このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第89時

実験18 電磁石を作ろう!

2018 2 21(水)、22(木)
理科室

はじめに
 授業冒頭に、電磁石づくりをした経験がある人を挙手させました。結果はほぼゼロです。学習指導要領では小学校5年生で電磁石を学習しているはずなのですが、・・・

文部科学省HP 学習指導要領「生きる力」から抜粋
第2章 各教科 第4節 理科
 2 内容   A 物質・エネルギー

 電流の働き
  電磁石の導線に電流を流し、電磁石の強さの変化を調べ、
 電流の働きについての考えをもつことができるようにする。

 ア 電流の流れているコイルは、鉄心を磁化する働きがあり、
   電流の向きが変わると、電磁石の極が変わること。
 イ 電磁石の強さは、電流の強さや導線の巻数によって変わること。

 おそらく市販の電磁石を使用したのだと思います。しかし、電磁石は小学5年生でも簡単にできるものなので、鉄心、巻き数を変えた電磁石づくりをおすすめします。そして、中学校の先生は、「中学生2年でも、とにかく電磁石で遊ばせることをることを第一にするべきである」と主張させていただきます。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・電磁石を作り、遊び、楽しみ、電流と磁石の世界を楽しむ

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 7cm以上の鉄釘  (1/人)
  • エナメル線    (70cm/人)
  • リード線    (2/人)
  • 乾電池     (1/人)
  • 方位磁針    (1/人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)コイルと電磁石(10分〜15分)
 コイルと電磁石については14年前の記録『実験10 コイルのまわり磁界2年(2003年)』がよくまとまっているので、そちらをご覧ください。


図2:コイルと電磁石に関する板書(クリックすると拡大します)

(3)電磁石の作り方(5分〜7分)
 14年前の記録『実験10 コイルのまわり磁界2年(2003年)』をご覧ください。


図3:エナメル線に関する板書

(4)電磁石づくり(20分〜30分)


図4:エナメルは熱で溶けるが、銅の表面も酸化する


図5:ハサミでエナメル皮膜や銅表面をこする


図6:本時の板書(クリックすると拡大します)

(5)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 14年前の子どもと比べると、格段に電磁石づくりの技が衰えています。これは理科教育だけの問題ではなく、学校教育だけの問題でもなく、日本社会全体で取り組まなければいけない問題だと思います。国家レベルで、日本のもの作りの技術を高めるような教育プログラムをつくると同時にそれに似合う予算配分をすべきです。

 最近、5年間の防衛予算が25兆円を超えることを聞きました。兆円レベルで米国から武器購入もしているようです。武器は買うべきでも所持するべきでもありませんが、必要なものなら自分で作るべきです。税金の使い方を間違えたなら、反省すべきです。できないなら、首脳陣に退陣してもらいましょう。「首脳陣を変えるのは弱い個人の力」です。このページの読者である「あなた」が行動しなければ何も変わらない=悪化する、ことを認識しなければいけません。

 私は教育者として、すべての大人が、小学校で電磁石を作り、電磁石で楽しく遊んだ経験を持っている、そんな豊かな社会をつくりたいです。私の夢は25兆円も使う必要がない、ささなかな夢です。私はあなたに私の夢を実現させるために行動して欲しいと願っていますが、不遜で間違っているのかも知れません。

 なお、私は国という囲み方が嫌いです。日本は大好きですが、日本よりも名古屋、名古屋よりも私が住んでいる町の方が好きです。よく考えてください。日本は小さな文化の集まりです。ざっくりと日本文化を守ろう、などと叫ぶと小さな文化を失う結果になります。沖縄の人々は今も大きな声で、本土の人々に窮状を訴えています。国と戦争がない社会、それが人類の最終目的地だと思います。大きな視野に立って叫びたいなら、日本ではなくて世界です。 そんなことを感じさせる電磁石の時間でした。

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