このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 1年(2013年度)です |
第3時
観察3:花の一生(種子植物アブラナ)2013 4 19(金)、22(月)、23(火)、24(水)
普通教室(理科室が空いていないため)
昨年度の実践『観察3 種子植物の花の一生』はじめに
昨年と同じナズナを使う予定でしたが、今年は花期を終えていました。たくさん生えていた空き地が除草されていたことも痛手でした。生徒198人分を揃えられる材料を探していたこところ、山崎川のアブラナが目に入りました。アブラナは教科書でよくみる材料なので、挑戦することにしました。さて、この授業のテーマ「花の一生」は昨年の『観察3 種子植物の花の一生』とほぼ同じなので、このページは「アブラナを指導する手順」「生徒の学習プリント」を中心に掲載します。
アブラナ
・アブラナ科アブラナ属の二年生植物の総称(花は黄色)
・別名として、菜の花(食用)、菜種(菜種油の原料)
・植物油の原料はセイヨウアブラナ、野菜は在来種のアブラナ
・「なばなの里」三重県桑名市長島町
上:アブラナの花(めしべ1、おしべ6、花弁4、がく4)
上:私が準備したアブラナを選ぶ生徒達(2013年4月22日、普通教室)(掲載許可取得中)1 種子植物の花の一生
詳細は別ページ『観察3 種子植物の花の一生』をご覧ください。2 アブラナの花を指導する手順
花は、特別なはたらきを持った葉として考えることができます。茎の先端の葉はめしべ、次の葉はおしべ、さらに、花弁、がく、苞、総苞、・・・と順に名付けられているわけです。したがって、花は中心から調べることになります。さて、アブラナの花にあるものは「めしべ」「おしべ」「花弁」「がく片※」の4つです。4つなので簡単なように思いますが、実際に区別するためには注意が必要です。下の写真を見てください。※ がくとがく片の違い
1つひとつが完全に独立している「がく」を、とくに「がく片」という。ただし、私の授業は区別せず、「がく」として指導しました。
上:アブラナのつぼみと花(クリックすると解説)上の「つぼみ」に着目すると、黄緑色のものに覆われていることがわかると思います。それは「4枚のがく片」です。アブラナが開花するとき、まず「4枚のがく片」が開きます。色は「黄緑色から黄色へ」変化し、形は細長くなります。花弁は、がく片が開いた後に開くわけです。これを指導するために、まず「つぼみ」があることを確認させ、次に「がく」が開いたものを確認させます。
下の板書では、はじめに「つぼみ」を書き、次に「がく」4本を書きました。
上:アブラナの花の模式図
上2枚:ルーペを使って、アブラナの花を調べる生徒
上:アブラナの花のつくりが分かるように、丁寧に添付しようとする様子アブラナの花は、そのつくりを調べるだけなら何とかなりますが、「めしべの子房が発達するようす」を観察させるためには、次のような注意点が必要です。(1)花弁はすぐに散ったりしぼんだりすること、(2)子房は濃い緑ですぐに伸びること、です。簡単に観察できるように思いますが、実際のアブラナで確かめたり理解したりすることは難しいものです。先生は簡単にわかるふりをすることが大切です。
上:Aさんがまとめたアブラナの花の一生B君のまとめはとくに優れています。花の中央にあるめしべが発達する様子がよくわかるからです。右端には「子房(果実)」から取り出した「種子」を添付しています。
上:果実の中に種子を書いた板書
上:果実の中にある種子(未成熟)3 実習風景など
上:(掲載許可取得中).
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授業を終えて
アブラナは有名な材料ですが、子房の成長の観察には不向きでした。子房が子房(めしべの一部)らしくないからです。もちろん、アブラナはいろいろな種類があるので、私が山崎川で採取したものは難しい、ということです。授業を計画されている先生には、ナズナやカラスノエンドウをお勧めします。花のつくりに囚われることなく、発達する子房に集中できるので指導しやすい、と思います。今回は私の指導に良くついてきてくれた、と生徒に感謝しています。関連ページ
・ 観察3:種子植物の花の一生 1年(2012年)
・ 科学的なスケッチの描き方(若手教師のためのワンポイント・レッスン)
・ ルーペや顕微鏡の使い方(同 上)実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学』
第1章 生命とは何か 観察の基礎 p.20 第5章 花と植物 花が種子になるまで p.96〜p.97
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観察2 タンポポの花→ 第4時
観察3 ツツジの花、種子植物の分類