このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第6時
実験5-2 斜面を滑り落ちる台車-2

     2018 4 26(木)、27(金) 
     第3学習室  ※ 理科室を譲ったため

はじめに
 前時と同じ実験です。学習室にきたから準備、実験を始めます。学習プリントは前の時間のものを使いますが、もう1枚ほしい生徒は、自由に持って良いように準備しておきます。


上:斜面を滑り落ちる台車の実験をする様子 (前ページから転載)

関連ページ
実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)2004年度
実験4 斜面を滑り落ちる台車(テスト)2004年度
物体に働く2つの力(平行四辺形を作図して合力を求める)2004年度
斜面上の物体に働く重力を分解する2004年度
物体が斜面上を滑り落ちようとする力2004年度


本時の目標
・斜度を変えた斜面で、前時と同じ実験を行う
・斜面の傾きとグラフの傾きの関係について理解する
・グラフの傾きと速さの変化の割合(加速度)について理解する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • はさみ
  • のり
  • 定規
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 斜面(1 /班)
  • 台車(1 /班)
  • 記録タイマー(1 /班)
  • 記録テープ(1m /人)
  • セロハンテープ(1 /班)

始業前
 学習室にきた生徒から準備、実験を始める。

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

 「今日は、前の時間と同じ実験を行います。学習プリントをもう1枚ほしい人は、取りに来てください。斜面の角度を変え、傾きの違うグラフができるようにしてください。なお、実験およびグラフ作成のポイントは、前と同じようにスタートです。スタートさえうまくできれば、あとは誰でも完璧な階段状のグラフができるはずです」


上:実験のポイントをまとめた板書前ページから転載)

(2)生徒実験:斜面を滑り落ちる台車  (10分〜20分)
 十分な説明をしておけば、子どもたちは教え合いながら楽しく実験を進めることができます。

上:実験をする生徒たち(前ページから転載)

(3)記録テープの処理 (20分〜30分)
 記録が取れたら、各自の机へで記録テープの処理をさせます。

(4)記録テープの分析、考察 (5分)
 大きな目標の1つである『斜面の傾きとグラフの傾きは比例する』ことは、ほぼ全員の生徒が理解できます。これは実験をしなくても、直感レベルで理解できるほどかんたんです(下図)。


上:上段はゆるやかな斜面、下段は急な斜面(前ページから転載)

 難しい課題は、『完璧ではない記録テープから、どれだけ理想的なグラフをつくるか』です。たとえ、失敗実験であっても、正しく処理したり分析したり考察したりできるなら、それは高い科学的思考力があることを示します。授業では、以下のように理想的なグラフをつくる方法を指導しました。


上:テープの処理方法について解説するための板書

完璧でない記録テープから、理想的なグラフをつくる方法
 「
(上図の右上 グラフAを書いてから)それではみなさん、黒板に注目してください。このグラフは、上の記録テープを6打点ごとにきり、順に貼り付けていったものです。理想的な実験ができた人は、このように原点を通ります。原点を通るとは、各テープの中央につけた赤点どうしが一直線状に並び、かつ、その延長線が原点を通る、ということです」

 「しかし、次のグラフのようになってしまった人もいると思います。見ていてください。(上図グラフBの横軸・縦軸・棒グラフを手早く書きながら)こんな感じに、各テープは階段状になっているのですが、つまり、各テープの中央につけた赤点どうし赤点を素早く書いて)は一直線状に並んでいるのですが、赤線を手早く書いて)完璧な階段状になるのですが、原点を通らない人がいると思います。これは、どうしてですか? ・・・その通り、もう、みなさんよくお分かりですね。はじめ、スタートの部分がないからです。スイッチを押す前に台車を離した人、スタート時の記録がない人です。あるいは、はじめの記録テープを貼るのが面倒だからといって、捨ててしまった人です。やり直してください。やり直さなくても良いのですが、その場合は、あと何枚テープを貼れれば理想的だったのか、何秒ぶんのデータを失っているのか、などの考察ができます。先生の話が理解できた人は、その失敗データから、考察してください。失敗実験であっても、科学的思考力は高いものとして評価します。わからなかった人は、もう一度実験をして、理想的なデータに近づけてください

 「もう1つ、よくある失敗を紹介します。先生が書くグラフを見ていてください。(上図グラフCの横軸・縦軸・棒グラフを手早く書きながら)こんな感じに、はじめの部分に、同じような長さのテープが並んでしまうものです。これもスタートを失敗した人ですが、このような場合はどのようにまとめたら良いですか? ・・・(A君が正解をつぶやいたら)さすが、A君ですね。正解です! その他の人もわかったと思いますが、うまくいった後半部分を使います。つまり、(後半部分だけに赤点を書いて)、後半は赤点が一直線状に並んでいると思うので、(まっすぐな赤線を書いて)各記録テープは完璧な階段状になっていることが確認できます。その赤線を延長します。赤線は原点を通らなくても大丈夫です。まっすぐ、定規で思い切り書いてください。横軸とぶつかったところが、理想的な実験をしたときの原点になります。それより前の部分は、摩擦が大きくて加速できなかったり台車をもたもた離したりなど、スタートからしっかり加速できなかった実験をしめしています」

(4)各テープ(6打点ごと、0.1秒ごと)の速さ  (5分)
  各テープの速さは、各テープの長さ(距離)から求めることができます。

 「各テープの速さを求めてみましょう。定規を出してください。(子どもたちが定規を出した頃を見計らって)定規で、1番目のテープの長さを測ってください。何ミリ・メートルでしたか? あるいは、何センチ・メートルでしかたか? それが、0.1秒間に進んだ距離になります。したがって、1番目のテープの速さは、小学校5年生で習った計算式で求められます。速さは、距離 ÷ 時間で求められます。計算できますか。各テープは6打点の時間、すなわち0.1秒なので、・・・計算できますか。(困っているQさんを見つけたら) Qさん、あなたのテープは長さはどれだけでしたか? ・・・8ミリ・メートルですね。ということは、0.1秒で8ミリ・メートル進むのだから、1秒ならどれだけ進みますか。0.1秒の10倍進むことになるので、8ミリ・メートルの10倍です! ・・・そうですね、8センチ・メートルです。したがって、1本目のテープの速さは、80ミリ・メートル毎秒になります。80ミリ・メートルは8センチ・メートルなので、8cm/秒と書くと良いでしょう」

(5)本時の感想、考察  (5分)
  いつものように、自由な感想&考察の時間をとります。


授業を終えて
 日を改めて同じ実験を繰り返すことは、学習効果を飛躍的に高めます。どの内容について、同じようにゆとりがあるといいなあ、と心から思います。

 また、学習プリントのお代わりをもらいにきた生徒は、全体の30%でした。これらの生徒は実験が順調に進み、斜面の角度を3つ以上変えて実験を行った生徒です。

関連ページ
導入 運動とは何か?(記録タイマーの基本操作) 2004年

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

第3章
ニュートンの運動の3法則
 自由落下運動 p.52
 斜面を滑り落ちる台車 p.58
 

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実験6 自由落下する物体の
速さの変化量

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