このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

観察5 細胞分裂
              
                   2004 4 26(月)
                   第1理科室

 2時間使って細胞分裂の学習をします。細胞分裂には、体を成長させるための体細胞分裂と生殖細胞をつくるための減数分裂がありますが、今回は前者を調べます。

 図1を見て下さい。これは市販のプレパラートです。第1時は先生が顕微鏡テレビ投影装置を使って演示しながら、細胞分裂のしくみや観察ポイントを説明して下さい。第2時は授業の冒頭から生徒による観察実習を行います。

 なお、市販ではなく実物を使った細胞分裂については、以下の実践を参照して下さい。

細胞分裂 2001年
観察3細胞分裂2001年
観察3.2細胞分裂2001年

観察3細胞分裂1998年


図1 細胞分裂をしているタマネギの根の先端画像をクリックすると拡大532k


授業の流れ
1 導 入

 生

2 細胞分裂の順序
 生物は細胞分裂によって成長します。ここで言う成長とは、細胞の大きさが大きくなることではなく、細胞の数が増えるこことです。ちょっとした違いのようですが、全く違うので注意して下さい。図1で示したタマネギの根も、細胞分裂よってどんどん伸びています。これは細胞の数が増えることに起こります。

図2 細胞分裂の順序

2 4つの時期

 細胞分裂は『前期』『中期』『後期』『終期』の4つの時期に分類される。その判断基準の中心は『核(染色体)』である。

(終期:植物細胞はくびれる、のではなく『しきり板(細胞壁)』ができる)

3 細胞分裂をする部位

 細胞分裂はからだのどの部分でもおこなっているのではなく、活発に行われる部分(成長点)がある。植物の根の場合は、その先端部が成長点(下図C)である。

 根の先端部をさらに拡大すると、上の図のように、根冠と呼ばれる細胞がデリケートな細胞分裂を行う細胞を保護している。

4 プレパラート(細胞分裂)の観察
 生徒1人ひとりにプレパラート1枚、光学顕微鏡1台を準備させ、プレパラートの中から細胞分裂『中期』を探させる。発見した生徒は、顕微鏡にプレパラートを置いたまま教師の点検を受け、合格した場合は『印』をもらう。『中期』の次は『後期』、『前期』、『終期』とする。

(上:あなたも探してみて下さい。)

◎ A君の学習プリント


<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 学習プリントを正確かつ丁寧にまとめられる

2 科学的な思考
 A 動物と植物の細胞分裂の共通点を相違点をまとめられる
 B 核(染色体)の分裂に注目して、細胞分裂を考えられる

3 実験・観察の技能・表現
 A 細胞分裂『前期』『中期』細胞を見つけられる
 B 細胞分裂の流れを、核(染色体)に注意してまとめられる
 B 細胞分裂『中期』の細胞を見つけられる

4 自然事象についての知識・理解
 B 細胞分裂の順序を正しく理解できる


授業を終えて
 前半の細胞分裂の説明に30分以上必要としたが、その後の短い時間で『前期』『中期』『後期』『終期』全ての段階を発見した生徒が数名いた。また、まったく発見できない生徒も半数以上いたが、次時はプレパラートの観察から始める。

 また、タマネギやそら豆などを家庭で水栽培し、発根したものを持参するように指示した。


(上:市販のプレパラート)
 ご覧の通り、『先端部分』は数ミリである。また、顕微鏡で見ると上下左右になるので、上下逆になっている。

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