このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第78時

実験7 電流計で電流を測る

2018 1 22(月) 
理科室

はじめに
 電流計の使い方を学びます。ポイントは電圧計の『つなぎ方』です。電流計は測定したい部分の回路を切断してから、その部分をつなげるように入れ込みます。つまり、電流計は『切断した点』に流れる電流(電子の量)を測ることになります。ここで電圧計の復習をすると、電圧計は『2つの点』の差でした。その差は『電子の勢いの差』、と考えることができました(参考ページ:電圧の理論)。

 また、今日は『数の桁を変える接頭語:m(ミリ)』の復習をします。1L=1000mL、1g=1000mg、1m=1000mmなどです。本時は1A=1000mA(ミリ・アンペア)です。できる子にとっては常識ですが、できない子どもにとっては重大問題です。ここでつまずいている子は絶対に先に進むことができないので、確実に復習してください。数字アレルギーの子どもを救済するチャンスです。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・電流計の使い方をマスターする
・桁を変える語『m(ミリ)』の復習をする
・簡単な回路を組み、いろいろな部位の電流を測定する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 電流計  (1 /2人)
  • リード線(4 /2人)
  • 豆電球(2 /2人)
  • 乾電池(1 /2人)
  • 乾電池ボックス (1 /2人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)電流計の紹介(15分〜20分)
 電流計のつなぎ方、目盛りの読み方を学びます。以下は14年前の実践記録『基本操作1電流計2年(2003年度)』を編集したものです。

電流計のつなぎ方を指導するときのポイント

1)電流計の端子は4つある
2)プラス端子は1つしかないので、迷うことはない
3)マイナス端子は、測るものに応じて変える必要がある
4)電流の大きさが分からない時は、電流計が壊れないように1番大きな5A端子につなぐ
5)目盛りの読み方は、つないだマイナス端子の種類によって変わる


図2:電流計の使い方に関する板書

目盛りの読み方の説明手順
1)電流計の絵を書かせる
2)電流計の目盛り(0から5まで)を書かせる
3)電流計の針(3に合わせる)を書かせる
4)5Aのマイナス端子つないだ時の値を読ませる→ (3A
5)500mAのマイナス端子につないだ時の値を読ませる→ (300mA) 
6)50mAのマイナス端子につないだ時の値を読ませる→ (30mA

(3)数の桁を変える接頭語:m(ミリ)』の復習(10分〜20分)
 m(ミリ)は単位ではありません。数の桁をかえる接頭語です。 とはいうものの、具体的に使えるようになることが大切なので、すぐに練習問題を行います。以下は14年前の実践記録『基本操作1電流計2年(2003年度)』を編集したものです。

m(ミリ)の指導方法
 1A=1000mA、であることを明言します。mは単位ではなく、桁を変える接頭語あることを紹介しますが、一回説明するだけで十分です。できる生徒はそれで大満足し、できない生徒は一回の説明で頭を痛めます。今日はできない生徒に焦点を当てるので、とにかく『1A=1000mA』 、その理由はなし! と言い切ってください。

ワンポイント
 桁を変える接頭語はいろいろありますが、電流の単位『A(アンペア)』で使うものは『m(ミリ)』だけです。余分なことは言わないようにしましょう。ただし、μ(マイクロ、1/1000000倍)k(キロ、1000倍)は後日、マイクロ電流計(検流計)と電力量のところで使うことになるので、紹介してもかまいません。

 その後、できない生徒を指名し、じっくり計算練習をします。下図3、下図4を参考にして現場に応じた数を設定してください。


図3:m(ミリ)に関する計算問題(A君の学習プリント)

 図3の先頭問題は、5A=5000mA、です。m(ミリ)をつけたら3桁減らす、m(ミリ)をとったら『0』を3つつける、ということを紹介しています。


図4:同上(B君の学習プリント)

(4)実習:いろいろな回路をつくって電流を測定する (0分〜15分)
 時間があれば、回路を組み、いろいろな部分の電流を測定させてください。なければ、ゆっくりしてください。次の時間はまるまる1時間、回路を組んでいろいろな部分の電流を測る実習になります。

(5)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 すでに電圧計の使い方をマスターしていると思うので、比較的よく理解できると思います。できれば、次の時間の予習として、15分程度電流計に触らせると良いでしょう。ただし、できる学校の場合、10分で豆電球2個の直接回路と並列回路を終えてしまうでしょう。

関連ページ
基本操作1 電流計2年(2003年度)
基本操作 電流計 2年(2000年度)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

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