このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第21時
観察21 動物のなかま、生物の系統樹

2017 6 9(金)、12(月)
普通教室

はじめに
 今日から新しい章になり、『動物の分類』と『進化』について学習します。

 本時はいろいろな動物の例をあげ、それらを系統的に分類します。第2時動物とは何か! では生物全体を『動物・菌・植物』の3つに分けているので、本時は動物だけを細分します。ただし、教科書は『無せきつい動物』という仲間をつくっていますが、私はつくりません。その理由は本文にありますので、読み進めてください。また、別ページ『中学生のための分類方法』『生物の分類』も参考にしてください。


上:生物の系統樹


本時の目標
・動物のいろいろな例を挙げ、それらを系統的に分類する
・骨に着目して<外骨格><骨なし><内骨格>3つに分類する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)いろいろな動物の例を挙げる (15分〜20分)
 「プリントに動物の例を10個書きなさい。書けて人から、黒板に面白い動物を発表してもよろしい!」
 このように指示すれば、一番に板書したくて、猛烈な勢いで自分のプリントに動物の例を書き始めると思います。以下は、3つのクラスにおける板書発表です。


上:A組で発表されたいろいろな動物(クリックすると拡大します)


上:B組で発表されたいろいろな動物(クリックすると拡大します)


上:C組で発表されたいろいろな動物(クリックすると拡大します)


上:Kさんの学習プリント(クリックすると拡大します)

(3)動物を3つに分類する (分〜分)
 比較的進化した動物を(1)節足動物、(2)軟体動物、(3)脊椎動物の3つに分類します。

 分類基準は骨です。(1)は外骨格、(2)は骨なし、(3)は内骨格です。

 重要なポイントは、『脊椎動物』と『無脊椎動物』の2つに分類しないことです。とくにいけないのは『無脊椎動物』という考え方です。何かを持っていない動物、ということでひとくくりにすることはダメです。科学的ではありません。何かを持っている動物、ということでグループを作りましょう。何かがないのではなく、何かがある、としてまとめるのです。

ひとりごと
  無脊椎動物という分類は、私たち人類の高慢さを表しているようにと思います。

 例えば、ゴキブリの立場になって考えてみましょう。昆虫である彼らは、外骨格を持っています。外骨格を持っている生物はたくさんいます。持たない生物の方が少ないぐらいなので、『外骨格生物』と『無外骨格生物』の2つに分類することができます。私たちヒトは、タコ、ミミズ、イソギンチャク、メダカ、ヒトは『無節足動物(無外骨格)』として、ひとくくりになってしまいます。

 とうことで、『無・・・生物』という考え方は、その生物が持っている特徴を無視するものです。高慢だと思いませんか!

(4)生物の系統樹 (15分〜20分)
 下図のように、系統樹を印刷しておきます。そして、黒板の同じものを書き、順にまとめていきます。

上:Kさんの学習プリント

 動物をまとめる順番は、次のようにすると良いでしょう。

節足動物(外骨格)→ 軟体動物(骨なし) → 脊椎動物(内骨格、背骨)


上:B組での板書


上:C組での板書

(6)本時の感想、考察 (5分)


上:本時の板書(クリックすると拡大します)


上:Kさんの学習プリント(クリックすると拡大します)


授業を終えて
 小学校や中学1年生で時間にゆとりができるなら、『観察1アフリカツメガエル2年(2000年)』『観察2カイコガ2年(2000年)』『観察1いろいろな動物2年(2003年)』のように、いろいろな生物を観察させても良いでしょう。子どもたちの学習段階に合わせた観察があると思います。学習指導要領やあなたの時代、生きている環境に合わせて適切な観察学習を工夫してください。いつの時代も、生きている生物と触れ合うことがもっとも重要です。

 生物の分類については、別ページ『生物の分類』を参考にしてください。分類方法は時代によって変わりますが、中学レベルの学習の深さの程度は大きく変りません。系統樹も同じように変化すると思います。DNAによる系統樹もありますが、中学は系統樹の本質、系統樹という考え方があることを学ぶことが大切です。多少の間違いを恐れることなく、先生はできるだけ『言い切り』のかたちで教えてください。自然科学において正解がないことは、先生が毎日にように教えていることだと思いますので、子どもたちを混乱させないようにすることが肝要です。

関連ページ
観察1いろいろな動物2年(2003年)
観察1アフリカツメガエル2年(2000年)
観察2 カイコガ2年(2000年)
無セキツイ動物2年(2003年)
セキツイ動物と無セキツイ動物2年(2000年)
軟体動物の観察2年(2000年)
中学生のための分類方法
生物の分類

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学

第1章 生命とは何か  地球は生命で満ちあふれている p.6-p.7
 自己増殖するウィルス p.9
第8章 進化と分類  生物の進化と系統樹 p.149
 生物を5つの仲間に分ける p.150-p.151

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骨、筋肉、ヒトの歯

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セキツイ動物と水
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