このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

実験2 いろいろな還元
                   2004 12 6(月)
                   各教室

<はじめに>
 本校の生徒は、中学3年生で学習する分解・還元実験を1、2年生で終了している。冬休みを目前に控えてた今、多くの生徒が受験モードに突入しているので、本時は教室で分解・還元反応をまとめることにした。実験中心の授業を計画している先生は、以下のページを参考にして下さい。

<1、2年生で行った5つの分解実験>

参考: 2年生で行った実験(分解・還元)
1 
酸化銀の分解
2 
酸化銅の還元

参考: 2年生で行った実験(分解・その他)
3 
水の電気分解
4 
塩化銅の電気分解

参考: 1年生で行った実験(分解・還元)
5 
実験3炭酸水素ナトリウムを熱する


<授業の流れ>
1 還元の定義
 酸化物から、酸素が取れることを還元という

2 還元の説明
 2年生で学習した酸化銅の還元を使って説明すると良いでしょう。始めに、酸化銅だけを加熱するとどうなるか、とフェイントかけると盛り上がります。
 <説明の例>
 「皆さんに質問します。2年生で実験した内容なので、全員分かるはずです。問題:酸化銅を加熱するとどうなりますか?」
酸化銅(加熱する)→ ?

 「はい、A君! 『酸素と銅に分解する』ですか。なるほど、残念! 間違いです。」
 「えっ、誰も覚えていないのですか。もう1度質問しますよ。酸化銅を加熱するとどうなりますか?」
 「はい、Bさん! そうですね。変化無しです。」
酸化銅(加熱する)→ 酸化銅
→ 生徒は「1本やられた!」という感じになります。


 「では、酸化銅を酸素を銅に分解、還元するにはどうしたら良いでしょうか?・・・忘れてしまいましたか? 全員実験しましたよ。試験管の中に酸化銅とあるものを入れて加熱すると、・・・試験管の中がピカピカになって、・・・試験管の内側にCu(銅)ができるわけですが、それを取り出すために試験管を金槌で割ったのですが・・・」「まだ分からないようですね。酸化銅と一緒に加熱してものの色は、真っ黒だっだんですが・・・」
 「C君! 正解です。炭です。つまり、炭素と一緒に加熱すると酸化銅から酸素がとれてピカピカの銅になります。これを化学反応式で表わすと次のようになります。」
酸化銅+ 炭素(加熱する)→ 銅+ 二酸化酸素
→ 半数以上の生徒は、分かっている振りをしているだけでしょう。

 「忘れてしまった人が多いようなので、まず化学反応式で書いてから、さらに、モデルで表わしたいと思います。質問です。酸化銅の化学式を覚えている人?」
 「正解、CuOです。」
 「炭素の化学式は?」
 「正解、Cです。」
 「銅の化学式は?」
 「正解、Cuです。」
 「二酸化炭素の化学式は?」
 「正解、CO
です。」
 「ここまでを式に合わせて並べると、次の通りです。」
CuO+ C → Cu + CO

 「これでは、反応前と反応後の数が変わってしまいますから、CuOをCuO
にすれば良いのですが、CuOにすると違う物質に変わってしまうので、Oの次にをつけることはできません。では、どうすればOの数を2にできるかと言うと、CuOの前に2をつけることができます。これは、CuOが2個、と言う意味です。すると、Cuの数も2個になってしまうので、反応後のCuを2個して完成です。」

 → 酸化銅の実験については、2003年度の実践
酸化銅の還元を参考にして下さい。
 → 化学反応式の説明は、2003年度の実践
化学変化(化合)のまとめも参考にして下さい。

3 酸化銀の還元
 → 詳細な説明については、2003年度の実践
酸化銀の分解を参考にして下さい。

4 いろいろな還元をまとめる

 

  ◎ F君の学習プリント


<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B いろいろな還元について、丁寧にまとめることができる

2 科学的な思考
 B モデルを使って還元反応を考えることができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 化学反応式を規則的に美しくまとめることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B いろいろな還元反応を、正しく理解することができる


授業を終えて
 多くのことを忘れている生徒がほとんどなので、充実した復習の時間になったようだ。とは言うものの、最近、実験をしていないのでフラストレーションが溜まっている生徒も多い。次時は、化学電池を作る実験のための方法と理論を紹介して、2時間後に行われる本番の助走にしたい。

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