このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第3章 理科の授業

3 理科の実習を4つに分ける

1 実習、という授業形態
 理科の授業は、実習を中心にして進められます。実習は自分の身体を使い、5感で調べることです。実習は、調理実習など他分野でも使う語句なので、その対象が自然になるよう細分しましょう。下表(1)〜(4)は、『観察』『測定』『観測』『実験』に分けています。うまく分類できないときだけ、実習とします。なお、私の授業の基本スタイル『検証実習』の実習は、生徒が自然を調べる活動、という意味です。

授業形態
主に
活動する人

主な内容
主な分野

(1) 観 察

生 徒
・肉眼、ルーペ、その他の器具を使って注意深く観る
発見したことをスケッチ、記述する
生物学
地 学
(2) 測 定 ・基準になるもの(測定器)で、誤差が少なくなるように測る
・自然やその現象を数量化する
 ※関連ページ『6つの物理量』、
 ※関連ページ『測定誤差(測定器の精度、測定者の個性)、計算誤差(四捨五入)』
時間による変化を表やグラフにする
生物学
物理学
(3)

観 測
・観察や測定を連続して行う
※授業時間外の自主学習になることが多い
地 学
生物学
(4) 実 験 ・実験器具や材料を使い、1つの操作から結果を得る
・得られた結果を考察し、次の操作をして結果を得る
・同様な操作をくり返す
検証実習で感動を追体験する(第3章 理科の授業)
定量実験で科学的思考力を養う(同上)
仮説実験授業、一般的な物理・化学実験の手順(同上)
物理学
化 学
生物学

実習外
(5) えんじじっけん
演示実験
教 師 教師が行なう実験を、生徒が明確な視点をもって観る
・また、その結果を考察する
(6) 視聴覚教材
による授業

生 徒
・教師が精選した教材を生徒が視聴し、新しい視点から自然を観る
(7) 普通教室
における授業
教師と生徒 教師が生徒にテーマを投げかけ、
・教師が司会者となって、
生徒の考えを引き出し、意見を交換しあい、
・テーマに対する見方をまとめる
第2章 How to 授業の各ページをご覧ください
担任は学級監督です(第4章 学級の経営)

(8)
小テスト
復習テスト

な し
知識の定着をはかるための小テスト
(9) 定期テスト
アンケート
・授業効果を調べたり、今後の授業を計画したりするため資料集め
・生徒の知識の定着度を測ることもできる
授業を反省するための定期テスト(第13章評価は不要物か)

2 理科の授業は理科室で
 理科室にはさざまざな自然を調べる器具や材料があります。普通教室でできない学習が可能です。できれば、年間を通して理科室で行いましょう。理科は理科室、音楽は音楽室、美術は美術室、技術は技術室、家庭科は家庭科室、とてもシンプルで当然なことです。現在、名古屋市立中学校の理科室の数は2つしかありませんが、各学年に1つずつの理科室が割り当てられると大変助かります。実験の準備や後片付けができるので、学習時間が確保できるからです。教師1人に理科室1つでも良いでしょう。これは当然のことなので、近い将来実現すると思います。早いか遅いかの問題です。関係者の方、よろしくお願いします。

3 学校から飛び出して自然を調べる
 理科の授業は、自然が対象です。本物の自然を調べたいなら、自然がある場所に足を運ぶ必要があります。海、山、川、公園、科学館、博物館などに行きましょう。校外学習、宿泊を伴う野外学習、修学旅行など、さまざま空間で教育を実践しましょう。他教科の先生もチャンスをうかがっていると思うので、しっかり計画して時空間を確保してください。もちろん、学校敷地内、校庭の自然は最重要です。

関連ページ
・ 私が授業計画するときの姿勢 

2005年
2012年5月20日

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