このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 1年(2016年度)です

第2時
観察2:タンポポの花

     2016 4 

タンポポの花の用意

タンポポの花は自宅から用意させた。
枯れないようにぬれたティッシュで包んでくる生徒もたくさんいた。
牛乳パックを切って根から持ってくる生徒もいた。
本校の生徒は本当によくできる!

白花タンポポはなく、日本在来のタンポポはたくさんある。
これは名古屋市内でも標高が高く開発に汚染されにくい萩山中と瑞穂公園の特性である。

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指導法はいつもと同じでとくに問題なし。

雌しべの柱頭の形の変化
中央にあるつぼみは雌しべが未熟で、
咲き始めたばかりのものは1つ直線のようで、
その周辺にある娘のような雌しべは2本の直線となり、
大人の女性になると二股に分かれた曲線になる。

「雌しべの柱頭の形を調べてください。2つに分かれて外側にくるんと曲がっていきます」
と板書しながら説明すると、
80%程度の生徒が見つけることができたと挙手する。

できない生徒には、
まだ幼い花の集合(集合花)であることを知らせ、
他の花で調べさせると良い。

雄しべ
雄しべを観察するためには、
よく咲いたものを選び、
咲き切った周辺部の花を観察すれば、肉眼でも十分に区別できる。
よく咲いたものは花粉まみれで、
タンポポの花粉に反応する生徒が各クラス3人ほどいるので注意させたい。
なお、咲き始めのものは観察できないと考えた方が良い。

花弁
次に、花弁を観察させるが、
これも同じように成熟し切った花のほうがよくわかる。

花弁の先端部分がいくつにわかれているか発問すると、
4つ、または、5つという答えが返ってくる。

正解は5つであるが、4つと答える生徒が5、6人いる。
もう一度確認させれば、5つということになる。

がく
花弁の次にある白い部分(すなわち、がく)が綿毛になることを知っている生徒はほとんどいない。
これを教えると、生徒はおー、と言う。

次に、
がくからと子房の間にある2mm程度の白い部分を確認しておくと良い。
この部分は教科書の記述が不十分なので、
このメモを読まれた出版社の方は次の改定でしっかり描いて頂きたい。
描いたとしても、誰にも話してはいけない。
出版社たるもの、図版をどれだけ正確にしたとしても自慢してはいけない。
まして、文章に記述するなどもっての他で、
そんなことをされたら先生が教えたり子どもが覚えたりしなくては、ならなくなる。
愛知県教育委員会が公立高校入試問題にする可能性が出る。
よく研究している先生と子どもが道に迷わないようにするのが教科書の使命である。

なお、
タンポポの1つの花のスケッチは中間テストに出題すると予告したが、
採点時、
これがしっかり描けている生徒は、その他の部分も確実に描けているものなので、
採点時の分かりやすい目安となる。
他の部分は微妙な描き方をしている生徒が多い、からだ。

子房は緑色をしている。

在来種、という言葉を使う生徒がいるのは、
他の教科やどこかのニュースで言葉を教えてもらっているのだから、
それに乗って指導しても良いが、
今回は教科書に合わせて在来のタンポポ、という表現にとどめた。

ただし、
これも教科書会社への注文だが、
タンポポの区別は、『在来種』と『外来種』にして頂きたい。
そもそも、タンポポは簡単に交雑するので在来種と外来種の区別も難しい。
それなのに、『日本在来のタンポポ』と『西洋タンポポ』と記述するのは変。
変なことは、屋外で実際に調べれはすぐわかる。
で、
次は、絶対に『在来種』と『外来種』にして頂きたい。
他の出版社より1歩リードできる!
あ、学習指導要領やどこかの指導書のしばられているなら、
それの責任者は改定して頂きたい。

さて、タンポポの種を区別する部分を総苞というが、その語句は漢字で指導した。
漢字には意味があり、確実に押さえたいものだ。

また、
次の時間で扱うフジの花で、苞を教えることで、
総苞と関連づけられる。

そうそう、私はツツジの花でも苞を教える。
やっぱり、苞や総苞まで教えた方が面白いし、よく理解できる。
ただし、教科書には記述しないこと!
ここまで教えることができる先生は少ないので、詳しく書いてはいけない。
現場にいないと、
このあたりのさじ加減がわからないので、
子どもや教師は現行の教科書に乖離している。
あ、教科書の文句を言っていてもどうにもならないが、
さらなる乖離は避けて欲しい。

授業の終わり15分頃、
花が終わったものを2人1つずつ配布した。
これは子房が果実に変化することを教えるのに完璧な教材で、
まず、準備が非常に簡単だ。
下に写真も示した。
花よりも簡単に見つけることができるし、
つまらない姿をしたものを開いたときの驚きが違う。
生徒1人に1本ずつ準備しても良いし、自分で採取できるなら、順に並べさせてもよい。

先ほどの白い部分が伸びていき、がくが綿毛に生長していくようすがよくわかる。
生徒が自分で簡単に調達できるものを選ぶことは非常に重要だ。

なお、2016年4月28日(木)の時点では、
タンポポの花がかなり少なくなり、教材に適したものが少なくなってきているので、普段から校庭のタンポポを観察しまくることは必須条件だ。
理科の教師たるもの、1年の植物の学習をさせるためには、空き時間を作ってぶらぶらしなければいけない。
他教科の先生や管理職にどう思われようとも、サクラの花の下をぶらぶらすること。
しかも毎日、太陽がよく出ている時間に。
その気迫と勇気がなければ、
新鮮な教材を準備することはできないし、
私の授業記録を読んでも真似は難しい。

それから、この時間にスケッチの方法とルーペの使い方を指導したが、スケッチの方法は以下の3点である。
(1)大きく書く
(2)目的もののだけ書く
(3)線と点で描く

この時、教師が見本を示すと良い。
小さいとごまかし効くので良くない。
目的もののを書くことことは、
タンポポの断面図を示した時に、
右半分だけ図示(下の写真:頭花の模式図)しておくことで、
全て図示するよりもつぼみが生長してくことが明確になっていることを解説した。

2012年の授業記録の再掲

 

上:中央部分の花弁は開いていない
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上:頭花の模式図

関連ページ
・ 観察2タンンポポの花1年(2012年)
・ 観察2タンンポポの花1年(2002年)
・ 観察3タンポポを調べる1年(1999年)
・ 科学的なスケッチの描き方若手教師のためのワンポイント・レッスン
・ ルーペや顕微鏡の使い方同 上

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学
第1章 生命とは何か 観察の基礎 p.20
第5章 花と植物 タンポポの花(集合花) p.90〜p.91

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観察1 アブラナの花

→ 第3時
観察3 花のつくり、フジの花

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