このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。 |
はじめに
3 仕事の優先順位1 仕事には優先順位があります
若い先生にはたくさんの校務分掌がついてます。したがって、複数の仕事が同時に舞い込んできたとき、どの仕事から手をつけて良いのか日常的に迷っている人も多いことでしょう。このような時は、次の一般原則に照らし合わせて優先順位を決めます。この原則を守ることで、信念を持って仕事に取り組めるようになり、結果として自分の仕事に自信が出てきます。あれもこれも、と複数の先輩達から言われるままに手を出してはいけません。自分の仕事は、自分でその優先順位を決めて、確実にこなしていきます。一方、「部活の生徒が待っている」と理由で、授業後に活動してる学級係を見放してはいけません。自分の好きなことを優先させたり、逃げ出したりしてはいけません。これらは全て仕事あり、優先順位があります。
表1 仕事の内容と優先順位
\ 生徒や保護者と
顔を合わせる仕事- 机上の仕事 授 業 1 位 - 7 位 あなたの私生活 - (1位)
生命に関わること- 学級担任 2 位 - 8 位 学年の係 3 位 - 9 位 学校の係
(生徒会)4 位 - 10 位 部活動 5 位 - 11 位 先生同士の打ち合わせ - 6 位 - ※1 基本的に、机上の仕事より生徒や保護者と直接顔を合わせる仕事が優先されます。
※2 不慮の事件が起こった時、先生同士の打ち合わせを優先させることがありますが、基本順位は6位です。打ち合わせという理由で生徒や保護者を待たせることは、不安や不信感を持たせる一因になります。先生同士は信頼しあい、失敗してもカバーしあう姿勢が大切です。話し合いよりも実践し実行することが大切です。第1位 授 業
授業は教師の根幹です。あなたが担当する教科の授業は、責任を持って全うしなければいけません。生徒達は、教師を選ぶことができず、嫌でもあなたの授業を受ける義務があります。したがって、あなたは全力で教材研究を行い、授業に取り組み、成果を出して下さい。他の仕事を優先し、生徒を犠牲にすることはできません。あなたの代わりに授業ができる先生はいくらでもいます。リストラされる可能性が皆無ともいえる公務員なら、絶対に甘えてはいけません。これは強く守ることです。本当の第1位 あなたの私生活
あなた自身や肉親の生命に関わることは、授業より優先させます。死んでしまっては、取り返しがつきません。何はさておいても、自分の体調管理は十分に行い、明るく健康な心身で出勤しましょう。ちなみに、私はカゼやそれに類する体調不良で欠席したことがありません。プロなら体調が悪いなりに出勤し、悪いなりにも授業で結果を残すべきです。補欠の先生や自習課題で十分、と言われるようになったらお終いです。
→ 肩の荷が降りるページ『絶対に今日やる仕事』第2位 学級担任
ある1人の生徒にとって、学級担任は『親』のような存在です。自分や仲間だけでは解決できない問題が起きた時、最後まで相談にのり、自分達の味方についてくれる存在だからです。ただし、お互い人間なので相性の良し悪しがあります。無理せず、最低限度の責任を果たしたら、他の先生に助けてもらいましょう。いずれ、あなたが他の先生を助ける場面が訪れます。
また、愛情の押し売りはいけません。強引に手助けしたり、子どもの嗜好を無視した『押し付け』は絶対に控えて下さい。大人の視点からよいだろう、と思っても我慢して下さい。第3位 学年の係
学年行事や成績処理など、自分が所属する学年に関係する仕事です。このうち、野外学習や校外学習などで学年のリーダーを集め、彼らと一緒に具体的な計画てたり実行する仕事は、大変楽しいことです。学級でも同じように室長などのリーダーと一緒に活動するのは楽しいことですが、学年全体に関わる行事は責任感が大きい分だけ、充実感もひとしおです。
→ 学級の組織作りに関するページ『室長(学級委員長)の決め方』『学級のリーダー作り』『担任は学級監督です』
→ 学年のリーダー作りに関するページ『』第4位 学校の係
生徒会活動や会計処理など、3学年にまたがる仕事です。このうち、生徒会執行部との活動は、学校における最高に重要な仕事です。本当にやる気をもって、独創的な活動を展開するなら、学校全体を活気づけ、毎日の学校生活が楽しく充実したものになります。ただし、新しい行事や活動を企画することは容易ではありません。学校には保守的な考えを持った先生が多いからです。これもまた現実なので、それを視野に入れた上で生徒会活動を展開してみましょう。これが喜びを持ってできるようになれば、あなたは一人前の教員以上であると自負できます。そして、一句『実るほど頭を垂れる稲穂かな』
→ 謙虚さを学ぶページ『結果発表を終えて』第5位 部活動
もし、あなたが希望した部活動の顧問になれたなら、授業終了のチャイムと同時に活動を始めたいでしょう。一方、嫌々なってしまった場合は、机上にたまっている仕事を優先させたいでしょう。しかし、上の表の順位をよく見て下さい。あなたに分掌に関係する生徒がいるなら、部活動の基本的順位は最下位です。部活動はあなたを含めて好きな者どうし(例えあなたが嫌々でも、あなたの自由意志で顧問になったことに変わりはない)が集った課外集団です。逆に、デスクワークがどんなに残っていていても、生徒が活動しているなら最上位の仕事です。生徒の指導に専念しなければいけません。第6位 先生同士の打ち合わせ
先生同士の打ち合わせはとても重要です。ただし、一言確認するだけで十分です。長時間の会議は、きちんとした時間が設けられているはずです。確実に声を掛け合ったら、目の前にいる生徒や保護者にしっかり対応しましょう。第7位〜第11位 机上の仕事
いつでもできる机上の仕事の優先順位は最下位です。ただし、完璧に処理しなければならない、単純作業のものが多いのが現実です。良く注意しながら、近くの同僚と一緒に仕事したいものです。2 1つひとつの仕事の優先順位を再点検する
上の表1では、仕事を11種類に分類し、それの優先順位をつけました。これは、一般的な会社とは比較にならならいほど多くの種類ですが、実際は、これほど単純に分類できません。人間関係については、とても重要なことから雑用まで、実にさまざまです。それら全てを均等にこなすことは不可能、かつ、教育の本質を見逃すことになります。そこで、さらに詳しく個々の仕事の優先順位を再点検しましょう。その観点はたくたんあります。例えば、簡単にできる仕事、たくさんの先生と協力する必要がある仕事、生徒のアイデアが必要な仕事、保護者の理解が必要な仕事、などです。3 完璧に行うべき仕事
出席簿の整理、テストの採点、集金状況の確認などは完璧に行うべき仕事です。これらは小さなミスも許されないので、仕事はすみやかに素早く行いましょう。疑問点はすぐに質問したり問い合わせたりして、解決しましょう。不明なことを放置すると、記憶が曖昧になり、間違いにつながります。とにかく、仕事を放置せず、すぐに処理する習慣をつけてください。先生ができるようになると、生徒や保護者も少しずつできるようになります。このような完璧な仕事は、誰でもできるものであり、生きた教育とは直接関係はありませんが、信頼を得るためにはとても重要です。2008 11 8
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