩6種 3年(2001年)
・観察7 火成岩と鉱物の関係 3年(2001年)
・観察14 鉱物と火成岩の関係 1年(2002年)
本時の目標
1 問準 備
生 徒 教 師
- 筆記用具
- 教科書、理科便覧、ファイル
- 色鉛筆
- 本日の学習プリント(1/人)
授業の流れ
(0) 始業前、理科室に来た生徒から火成岩の観察・スケッチ
理科室に来た生徒から、前時の学習プリントの観察・スケッチを行うように指示しました。実際に始めたのは、各クラス数人程度です。始業まで時間がないこと、生徒のみなさんは理科以外で忙しいことが原因でしょう。授業中はかなり真剣にやりますからね。(1) 本時の授業内容の紹介 (1分)
本時の学習プリントを使って、マグマの色とそれに含まれる鉱物の関係をまとめてから、前時の学習プリントに観察・スケッチの続きをします。前時のプリントは本日完成で、本時のプリントは次時完成です。(2) マグマの色と鉱物の関係 (15分)
マグマの色は、それに含まれる白色(無色)鉱物と有色鉱物の割り合いで決まります。白色鉱物が多ければ白、有色鉱物が多ければ黒です。今回我慢したことは、マグマの温度と粘度を省略したことです。今日のテーマは色なので、色だけ絞ることが大切だと思いました。
上:学習プリントに合わせた板書
マグマの色と鉱物の関係を指導する手順とポイント
1 マグマの色を白・灰・黒の3つにわける
2 ただし、実際は連続しているので、それぞれを矢印でつなぐ
3 マグマにはいろいろな鉱物が含まれている
※ここでは、鉱物について詳しく触れませんでした。本来なら、鉱物は地球の内部構造の直後に学習すべきですが、私のミスで指導していません。指導していれば、もっと深いレベルで理解できたと思います。
4 白いマグマには白い鉱物(白色鉱物、無色鉱物)、黒いマグマには黒い鉱物(有色鉱物)が多く含まれる
5 白色鉱物は石英(水晶)と長石の2種類
6 石英は、無色透明で白っぽいマグマに含まれる
7 長石は、すべての岩石に含まれる白い鉱物
8 有色鉱物は、黒雲母と角閃石と輝石とカンラン石の4種類
9 黒雲母は、もっとも白っぽいマグマに含まれる有色鉱物
10 ここで、次のように花崗岩を観察する「岩石標本の花崗岩を出してください。黒いつぶつぶがあるのわかりますか? それが黒雲母です。その他に、白っぽい粒が2種類がありますが、見分けられますか? 透明っぽい粒が石英、白い粒が長石です。ただし、実際の石英は汚れた灰色、あるいは、灰色透明に見えます。汚れた感じがしますが、透明感や艶を感じるものです。それに対して、長石は白。不透明感で、つや消しの白です。さらに、長石にはピンクをしているものがあります。ピンク色の長石は簡単に見分けられますね。ピンク色で不透明です。」
※この段階では、花崗岩のスケッチをしない方が良いでしょう。有色鉱物4つの関係を理解させるためには、次の閃緑岩で模式図として紹介するべきでしょう。また、スケッチと模式図を区別することも重要です。スケッチは実物を観て詳しく書いたもの、模式図は一般化・単純化して書いたものです。
上:ピンク長石を含む花崗岩を観察する生徒11 角閃石は、黒雲母の次に含まれる有色鉱物
12 黒雲母を濃い茶色、角閃石を濃い緑色で着色させる
13 ここで、次のように閃緑岩を指導する「岩石標本の閃緑岩を出してください。教科書は灰色になっていますが、何色に見えますか? 小さな緑色のつぶつぶがあるのわかりますか? それは黒い黒雲母ではなくて、何ですか? ・・・ そうですね、角閃石です。閃緑岩の閃は、角閃石の閃です。閃緑岩の緑は、角閃石の緑色です。それでは、角閃石の模式図をプリントに書きましょう。」
上:濃い緑色の角閃石を含む閃緑岩を観察する生徒「岩石標本の閃緑岩を出してください。教科書は灰色になっていますが、何色に見えますか? 小さな緑色のつぶつぶがあるのわかりますか? それは黒い黒雲母ではなくて、何ですか? ・・・ そうですね、角閃石です。閃緑岩の閃は、角閃石の閃です。閃緑岩の緑は、角閃石の緑色です。それでは、角閃石の模式図をプリントに書きましょう。」
上:閃緑岩の模式図を書いた板書「先ほど角閃石で使った色鉛筆を出してください。同じ色で、小さな粒を書きます。そして、名前を書いておきましょう。角閃石(緑)。次に、白色の粒を書きます。何かわかりますか? ・・・そうですね、長石(白)です。」
14 輝石は、角閃石の次に含まれる有色鉱物
15 輝石を緑色に着色させる
16 カンラン石は、輝石の次に含まれる有色鉱物
17 カンラン石を黄色に着色させる(3) 斑状組織と等粒状組織 (8分)
火成岩は火山岩と深成岩の2つに分けられること、火山岩はマグマが地表付近で固まったもの、深成岩はマグマが地下で固まったもの、以上3点は学習済みです。これから追加することは、火山岩と深成岩の組織の違いです。火山岩は斑状組織、深成岩は等粒状組織ですが、組織の違いは『マグマが冷え固まる速度』から説明できます。斑状組織は速く(地表付近)、等粒状組織はゆっくり(地下深く)冷え固まったものです。
火成岩
マグマからできた岩石
火=マグマ、と覚えるとよい火山岩
火山そものをつくる岩石
地表付近で、急に冷え固まった
斑状組織(斑晶と石基)流紋岩 安山岩 玄武岩 深成岩
火山の下のマグマだまり
地下深くで、ゆっくり冷え固まった
等粒状組織(おおきな結晶)花崗岩 閃緑岩 斑れい岩
上:C組の学習プリント(4) 火成岩6種類の観察・スケッチ (20分)
上:標本箱の裏書きを見て、岩石を確認する生徒
上:学習プリントの上に岩石標本をおいてスケッチする生徒
上:硫紋岩をスケッチする生徒
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上6枚:観察、スケッチの様子
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上4枚:生徒4人の学習プリント
授業を終えて
かなり集中して観察・スケッチしていました。なお、本時の学習プリントは、次時の観察・スケッチに使います。関連ページ
・観察6 火成岩6種 3年(2001年)
・観察7 火成岩と鉱物の関係 3年(2001年)
・観察14 鉱物と火成岩の関係 1年(2002年)実践ビジュアル教科書『中学理科の地 学』
第3章 地 球 マグマからできた火成岩 p.76、p.77 火成岩をつくる造岩鉱物 p.78、p.79
観察4 マグマで決まる火山3種類 |
観察5' 偏光顕微鏡 |