このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第13時
実験12 等速直線運動2018 5 15(火)、16(水)
第2理科室&廊下はじめに
記録タイマーを使う実験は、今日が最後になります。記録テープも一人あたり1.5m使う贅沢な実験になります。これまでの集大成となるように、失敗で得られた貴重な経験を生かして、できるだけ良い結果になることを期待しています。さて、実験内容は『実験5斜面を滑り落ちる台車』『実験5-2斜面を滑り落ちる台車-2』とほぼ同じです。違うことは、斜面を滑り落ちた後も記録することです。水平面上を滑走する台車は、ほぼ同じ速さで直進(等速直線運動)をするので、記録テープの打点は等間隔になるはずです。
また、14年前の実践『実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)2004年度』がよくまとまっています。内容もほどんど同じなので是非ごらんください。
関連ページ
『実験1 自由落下運動(速さ)2004年度』
『実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)2004年度』
『実験4 斜面を滑り落ちる台車(テスト)2004年度』
『慣性の法則(斜面上の物体に働く力)2004年度』
本時の目標
・台車を、斜面から水平面へと連続して運動させる
・運動のようすを記録タイマーで記録する
・記録テープを.01秒ごとに切り、等加速度運動から等速運動へと変わるようすをグラフ化する
・0.1秒ごと距離は、その間の(平均の)速さであることを理解する
・等速直線運動について理解する
・自分の実験、および、その結果について考察する準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
- (1 /班)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)
「今日は(2)実験手順の説明 (3分)
手順はほぼ同じなので、今回の新しいポイントを重点的に抑えます。今回のポイント
・斜面は15度にすること
・台車は斜面の半分より少し上から滑走させること
→ 記録テープを斜面に当て、テープの半分の長さと斜面を滑走させる距離を等しくする
→ 加速度運動(斜面)と等速運動(水平面)のテープの長さを等しくする
・台車の滑り方をチェックすること
・床や廊下を走らせる班は、床面の凸凹状態をチェックすること
・滑走させるときは、周囲の班に声をかけること
→ 水平面の走る台車にぶつからないように注意する
上:手順を板書したもの指導上のワンポイント
実験手順の説明は、先生が実験装置や道具を操作しながらポイントを示す。それも、できるだけ鮮やかな手つきで見せられるように、事前に何度も練習しておく。先生の鮮やかな手つきを見れば、子どもは実験意欲を高めるだけでなく、それを真似ようとして操作技術が上がるものである。また、説明時に板書してはいけない。時間の無駄ではなく、それは間違っている。大切なことは正しい実験ができるように具体的に教えることであり、黒板やノートにまとめることではない。ただし、耳から聞いただけの情報はすぐに忘れてしまうから、生徒が実験を開始し、「どうするんだった?」と友だちに確認するようなら、そのタイミングで再確認すること。
再確認前には、必ず上図のように板書しておく。全員注目さえたら、板書を文字を追うようにして短時間で終える。30秒以内に終了できなければ、再確認の意味は失われる。なぜなら、大切なことは、今つまずいている操作ができるようになることであり、最後まで再確認することではない。目の前の子どもたちを見て、1つずつ問題を解決させていくことが基本である。
今日は実験であり、子どもはを実験を始めている。自分たちでやりたい気持ちを十分に高め、自主的に正しく活動させることが先生の仕事である。
(3)生徒実習:台車滑走 & グラフ作り 35分)
14年前の実践『実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)2004年度』がよくまとまっています。内容もほどんど同じなので、そちらをご覧ください。
ワンポイント (1)水平面での等速運動
「水平面は、注意が必要です。床を見てください。綺麗ですか? あまり綺麗でないと思いますが、ゴミやホコリなどの障害物があれば、当然、台車の速さは遅くなります。さらに、床はたいらになっています? タイルが剥がれている部分はありませんか? 台車がガタン、となって一気に減速することになります」(2)原点を通るグラフ
原点を通る棒グラフをつくるためには、右図のようになることが必要です。すなわち、6打点めまでの長さを1(赤部分)とすると、12打点めに増加する長さは2、です。それ以降も、2ずつ増加します。このような関係なれば、数学的に原点を通ります。
以上の説明は、 今回で数回めになりますが、理解できる子どもが少しずつ増えてくるものと思います。(4)本時の感想、考察 (5分)
記録テープを貼付し、棒グラフをつくるだけなら簡単です。ここまでは全員できるようになっています。ポイントは、(1)斜面上の加速度運動のグラフが原点を通っているか、(2)斜面から水平面に変わるのポイントをどこにするか、(3)水平面上での等速運動の部分をどうするかです。(1)加速度運動の部分が原点を通っているか
何度も繰り返しているので、ほとんどの生徒が対応できるようになっています。原点を通るのが理想ですが、あえて原点を通らないグラフにして、原点を通らない理由を考察しても良いことを繰り返し指導しています。その結果、原点を通らない失敗実験においても、正しく対応&考察できる生徒が増えてきています。(2)斜面(加速運動)から水平面(等速運動)へ変わるポイントは?
記録タイマーは1/60秒ごとに打点しています。今回は、6打点(0.1秒)ごとの棒グラフをつくっていますが、斜面から水平面に変わるポイントが、正確に 6打点(0.1秒)ごとのどこかになることはあり得ません。絶対にない、とも言えるほどです。したがって、棒グラフのある地点から水平なグラフに変わることは事実上、ありえません。どこで切り替わっても良いことを生徒が理解できれば、大成功です。(3)水平面の運動をどうするか?
理想的な実験なら等速運動となり、グラフは水平になります。しかし、実際はいろいろな摩擦力によって減速運動になります。生徒たちは、自分の実験結果をもとに、最終的な処理を判断します。処理方法は2つです。1つは『理想的な水平(等速運動)とする』、もう1つは『等速運動になることが十分の予測できるが、今回は摩擦による減速運動になった』、です。追加画像準備中
授業を終えて
先生の予備実験が大切です。ポイントは、加速度運動から等速運動へ変わる部分です。テープの長さを1.5mとするなら、それぞれ75cmずつとします。そして、次に斜面の角度を決定しますが、台車の速さが最大になったとき、先生が用意したグラフの2/3ぐらいの高さになるようにします。今回は「15cmぐらいに設定しよう」として予備実験したところ、斜面の角度は30度になりました。先生の準備がきちんとできていて、生徒のやり方が説明どおりなら、先生と生徒の結果は同じになります。それが自然、物理現象、というものです。
同じにならない場合は考察します。原因を追究してください。多くは先生の準備不足なので、予備実験を繰り返してください。がんばってね!
関連ページ
『実験5斜面を滑り落ちる台車2018年度』
『実験5-2斜面を滑り落ちる台車-22018年度』
『実験1 自由落下運動(速さ)2004年度』
『実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)2004年度』
『実験4 斜面を滑り落ちる台車(テスト)2004年度』
『慣性の法則(斜面上の物体に働く力)2004年度』実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学』
第1章 量と単位 単位には意味がある p.8 国際単位系(SI単位系) p.8 第3章
ニュートンの運動の3法則時間の矢 p.44
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実験11 自由落下する
物体の距離
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実験 3つの力のつり合い
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