このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 1年(2013年度)です |
第2時
観察2:タンポポの花2013 4 18(木)、19(金)、22(月)
昨年度の実践『観察2タンポポの花』はじめに
中学生になって2時間の授業は、タンポポの花を調べます。タンポポは1年中咲きますが、今年の最盛期は先週末(4月13日)でした。ほどんど綿毛になってしまいましたが、よく探せば大丈夫です。さて、この授業は昨年の『観察2タンポポの花』とほぼ同じなので、「今年の板書のポイント」「頭花※の断面図を指導する手順」「生徒の学習プリント」を掲載します。※ 頭花(とうか。花茎の先端に密集して咲く無数の小さな花。キク科の特徴)という用語は教えない
今年の板書のポイント
(1) 「そうほう」を漢字で示す
(2) タンポポは、キク科の植物である
(3) キク科の例として「キク」「タンポポ」「ヒマワリ」「ノゲシ」などがある
(4) 頭花の断面図を示す
上:左端の図は、タンポポの頭花の断面図タンポポの頭花の断面図を指導する手順
(1) お話をする
先ほど「持参したタンポポの数」を教えもらいましたが、クラスの最高は4つでした。これはちょっと少ない、ではなくて「間違い」です。(タンポポの頭花(集合花)1つを見せながら)これを見てください。・・・先生が持っている花の数はいくつですか? ・・・1つではありませんよ。これで100個以上の花です。その理由を知っている人? ・・・(中略、知りたい人は昨年の実践をご覧ください)・・・ということで、1つの花には1つのめしべがあるわけですで、タンポポの1つの花を調べましょう。さて、1つの花を取り出すために、このままの状態で引っぱると千切れてしまうので、全体を2つに割ります。その方法は・・・(以下の通りです)
(2) タンポポの頭花を2つに割る
上2枚:「そうほう」を両手で持ち、軽く押しつぶしてから左右に割る
→ (3) 頭花の断面図を肉眼、ルーペで観察する
上:2つに割った頭花観察のポイント
1) きれいに並んだ「子房(成熟すると果実になる)」
2) 次に白い毛のような「がく(成熟すると綿毛になる)」
3) 先端が5つに分かれた「花弁(合弁花)」
4) 黄色い粉のような「花粉」
5) めしべの先端「柱頭」の形
上:きれいに並んだ子房を見て、感嘆をあげる生徒(掲載許可取得中)(3) 「花1つ=めしべ1本」なので、タンポポは「100個以上の花」の集合花
(4) めしべの先端「柱頭」の形が順に成熟していること、タンポポの花は周辺部から開花することを板書する(右下図)。この図の中央部分は、未成熟な柱頭の「つぼみ状態の花」を示す。
上:中央部分の花弁は開いていない.
上:頭花の模式図
上:左から「タンポポの識別方法」「頭花の断面図」「1つの花の模式図」
上:左から「頭花の断面図」「タンポポの識別方法」
上:2つに割った頭花をプリントに添付しようとする生徒
上:タンポポの頭花の外側と内側
上:プリントに添付した花を、もう一度ルーペで調べる生徒
授業を終えて
今年度は、私が採取した「花期を終えた花」を生徒に1つずつ配付しました(十分に採取できなかったクラスは生徒2人につき1つ)。それを同じように2つに割ったものが、下の写真です。満開の花を割った時にも歓声が上がりましたが、「花期を終えた花」の時は、ほぼ全員が歓声をあげました。内部構造が簡単で、これが無数に並んだ「タンポポの種子(正確には果実)」のできはじめであることが、簡単に直感できるからでしょう。このページを読まれた先生は、是非、花期を終えた花を同じように観察させてください。今年は最盛期の後だったので、ほどんどが下のような状態でした。
上:花期を終えた頭花を2つに割ったもの中途半端なこの時期のものの効果は絶大です。外見が面白くないので、割った時により新鮮な発見があります。綿毛状態のものより簡単に採取できるので、是非、一手間かけてください。
関連ページ
・ 観察2タンンポポの花1年(2012年)
・ 観察2タンンポポの花1年(2002年)
・ 観察3タンポポを調べる1年(1999年)
・ 科学的なスケッチの描き方(若手教師のためのワンポイント・レッスン)
・ ルーペや顕微鏡の使い方(同 上)実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学』
第1章 生命とは何か 観察の基礎 p.20 第5章 花と植物 タンポポの花(集合花) p.90〜p.91
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観察1 フジ(マメ科)の花→ 第3時
観察3 花の一生(種子植物アブラナ)