このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第74時

実験3 乾電池の電圧を測ろう!

2018 1 15(月) 
理科室

はじめに
 ありったけの中古乾電池を探し出してください。昔からよくある筒型のものです。そして、それらの電圧を測ってみましょう。公称電圧は1.5Vですが、計測してみると新品の乾電池でも0.1V以上のばらつきがあることが分ります(本当の原因は理科室の電圧計や計測方法にあるかもしれませんが・・・)。また、少なくとも5年経過していると思われる中古乾電池でも1.0Vを下回るものは少なく、意外に感じることでしょう。

 乾電池の電圧を測定する以前に、最近、乾電池のそのものを知らない子どもが増えてきました。乾電池とは使い切りの電池(一次電池)で、たくさんの種類があります。筒型の単1〜単6電池(1.5V)、直方体型の9V電池、ボタン型電池などがあります。その一方、繰り返し使える充電型の電池(二次電池)は、乾電池と区別します。

 さて、生徒に電気回路を組ませるのは、本時が初めてです。初めて作る回路の候補は2つあります。1つは豆電球1個の回路、もう1つは本時の電圧を測定するための回路です。前者の実習を行うと「あっ、光ったあ!」という声が理科室のあちらこちらから聞こえます。とてもシンプルな回路ですが、1時間目の実験としては最適なものの1つです。興味ある方は、17年前の授業記録『実験1回路2年(2000年)』をご覧ください。当時は、筒型乾電池が身近なものでしたが、最近はあまり見かけなくなりました。ガス給湯器の点火用電源(単1)、懐中電灯(単1〜単3)、いろいろな家庭用リモコン(単4)ぐらいでしょうか。

 本時の長所は、いくつかあります。
1)定量的な実験ができる
2)電圧計の使い方を習得できる(関連ページ基本操作2 電圧計2年(2003年)
3)接触不良や器具・導線の不備を見つけられるようになる

 「豆電球が光った!」という単純な喜びはありませんが、乾電池ごとに目盛りの値が違うので、それらの違いを発見する喜びがあります。とても単純な回路なので、誰もが抵抗感なくスタートできることも長所の1つです。17年前の実践『基本操作 電圧計 2年(2000年)』もご覧ください。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・筒型乾電池について知る
・電圧計の使い方を知る
・乾電池の電圧を正しく計測する
・電圧について興味を持つ

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 中古乾電池 (4/2人)
  • リード線 (2/2人)
  • 電圧計(1/2人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)乾電池の紹介 (5分〜10分)
 理科室の壁のある掛け時計、モニターのリモコンに入っている乾電池を実際に見せてください。乾電池が身近に使われていることが簡単にわかります。

 次に、「その他、みなさんの身の回りで乾電池が使われているものを発表してください」と発問してみましょう。このやりとりは1〜2分で十分です。そして、筒型乾電池が世界共通の規格(大きさ、電圧)であることを紹介します。その後、中古乾電池の電圧を調べます。

(3)電圧計の紹介 (15分)
 電圧計の使い方の基礎を教えます。指導方法は別ページ『基本操作2電圧計2年(2003年)』にゆずりますが、本年度の実践では同じ内容を15分で完了しています。

(4)実習:乾電池の電圧を測定する (20分〜25分)
 2人1実験です。簡単で楽しい時間になると思います。乾電池は合計100個以上用意できると思いますので、交換し、時間が許す限り測定させてくだい。製造メーカーによる違いだけでなく、いろいろな発見があると思います。

 また、黒板に発表するための表を用意してください。代表者と測定した乾電池の電圧を書かせます。計測する桁が違う班があれば、簡単に指導することができます。

(5)電圧と水圧を比較する (5分〜10分)
 電圧は、文字通り『電子』がもっている『圧(力)』として教えてください。圧力は1年生で学習しましたが、思い出させたいものは『水の圧力(水圧)』です。水の勢いは『電子の勢い(電圧)』に例えることができます。時間があれば、1年の時に行った実験『深さによる水圧の違い』を再演しても良いでしょう。

 また、時間がなくなった場合は、後日、時間ができた時に行います。お勧めのタイミングは、1)電圧と電流の違いを教えたい時、2)定期テスト直前の総復習の時です。

(6)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 授業では自宅から何も持参させませんでしたが、自宅からいろいろなバッテリーを持参させても面白いでしょう。かなり盛り上がる1時間になると思います。

関連ページ
実験1回路2年(2000年)
基本操作2 電圧計2年(2003年)
基本操作 電圧計 2年(2000年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

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