このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第33時
実習7 化学反応式

2017 9 4(月)
普通教室

はじめに
 私は1年生のときから水H2O、二酸化炭素CO2など、簡単な化学式を紹介してきました。馴染んでもらうためです。2年生からは教科書で本格的な学習が始まりますが、焦らないことが大切です。

 今日はとても簡単な化学反応式を学びます。ほとんど復習、といえるようなものですが、ゆっくりすぎるほど確実に進めることで、苦手意識が少しずつほぐれていくと思います。その苦手意識は理科に対するものではなくアルファべット、あるいは、未知の学習に対するものです。


上:本時の板書(クリックすると拡大します)


本時の目標
・水素原子1個と水素分子1個のモデルを正しく表す
・水素原子2個と水素分子2個のモデルを正しく表す
・水の電気分解の化学反応式とそのモデル図を正しく表す
・炭素の完全燃焼の化学反応式とそのモデル図を正しく表す
・炭素の不完全燃焼の化学反応式とそのモデル図を正しく表す

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)水素原子と水素分子の表し方 (10分〜15分)
 簡単な内容ですが、落ちこぼれ0人になるよう、かなりゆっくり進めます。机間巡視でチェックし、クラスでもっとも理解できていないであろうと思われる子どもを指名し、楽しく確実に進めてください。できる子どもを使って指導させるのも良い手段です。学習内容は下表の通りです。


上:水素原子の記号、水素分子の化学式、および、それらのモデル図

指導手順
(1)表(4行3列、上の通り)を書く
(2)、と書く
 「さて、を指差しながら)さすがにみなさん、これは知っていると思いますが、何ですか? ・・・ エーッ、いきなり違う!! 水素ではありません。水素といえば、水素爆発をしてしまう、あの水素ですが、水素ではありません。もっと正確に答えてもらわないと、せっかく表にしてまとえる意味がありません! 水素ではなくて、何ですか? ・・・(中略)・・・正解は、水素原子です。水素原子とは、宇宙で一番小さな原子で・・・(後略)・・・です」
(3)水素原子、と書く
(4)2、と書く
 「次は、2を指差しながら)これです。何ですか? ・・・ 水素。はい、正解です。正解だけれど、もっと正確に言うと、水素◯◯になるのですが、・・・はい! 正解が出ました。みなさん、わかりましたか? 正解は? ・・・そうです。水素分子です。一般に、『水素』というとき、それは水素分子を意味しています。水素分子は、いわゆる水素の性質もっている物質で、一瞬のうちに酸素と化合して爆発したり、水に溶けなかったり、塩酸と金属で発生する気体だっりするものです」
 「 先ほど紹介した水素原子は、水素の性質をもっていません。原子はいろいろな物質を作るための素材、材料であり、特別な性質を持っていない、と考えくてだい。これは正しい説明ではありませんが、中学生のうちは、水素原子は宇宙で一番小さな物質をつくるための材料、として覚えてください。そして、水素分子は宇宙で一番小さな物質、宇宙で一番初めにつくられた物質、宇宙で一番軽い物質、と覚えてください。これが間違っていることは高校で教えてもらえますが、中学3年生までは、これで十分です」
  「ちなみに、太陽は何からでてきいましたっけ? そう! 水素からできています。宇宙に一番たくさんある物質は水素で、それがたくさん集まると核融合反応が始まり、太陽にように輝く星になります。太陽は宇宙で一番小さな物質からできているのですね。すごいなあ」
(5)、と書く
(6)2、と書く
 「では、
2を指差しながら)これらは何ですか? ・・・(後略)・・・

===ここからモデル図===

 「次に、モデル図を描きます。、水素原子は簡単ですね。小さな粒を1つ描くだけです。
(上図のように板書して)はい、これで完成です。色はイメージカラーとして青がいいかな。そして、できるだけ小さく描いてください。宇宙で一番小さな素材ですからね」

 「2、水素分子はどうなるかというと、簡単です。小さな粒を2つ描くだけです。(上図のように板書して)はい、これで完成しました。唯一気をつけなければいけないことは、2つの粒をひっつけることです。離して描くと、それは水素の性質を持たない水素原子が2つ、という図になります」

 「では、残り2つは問題です! 各自でやりなさい。できた人は先生のところに持ってきなさい。正解者にはボーナスポイントを差し上げます。チャンスは1回、間違えたらおしまいです。もちろん、汚い図にもあげません。きれいに、きちんと描いてきてください。何名に差し上げるかは決まっていないので、できた人から慌てずに持ってきなさい」

 もってきた順に点検し、正解なら『認印』を押します。ダメならさようなら。行列になったら、適当なところで打ち切り。もちろん、全員正解者にさせることが目的ンなので、あなたの学校の実態に合わせてください。全員合格なら、あなたは恵まれた環境で素敵な授業ができる先生です。

 なお、今回は水素原子&水素分子を使いましたが、別頁『原子周期表、原子と分子(2年)2003年』では酸素を使っています。合わせてご覧ください。

(3)化学反応式1:水の電気分解(5分〜10分)
 子どもたちは1年生でこの実験を行い、私が受け持った子どもは以下の化学式反応式まで学習しています。どれだけ覚えているか、楽しみです。結果は、約10%正解だったので、かなり上出来ではないかと思います(塾で予習してきたのかも?)。いずれにしても、当たり前のように、難しい雰囲気を出さないように指導することが肝要です。

 こんなもの簡単だ! という姿勢を前面に出しながらも、クラスで一番理解度が低い子どもに照準を合わせて授業を展開します。公立中学校の場合、その子は最終的に理解できなかもしれませんが、先生の姿勢がこの先1ヶ月以上の化学の時間を左右します。がんばってください。


上:水の電気分解の化学反応式

指導上のポイント
(1)矢印を長く書かせせる
(2)その長さは5cm以上
(3)矢印の上に操作を書く(電流を流す)
(4)矢印の下に反応の名称を書く(電気分解)
(5)化学式の前に、係数を書くためのスペースを空ける

(4)化学反応式2:炭の完全燃焼(3分〜5分)

(5)化学反応式3:炭素の不完全燃焼(5分〜10分)
 (4),(5)の学習内容&指導方法は、別頁『化学反応式『化学変化(化合)のまとめ』(2年)2003年』をご覧ください。


上:酸素の完全燃焼と不完全燃焼の化学反応式

(6)本時の感想、考察 (5分)


上:本時の板書(クリックすると拡大します)


授業を終えて
 簡単な内容ですが、全員がそれぞれのレベルで満足できる1時間にすることが大切です。基本を確実におさえ、自分のものにできたという感覚を持つことは、本当に素晴らしいことです。

関連ページ
原子周期表、原子と分子(2年)2003年
参考資料:
元素と原子の違い
化学反応式『化学変化(化合)のまとめ』(2年)2003年

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

第3章 分 子  大気に含まれる物質 p.30-p.31
第4章 化学変化  化学変化の→ p.42
 水素(気体)の爆発 p.54-p.55
 主な化学変化の一覧 p.67

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