HomeMr.Taka 中学校理科の授業記録1年(2016年度)

実験12 沸騰した水の泡を集めよう

     2016 9 14(水)、15(木)、23(金)
     理科室

はじめに
 今日から状態変化の学習です。状態変化は『物質の状態が変化すること』ですが、その説明は中学1年にとって難解です。生徒の発達段階にあわせるなら、『化学変化』の次に状態変化を学習するべきです。とは、いうものの公立学校は学習指導要領にしたがわなければいけないので、ベターな方法を模索するしかありません。

 本時は、私のオリジナル実験の1つです。単純ですが、生徒の反応(興味関心・理解度など)上々の実験です。ただし、操作を誤ると危険なので十分注意してください。すべての先生や学校にお勧めできるものではありません。

 この授業の完成度は高いのですが、本時の記録は図1〜図3だけです。後半には、4年前の記録『実験15:沸騰した水の泡を集めよう1年(2012年)』の再編を掲載しています。


本時の記録
 4年前は状態変化の理論から入りましたが、本年度は実験から入りました。


図1:本時の板書(クリックすると拡大します)

 図1を左から順に見ると、本時の実験結果・そのような結果になる理由・実験方法・実験上のテクニック・状態変化の理論、が書かれています。


図2:加熱を始めたビーカー

 図2の見所は、ビーカーの表面に付着した水です。これは空気中の水蒸気が結露したもの(水滴になったもの)です。ビーカーの水の温度が低いので、水蒸気が付着するのです。しばらくすると、水温が上がり、ビーカーの表面の水滴はすべて無くなります。この変化は極めて重要です。今日から始まる学習『状態変化』そのものだからです。


図3:実験中の様子

実験15:沸騰した水の泡を集めよう1年(2012年)』の再編


図4:装置の模式図

 図4のポイントは、泡(水蒸気、気体)の大きさの違いです。試験管内の温度100℃未満の場合、上にいくにしたがって小さくなっていきます。


図5:実験装置をセットする様子

 図5は、水をいっぱいに入れた試験管を逆さにして、鉄製スタンドに固定しているところです。ビーカーの中に入れた指を見ると、その先に白い小さな紙片あります。この紙片をつかって、満タンに入れた水を逆さにしたのです。逆さにできる理由は、数ヶ月後に学習する物理分野『大気圧』で説明することを紹介します。


図6:ガスバーナーの炎を調節する生徒


図7:試験管に沸騰した水の泡を集める生徒


図8

図9

 図8・図9:試験管に集めた気体を液体に戻す様子


図10:A君の学習プリント


 

授業を終えて
 安全にできれば、最高の実験の1つです。先生はよく練習をしてから授業の臨んでください。

関連ページ
実験15:沸騰した水の泡を集めよう1年(2012年)
実験7 水の状態変化 1年(2002年)
実験5 液体窒素による状態変化 1年(1999年)
演示実験 液体窒素 1年(2002年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学
第3章 分 子 大気に含まれる物質 p.30
第5章 状態変化 見える状態の水 p.79欄外
物質の三態(固体・液体・気体) p.80
分子運動実験機でイメージする p.81

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