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第43時
実習17 有機物の燃焼2017 9 22(木)
普通教室はじめに
本時は実験がありません。机上のまとめです。収穫は、メタン燃焼の化学反応式を考え方を発表させた時です。これまでにない考え方で、生徒の斬新な思考方法に驚きました。その生徒は塾で教えられたものでも教科書や本で学んだものでもなく、自分自身で考えついたものだと言っていました。だからこそ、授業現場で友だちから大きな拍手をもらったのだと思います。私もそのような現場に立ち会うことができた幸せを感じると同時に、教師であることの誇りを感じた瞬間でした。Aさんに感謝します。それは、すでにどこかで発表されていている可能性が高い、言われれば当たり前のことなのですが、初めて知ることとの感動を味わった私の一生の思い出に残る一コマであることは間違いありません。有機物の燃焼実験をご覧になりたい方は、別ページ『実験6いろいろな物質を加熱する(1年)2012年』『実験7有機物の燃焼(7種類のプラスチック)(1年)2012年』をどうぞ! 私が担当した生徒たちは、1年生でいろいろな有機物の燃焼実験をしています。
上:授業後半、メタン燃焼の化学反応式を考える生徒2人
本時の目標
・有機物の例を挙げ、有機物の定義について理解する
・いろいろな有機物に関する化学反応式を理解する
・これまでに学習した化学変化について、その化学反応式をすらすら書けるようにする準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)いろいろな有機物の例を挙げる (3分〜10分)
各自のプリントにいくつかの有機物を考えさせてから、発表したい生徒に板書させます。
上:有機物の例を発表にきた生徒たち(3)発表された物質から有機物を選ぶ (5分〜7分)
黒板に発表された物質を1つずつ点検していきます。明らかな有機物は◯、微妙なものは△、明らかに違うものは×、をつけていきます。場面の応じて、生徒全員へのクイズにしてもよいでしょう。判断理由を生徒に答えさせても良いでしょう。
上:いろいろな物質について、有機物であるか判断した結果(A組)
上:いろいろな物質について、有機物であるか判断した結果(B組)有機物とは何か。その定義はいくつかあります。中学2年生では『炭素(C)を含む物質』としますが、この他にもいろいろあるので、『有機物』という語句の定義は1つではないこと、幅広い意味を持つことを紹介してください。
(4)問題集をやる(10分〜15分)
有機物や化学反応式に関する問題をやらせます。授業で扱わなかった化学変化についてもやらせます。化学反応の意味(定義)をしっかり習得していれば、簡単にできるはずです。
上:問題集に関する板書
上:同上(5)メタンが燃焼するときの化学反応式 (5分〜8分)
すでに私が解説しなくても、生徒が教壇に立って教えることができるレベルになっています。荒れた学校でも可能です。このような授業に興味ある方・実践したい先生は、私の著書『一斉授業の教科書』をご覧ください。
上:モデル図を書いて説明するB君
上:C組での板書
上:C組での板書(炭素の燃焼)
上:D組での板書(メタンの燃焼、有機物・炭素の燃焼)
Aさんによる、メタンの燃焼の化学反応式の係数の考え方の解説
写真1:化学式に合わせて原子記号を書くと、上図のようになります次に、原子の数を調べます。
Cは、左右とも1個ずつなのでオッケー!
写真2:Hは左辺4つ、右辺2つなので、
右辺に2つ追加しました。
写真3:Oは左辺2つ、右辺3つなので、
左辺に1つ追加しました。以上で、原子の数はつりあいがとれました。
次に、物質として成り立つようにします。
写真4:酸素はOOなので、Oを1つ追加しました(左辺)。
写真5:水はHHOなので、Oを追加しました(右辺)。これで、物質として成立しました。
ここで再び、左辺と右辺の原子の数を調べると、何と、
つりあっているではありませんか!完成です。
写真6:できたものにしたがって、係数を書きます
写真7:完成!
Aさん、記念撮影のために振り向いていただきありがとうございます。彼女の解説に感動している友だちの様子は、写真4・写真5の後ろ姿から伝わってくると思います。写真7の前に、心からの拍手が沸き起こっていました。(6)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
目がさめる素晴らしい時間でした!関連ページ
実験6いろいろな物質を加熱する(1年)2012年
実験1 いろいろなものを熱する(1年)2002年
実験7有機物の燃焼(7種類のプラスチック)(1年)2012年
実験2 有機物を熱する(1年)2002年
実験6 炭水化物の燃焼(2年)2000年実践ビジュアル教科書『中学理科の化学』
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実験18 質量保存の法則