このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第66時

観測14 雲を10種類に分ける(世界規準) 

2017 12 7(木)、8(金)
普通教室→ 運動場→ 普通教室

はじめに
 世界基準として雲は10種類に分類されています。発達方向・標高・形状などの観点から分けられています。しかし、水の自然状態である雲は多様で、常に変化しています。典型的なものとし分類できるものは少なく、複数の特徴を持つものや連続して位置にあるものが多く、自然観察で子どもたちに教えるためには幸運が必要です。

 本時は教室で雲の見分け方を勉強してから運動へ出ます。この季節は、慣れていない寒風で寒い思いをするので10分くらいで十分でしょう。実際に観測できた雲は、『積雲(わたぐも)』『高積雲(ひつじぐも)』『高層雲()おぼろぐも』『巻層雲(うすぐも)』『巻雲(すじぐも)』でした。

 また、あなたの学校の屋上が利用できるなら、是非そこで雲の観測をさせてください。理科の学習です。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)

表1: いろいろな高さ
富士山 3776m
チョモランマ 8848m
対流圏 10000m
飛行機の高度(ジェット気流) 10000m
 飛行場から30km地点 1500m
 飛行場から20km地点 1000m
 飛行場から10km地点 500m

本時の目標
・雲には『層雲』と『積雲』があり、合計10種類あることを知る
・雲10種類の特徴をつかみ、スケッチする
・本日の雲を観察し、その種類を見分ける

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)本日の天気図(5分〜10分)
 今日も簡単な内容なので、本日の天気図を使ってタイムリーな復習をゆったりと行います。ただし、外の雲を観察させたいので、条件が良い日はさくさく進んでもよいでしょう。

(3)雲を10種類に分ける(7分〜10分)
 教科書をじっくり読みます。写真も丁寧に見てください。資料集の写真、窓の外の雲も見ます。それから、雲を『層雲』と『積雲』に分けます。雲の分類については、別年度の実践『観察1 いろいろな雲2年(2003年)』『観察1 雲2年(2000年)』もご覧ください。


図2:黒板に雲の名称を書く生徒たち
 窓の外からの光がドラマチックなのは、冬の太陽高度が低いから。そして、低空に位置する大きな積雲が強い北風に流され、太陽をせわしなく遮るからです。窓外の写真を撮っておけばよかった!

(4)雲の図をスケッチする (10分)
 教科書、資料集の写真をみて、気に入った写真をスケッチさせます。写真から特徴をつかむことが難しい場合は、スケッチや模式図を複写・模写させても良いでしょう。写真よりも観察ポイントが明確なので、それぞれの特徴や違いがわかります。


図3:10種類の雲ができる位置を示した板書

(5)運動場で雲の観察(15分〜25分)
 気象条件が整っていれば、ゆっくり雲の動きを観察するのも良いでしょう。子どもたちは雲をのんびり見た経験がほとんどないので、小さな発見を喜ぶはずです。

 観察場所は、運動場のど真ん中が良いと思います。その場所に立つだけで、なんだか解放された気持ちになります。地平線は見えないと思いますが、360度そこそこ低い空を見ることができると思います。

 まず、風を感じてください。雲は風にのって動きます。ただし、地上を吹く風と上空の風の方向は一致しているとは限りません。むしろ、建物や地形によって不規則な風向きになっていると考えたほうがよいでしょう。もちろん、高度数1000mの風向き、高度10kmの風向きはそれそれ違います。

 東西南北も確認してください。中学2年生でも、知らない生徒がいます。太陽が昇る方向がよくわかっていない子どもいます。

 風向と方位を確認したら、目立つ雲から順に指差し、発問していきましょう。

「あの雲は何ですか?」

 教科書や資料集を持参させ、それらの写真と比較させてください。典型的な雲の写真を比較することで、どの雲に近いかわかると思います。明確な名称がわからなくても大丈夫です。自然の雲は、そういうものです。「◯◯雲に近いね」 、でオッケーです。が、できれば、がんばって10種類の雲のうちどれに近いか、言い切るようにしてください。

(6)本時の感想、考察 (5分)


図4:本時の板書(クリックすると拡大します)


授業を終えて
 雲の分類は簡単ではありませんが、10種類程度ならざっくりと分類することができます。ポイントは雲の高さです。飛行機雲があれば、それと比較してください。飛行場が近くにあるなら高度500m、30km離れているなら高度1500m、それ以上なら数1000km、といったところでしょうか。また、学校屋上から観察できるなら、そこは最高の観察場所といえるでしょう。かなり遠くの山、山脈が見えるなら、その標高と比較することで、雲の高さを推測することができます。

関連ページ
観察1 いろいろな雲2年(2003年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の地学

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