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実験18 大気による圧力
2016 12 19(月)〜2017 1 12(木)
理科室はじめに
大気圧を利用した簡単で不思議な演示実験を行ってから、生徒に持参させたアルミ缶をぺちゃんこにする実験を行います。持参した空き缶がすべて潰れたら、本日のプログラム終了です。このページは動画を2つ掲載しましたので、お楽しみください。
図1:大気圧によって空き缶を潰す実験をする生徒たち
本時の目標
1 大気圧は、大気の重さによって生じることを理解する
2 平均的な大気圧は1013hPaであることを知る準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- アルミ缶
- 軍 手
- 本日の学習プリント (1/人)
- ガスバーナー
- 三 脚
- 金 網
- マッチ
- 水 槽
- 試験管 1(演示用)
- 丸底フラスコ 1(演示用)
- 薬包紙 1(演示用)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)演示実験:水がいっぱいに入った容器を、紙切れ一枚で逆さにする(10分〜15分)
水を試験管いっぱいに入れます。その試験管の口に、2cm四方に切った薬包紙をのせます。大変心もとない状態になったところで、生徒に質問します。「これから、この試験管を逆さにします。水はこぼれるでしょうか? それとも、こぼれないでしょうか?」
こぼれないと答えた生徒の頭上で、試験管を逆さにします。理論的には、見事逆さになるはずです。その後、次ような発問をして、同じように演示実験を繰り返します。
「先ほどは、ぱっ! と逆さしましたが、今度はゆっくりと逆さにます。途中で、真横になった時には、そこで試験管を一旦停止するかもしれません。それでも水はこぼれずに、試験管を逆さにできるでしょうか!」
「次に、試験管の水を半分にします。そして、半分でも同じように水はこぼれることなく逆さにすることはできますか?」
上記の手順通りに操作すると、水はこぼれません。とても不思議な現象ですが、それには理由があります(図2)。
図2:水をいっぱいに入れた試験管にかかる大気圧(A組)私たち地球人は大気の中で生活しています。普段気づいていませんが、あらゆる方向から大気で押されています。その効きめ(大気による圧力)は、1013ヘクトパスカルです。これは何と! 1平方cmにつき1kgのものを支えらるほどの効果なのです。
『気圧の測定2年(2003年)』の紹介
13年前は、中学2年の地学分野でこの実験を行いました。この実験に興味ある方はご覧ください。
図3:水を半分入れた丸底フラスコによる大気圧の実験
(『気圧の測定2年(2003年)』から)(3)理論:大気圧でアルミ缶をつぶす
実際にアルミ缶をつぶす前に、その手順と理論を確認します。
図3:A組の板書の続き(クリックすると拡大します)
図4:大気圧でアルミ缶をつぶす理論と手順(クリックすると拡大します)手順と理論の詳細は4年前の記録『実験22 大気による圧力1年(2012年)』をご覧ください。爆発や火傷などの事故を防ぐ、大切な安全事項についても記述されています。実験される方は必ず読んでください。
(4) 実験:大気圧でアルミ缶をつぶす
安全に注意して、実験開始!
水が沸騰して、これからぶつしますよ! という準備ができた班は、先生に連絡します。先生は、全員に注目させてください。そして、安全上の注意ができているか言葉で確認しながら、操作させます。全員が同じように確認することで、安全だけでなく操作技術が格段が向上してしていきます。
(6) 後片付け、考察(5分)
授業を終えて
印象に残る実験です。一班につき5個は用意させましょう。また、蓋つきペットボトルによる実験もありますが、危険なのでお勧めしません。
関連ページ
実験22 大気による圧力1年(2012年)
実験7 大気の圧力 1年(1999年)実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学』
第2章 静かな
力のつりあい大気による圧力 p.36、p.37 宇宙から見た地球の大気 p.37 重力、圧力、浮力のまとめ p.42