このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

17 合格印で誉めたたえよう

─1つの授業で、1つの完全な充実感を持たせる─

 生徒は合格印をもらうと、とても喜びます。「はい、合格!」と言って、ノートに合格印を押してあげましょう。どんな子どもも大喜びです。とくに、成績が良くない子どもにとっては、大きな充実感になるので、1つの授業につき、1つの合格印を与えることで、学習に対する意欲を向上させましょう。


上:全員に出した合格印の例
(この授業のねらいは、直接回路と並列回路を正しく組み、回路図に表すことである。速い生徒は、5分以内に2つの合格印をもらった。
理科の授業記録実験2 回路を組もう2年(2003年)から

右:オリジナル実験を行った班に出した合格印の例
(班によって、合格印の数は違う。また、豆電球の明るさについても、ある程度の比較ができていなければ合格にならない)

 合格印を出し惜しみしてはいけません。上位10%まで、と区切る必要もありません。素晴らしい授業を展開している先生なら、全員合格です。落ちこぼれができたり、合格できない生徒ができるのは先生の教え方が悪い、と考えて下さい。

 私は、1時間の授業の中で、生徒全員に1つの合格印を与えることを理想としいています。そして、生徒独自の実験観察など、私の目標以上の活動ができた場合は、合格印を追加します。授業内容によっては、1時間のうちに5つ以上の印を出すことがあります。1クラスに40人いる場合、平均3個押したとすると、120回の点検をしなければなりませんが、このような忙しい授業も楽しいものです。

実践例
(1)物理 実験9 磁石のまわりの磁界2年(2003年)
(2)化学 実験5 マグネシウムの酸化2年(2003年)
(3)生物 観察4 いろいろな植物細胞3年(2004年)
(4)地学 実験1 露点の測定2年(2003年)

 また、新しい単元になとき、教科書や補助教材を忘れずにもって来ただけでも合格印を与えます。甘い、思われる先生もいらっしゃいますが、私は、初日に忘れた場合、次回の授業でも合格印を出します。この場合、生徒全員が持参することが目的です。忘れ物をした生徒に罰を与えたり、減点したりするより遥かに優れた方法であると思います。


上:プリント左下に、教科書を持ってきた合格印を押すための場所として、四角(破線で印刷していある)が準備してある
(理科の授業記録観察1人のほおの内側の細胞3年(2004年)から)。

2007年12月30日

↑ TOP

[Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン][→home

(C) 2007 Fukuchi Takahiro