このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第26時
1学期の自己評価2018 6 13(水)14(木)18(月)
普通教室はじめに
1学期と2学期は、期末テスト2週間前に自己評価をさせます。その目的&ねらい、方法、タイミング、活用方法は、4月のオリエンテーションで話した通りですが、すっかり忘れている生徒が大半だと思うので、再確認しながら進めます。なお、手順の詳細は別ページ『考察24:1学期の自己評価(1年、2012年度)』がよくまとまっていますので、そちらをご覧ください。関連ページ
考察24:1学期の自己評価(1年、2012年度)
『1学期自己評価基準2004年度』
上:今回の自己評価表 (クリックすると.pdf で開きます)
本時の目標
・学習プリントを見直し、これまでの学習内容を振り返る
・自分のできたところ、できなかったところを客観的に評価する
・1学期最終評価の見通しを持ち、期末テスト対策を役立てる準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 自己評価表(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)自己評価表の配布(1分)
始業前に教卓に置いておけば、自主的に持っていくでしょう。その用紙をみて、すぐに活動を始める生徒もいます。先生は全員持っていったか、確認してください。その後、クラス・番号・氏名の記入を確認します。(3)20枚のプリントを順に並べて綴じる (2分〜5分)
ここが一番重要です。きちんと並んでいないと、先生が再点検するときに大変だからです。「きちんと並べることができない人は興味・関心・意欲=C」と断言してください。
(4)自己評価の方法の紹介(3分〜5分)
1年、2年で私の授業を受けた生徒はすでにわかっているので、説明は不要です。知らない生徒は各クラス数名ずついるので、彼らを中心に説明していきます。わかっている生徒も、同じ内容でも時間を変えて繰り返す聞くことで、深い理解に変わっていきます。
評価されるポイント
(1)5感で感じたことを自分の手で書いてあるか
それらはすべて正解です。不正解はありません。自然を感じて表現したら不正解、だなんて絶対にありえません! テストで不正解になることであっても、私の学習プリントでは正解です。(2)途中まででも良い
(3)自分の考えの痕跡が残っているか
むしろ、テストでバツになるものを評価します。さもなければ、授業プリントを見直す必要はありません。テストで評価することができないもの、いわゆる間違っているものを評価することが、本日の目的です。(4)天才と呼ばれる可能性があるか
「あいつの考えは間違っている」と言われなければ、凡人です。ニュートンもアインシュタインも、初めから彼らの考えを受け入れられたわけではありません。
中学生でも同じです。先生や大人がバツをつけても、気にする必要はありません。その考えがオリジナルであるか、それが重要です。明らかな間違いであっても、間違いを明記できたなら、私は高く評価すべきだと思います。それが、授業のよいとことです。私の理科の授業を通して学んで欲しいことは、自然に正解はないこと(すべて不正解)、調べれば調べるほど疑問が増えることです。教科書に書いてあることは、とても狭い範囲ことです。自然は調べれば調べるほどわからなくなるものです。わかったようなつもりになることは一番危険です。なんでも数値になると思っていたり、すべて理解できると持っている人は危険です。本物の自然科学者は、がんばればがんばるほどわからなくなることを理解しています。
(5)プリントの自己評価(20分〜30分)
自己点検表にしたがって、プリント1枚1枚を点検していきます。評価基準は示されているので、その場で書き込むこともできます。それらは授業中に示されていたものなので、今書いても構わないわけです。このように話すと、「先生、明日出してもいいですか?」と言い出す子どもが必ずいます。そのような時は次のように答えてください。
「もちろん明日でも明後日でも1年後でも良いです。ただし、明日以降に提出する場合は、その分、書き込む時間ができるので減点されます。先生は減点は嫌いなのですが、君が特別に書き込みたいなら仕方ありません。また、万一、期限が過ぎると0点となり、取り返しのつかないことになります。先生のお勧めは、途中まででも本日提出することです。1日持ち帰っても、わくわくするようなことは何も書くことができず、がっかりするだけだと思いますよ」
===本日の板書(2クラス)===
プリント点検中のnote
時間の制約を受けずに子どもたちのプリント開き、感じ、めくり、楽しんでいる自分がいる。1人5分で計算すると、順調に進んでも40人で200分、合計3時間20分必要とするが、それでも家庭訪問週間なので勤務時間を守ることができる。
学級担任になれず、家庭訪問のできないことは本当に残念だが、私は理科室で1人、学習プリントを通して子ども1人ひとりと対話しているようで心躍る。できるなら1人5分といわず、もっと時間をかけて対話してみたい。子どもたちの無言の声を聴きとってみたい。プリント7『実習7物体にはたらく重力』が人気なのは、わかりやすさと変化の面白さ、自分の理解度、満足度が高いからだろう。そして何より子どもたちにって、見た目が良い。
しかし、私はこのプリントを選ぶ子どもたちが大きな問題をかかえていることを指摘しておきたい。その問題点とは、高い独自性や独特の視点から物事を追求できる潜在能力をもっている子どもたちが、自分に自信を持っていないことだ。その証拠に、自分の良い点を挙げさせると、誰でもできる作図を綺麗に書いただけのものを挙げる。それがプリント7『実習7物体にはたらく重力』だ。
私は繰り返しくりかえし、授業でことあるごとに「学習プリントには間違っていることでも書きなさい。定期テストで確実にバツをつけられることでも、それが君が考えたことなら、自分で考えたことならポイントとして加点します。間違えていても正解にできるのが、この学習プリントなので、君の考えや疑問、感じたこと、まとめたことを書きなさい」と繰り返してきた。が、まだまだ足りない。成果主義、数値主義の日本そのものが変わらなければいけない(それなのに、教員評価に数値目標を入れる動きがあるから、私は驚きを隠せない)。
本当に自分に自信を持っているなら、間違えても自分できると思ったことや、自分で新しいと思ったことを自己推薦できるはずだ。規定通りのものを丁寧に仕上げたものを挙げるとは、まったく残念な話だ。彼が自分に自信をもてば、人類の発展に大きく貢献する仕事をしてくれるであろう。もちろん、彼自身も楽しい人生を送ることができると思う。note:生徒と先生の会話
「先生にとくに見て欲しいプリントを3枚選びなさい」
「1枚もありませ〜ん」
「ラッキー。じゃあ見なくてもいいや。0点で決まり!」
「やだー」
「20枚あって1枚もないなんて、常識としておかしいでしょう。まぐれもないほどサボっていたことになります。もう一度よく探しなさい」関連ページ
考察24:1学期の自己評価(1年、2012年度)
『1学期自己評価基準2004年度』参考ページ
観点別評価と評定の未来 2018(若手教師のためのワンポイントレッスン)
文科省が示す観点別評価と評定の関係 (同上)
学校の先生よく勘違いしているポイント(同上)
文科省が示すこれまでの観点とこれからの観点(同上)
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(C) 2018 Fukuchi Takahiro