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第20時
観察20 骨、筋肉、ヒトの歯
生活と体のつくり(草食動物・肉食動物)2017 6 8(木)、9(金)
普通教室はじめに
骨や筋肉は、動くための物理的なしくみです。生物がもつ仕組みは、すべて激しい生存競争の勝ち残るためのものです。その仕組みは極限まで完成されたものであり、調べれば調べるほど新しい疑問が増えるものでしょう。授業では、人体の骨と筋肉(関連ページ『観察9骨格と筋肉2年(2003年)』)、草食動物と肉食動物の生き残りのための工夫(関連ページ『草食動物と肉食動物2年(2000年)』)を調べます。
上:
本時の目標
・ヒトの骨、筋肉について調べ、物理的に動くための仕組みを理解する
・歯について調べ、そのつくりやはたらきを理解する
・草食動物と肉食動物について、体のつくりの違いを調べたりまとめたりする準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)ヒトの骨格 (15分〜20分)
教科書の骨格をコピーし、その右半分を消したものを印刷しました。そして、子どもたちに消された部分を書くように指示しました。
上:Kさんの学習プリント
骨格を指導する上でのヒント
(1)指は全員20本あるのと同じように、骨の数も全員同じ
(2)上腕と前腕、上腿と下腿を比較させる
→ 上肢:上腕(肩〜肘)、前腕(肘〜手首)、手(手首〜指先)
→ 下肢:上腿(太腿、股関節〜膝)、下腿(膝〜足首)、足(足首〜爪先)
(3)中枢神経は、骨の中にある
→ 脳:頭蓋骨
→ 脊髄:脊椎(背骨)
(4)骨どうしは、関節によって接合している
→別ページ『観察9 骨格と筋肉2年(2003年)』末尾参照
(5)骨は、細胞からできている
(6)骨は、折れてもひっつくなど再生する(3)ヒトの筋肉 (7分〜10分)
筋肉は収縮&弛緩です。収縮すると短くなり、弛緩するとだらだらします。よくある間違いは、筋肉が伸びるという考えです。筋肉は伸びることをしません。弛緩した結果として伸びたり、無理やり伸ばされたことによって伸びたりするだです。筋肉細胞ができことは、収縮だけです。
上:A組での板書(5)観察:ヒトの歯 (10分〜15分)
あなたは、自分の歯が何本あるか知っていますか?
上:Kさんの学習プリント
ヒトの歯を指導する上でのヒント
(1)ヒトは、雑食動物
(2)ヒトの歯は、肉にも草にも対応している
(3)歯は(1)門歯、(2)犬歯、(3)臼歯の3つに分類できる
(4)門歯は、顔の表情を大きくする
(5)犬歯は、肉などを噛む、刺す、他の生物を殺す
(6)臼歯は、草などをすりつぶす
(7)歯は、上下左右に対照
(8)したがって、本数は4の倍数となる
(9)ヒトの歯は、32本
(10)内訳は、(門歯2+犬歯1+臼歯5)×4=8×4(下図)
上:ヒトの歯
(11)一番奥の臼歯は退化し、生えないヒトもいる
(12)(11)を親知らず、という「歯が32本ある人、手をあげてください!」
(4)草食動物と肉食動物のからだのつくり (8分〜10分)
小学生でも十分に理解できる内容なので、各自で教科書を見てまとめさせるだけで十分でしょう。深い追いをすると際限がないので、時間で区切るようにしてください。興味がある生徒は、宿題にさせてください。ポイントは草食動物と肉食動物、それぞれの共通点です。
上:Kさんの学習プリント(6)本時の感想、考察 (5分)
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上:Kさんの学習プリント(クリックすると拡大します)
上:本時の板書(クリックすると拡大します)
授業を終えて
生物学は定量的に扱うもの扱えるものが少ないから、その本質を教えることが肝要。本質とはすなわち定義、と考えてもよいだろう。つまり、筋肉とは何か、歯とは何か、骨とは何か、ということである。完璧な定義は絶対にできないから、中学生レベルでわかる範囲で、彼らのできる範囲で考察し、1つの結論を出すことが大切だ。その結論は、やがて間違いであったりより深化していったりするであろう。自然科学とは、そういうものなのである。note:生徒と先生の会話
電関連ページ
観察9 骨格と筋肉2年(2003年)
骨格と筋肉、感覚器2年(2000年)
草食動物と肉食動物2年(2000年)
解剖図2年(2000年)実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学』
第3章 動物が動くしくみ
いろいろな動物の筋肉 p.58-p.59 骨格の構造とはたらき p.60-p.61 第4章 食べることと恒常性 何でも食べるヒトの歯 p.74-p.75 第7章 生態系 草食動物と肉食動物の攻防 p.129 セキツイ動物の骨格を比較しよう! p.148
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動物のなかま
生物の系統樹