このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第1時
実習1 長さの単位と接頭語

     2018 4 18(水)
     普通教室

はじめに
 今日は3年生になって初めての理科の授業です。私はこの学年を持ち上がっていますが、初めて受け持つ子どもの各クラス数名ずついます。この学年は約240名(6クラス)いるので、私1人ですべて受け持つことができないからです。そこで、これらの子どもたちが安心して1年間の授業ができるように配慮ながら、年間スケジュールを紹介しました。

 その後、小学校で学習した長さについて、中学3年レベルまで理解を深めていきました。今日は理科初日なので、張り切りすぎないようにすることも重要です!


本時の目標
・年間スケジュール、授業&評価•評定方法を周知させる
・長さやその単位について理解を深める
・単位の桁をかえる語について確認する
・これから約3ヶ月間学ぶ物理学について、期待感をもたせる

準 備
生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • 問題集
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1) オリエンテーション (10分〜20分)

 クラスの雰囲気によって入り方は違いますが、とても静かな場合は、ごく簡単な自己紹介をしてからすぐに以下の内容に入ります。先生にしっかり話しかけてくる子どもがいる場合は、自己紹介をしてからオリエンテーションに入ります。

    1. 持ち物の確認
       教科書、理科便覧、問題集&解答を持参しているか、それぞれに学年•組•番号•氏名が記入してあるか確認します。

    2. 学習プリント
       学習プリントを配布し、組•番号•氏名を記入させます。記入させるとき、次のように話します。
       「 このプリントは毎時間くばります。1時間につき1枚です。このプリントは定期テストと同じように重要です。ざっくり、1枚5点、と考えてください。つまり、1時間の授業で、5点ずつ積み重ねていくと考えてください。したがって、毎日きちんと書いてファイルして、それを提出すれば20枚で100点の計算になります。もちろん、これは基礎点なので、もっとしっかり書いた人は加点されることになります」

       「ところで、今、君が書いた組•番号•氏名をみてください。何点つけますか? 文字が下手でも、丁寧に書いてあれば加点したくなると思います。逆に、乱れて読みにくいなら減点、場合によっては採点の対象外にしたくなるかもしれません。自分で自分の書いたものを見て、書き直した方が良いと思う人は直しなさい。このプリントは表紙になるものですから、今の自己ベストの文字で書くことをオススメします」

       「このプリントは年間で約90枚になるので、専用ファイルが必要です。プリントをなくしてしまうと採点できなくなり0点になるので、絶対に毎時間ファイルするようにしてください。
      (私の授業経験者が持参したファイルを見せながら)このような2つ穴を閉じるものが良いと思います。とじ方は、新しく配布されたものが後ろになるように、つまり、今日のプリントがずっと1番になるようにします。(ファイルへの綴じ方を示しながら)こんな感じです。通常の方法とは逆になります。わかった人は、ファイルにタイトル『理科ファイル』、組•番号•氏名を書いてください。自信がない人は先生が確認にいきますので、鉛筆で書いておいてください(その後、1人ずつ机間巡視で確認する。確実に行うこと!)

(2) 長さとは何か (15分〜25分)
  これから学ぶ『運動』の基礎となるものの1つは、速さです。速さは小学校で学習済みですが、苦手意識をもっている子どものいると思います。1時間めの今日は、速さを求めるための距離と時間のうち、簡単な距離について理解を深めていきます。なお、物理学では距離ではなく、長さといいます。

    1. 長さの単位
       「長さの単位にはどのようなものがありますか?」
       「なるほど、センチメートルミリキロメートルミクロ、ですか。いろいろありますね」
       (センチ、メートル、ミリ、キロと板書してから)
       「さて、黒板に書いた4つのうち、実は正解は2つです。それは何と何でしょう? 全員に挙手で答えてもらいます!」
       (中略)
       「ということで、正解はメートルです。センチ、ミリ、キロ、ミクロは長さの単位メートル以外の単位にもつけることができる桁を変えるための語です。例えば、キロは、キロ•グラムで質量、キロ•リットルで体積の単位にもよくつけられます。キロは1000倍、という意味なのです。これについては、授業後半でまとめますが、まずは、その他の長さの単位を書き出してみましょう。今出ているものはメートルだけで、これらをメートル単位系といいます。小さい方からマイクロメートル、ミリメートル、センチメートル、メートル、キロメートルになります」

    2. その他の長さの単位
       国外のものとして、 マイルインチヤードなどがあります。それぞれの単位には歴史があるので、先生の趣味や子どもの経験にあせて雑談をすると良いでしょう。飛行機によく乗る子どもがいればマイル、海外の洋服や靴の大きさの表示にはインチ、ゴルフをする子どもがいればヤードの話をする、などです。
       国内のものとしては、間などがあります。社会科では(り)や海里を学習しているはずです。同じように楽しい雑談をして、長さ(距離)に関する興味関心を高めましょう。
       その他に、光年天文単位などがあります。

    3. 長さ(距離)のまとめ
       このように、世界各地にさまざまな単位がありますが、それでは世界で共通した議論ができないので、世界中の学者が集まり、長さの単位を『メートル』で統一することにしました。1960頃のことです。

      参考ページ:別ページにジャンプします
      (ア)国際単位系(SI)
      (イ)
      物理単位

(3) 桁をかえる接頭語 (5分〜10分)
 マイクロ、ミリ、センチ、キロなどは単位の桁をかえる接頭語です。マイクロは100万分の1、ミリは1/1000する語、センチは100倍、キロは1000倍する語です。最近はどこの家庭にもパコソンやビデオレコーダーがあり、記録媒体の容量を表すメガ(1 000 000倍)、ギガ(1 000 000 000倍)、テラ(1 000 000 000 000倍)の語が一般的になっています。


上:10の乗数を表わす語(HP『理科で使う単位』2004年から転載

参考ページ:別ページにジャンプします
(ア)単位の接頭語
(イ)単位の換算

(4) 本時の感想、考察 (5分)
 今日は3年生初日のなので、とくに終りの時間もゆったりと! です。

===


授業を終えて
 長さは簡単で当たり前のように感じている人はたくさんいると思いますが、よく考えると深く面白いものです。長さとは何か、1メートルとは何か、誰がどのようにして決めたのか。いつも当たり前のように思っていることに疑問を持ち、物理学の世界の楽しみを見つけることができた子どもが1人でもいれば、今日の授業は大成功だったのではないかと思います。

 みなさんも、楽しんでいただけましたか?

note:生徒と先生の会話
先生、自己紹介しないの?
先生はどちらでもいいけれど、自己紹介をやりたい人はいますか!
(何人かが挙手をする)
では、◯◯君と△△君、自己紹介をお願いします!
えええ〜〜、先生がやるんじゃないの?
もちろんやるけど、やりたい人からやるのが筋だと思います。では、真っ先に手を挙げた◯◯君から自己紹介してください。では、前に出てきてください!
=== 終業のチャイムの後に ===
福地先生のことだから、そうくると思ったよ。
やっぱり?!

参考になるページ
1時間の授業を作ろう若手教師のためのワンポイント・レッスン、別ウィンドーで開きます)

参考・関連ページ
理科で使う単位(単位を10の乗数倍する語)2004年度
国際単位系(SI)
物理単位
単位の接頭語
単位の換算

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

第1章 量と単位   物体を数えよう p.6
 数字、という言葉 p.7
 単位には意味がある p.8
 国際単位系(SI単位系) p.8
 長さを指で計測しよう p.11

3年理科の始まり!

→ 第2時
実習2 時間とは何か

 

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