このページは旅行記『ギリシャ&アルバニア 2010夏 2010 AUG.3 - AUG. 24  です

旅の技術と率直なアドバイス

 私が今回の旅でギリシャとアルバニアを選んだ理由は2つです。1つは、昨年の『バルカン半島の旅』でギリシャ(首都アテネ)だけを残したこと。もう1つは、後ろ髪をひかれたままになっているアルバニア南部の世界遺産2ヶ所(ギロカスタルとブトリント)を訪問することです。これだけのために3週間使うのは贅沢ですが、ギリシャ(アルバニアを含む)は偉大な哲学者をたくさん生んだ国であり、愛憎に満ちた数多くの神話を生み出した場所なので、これまでにない刺激的な旅ができるのではないか、と期待したからです。(私の日記:初日から)

 以下に私の体験から得た情報を公開しますが、最終的にはあなたの責任になることを忘れないで下さい。必ず最新の情報を入手し、あなた自身で判断・決断、行動して下さい。あなたの日常生活の中にある危険を回避する方法を応用すれば、安全で思い出深い旅ができると思います。

目 次   
1 名古屋からギリシャ、アルバニアまで

2 パスポートとビザ
3 気候と服装
4 持ち物

5 お 金
 A) 通 貨(ギリシャ:ユーロ、アルバニア:レック)
 B) 換算率    
 C) 日本の貨幣価値との比較
6 宿泊施設 ※別ページへジャンプします
7 食料事情 ※別ページへジャンプします
8 交通機関 ※別ページへジャンプします
9 その他
 A) 言 語(ギリシャ語、アルバニア語、英語)
 C) 宗 教(ギリシャ正教会)
 F) 写真撮影
10 旅を終えて


1 名古屋からギリシャ、アルバニアまで
 インターネットを使って、ギリシャ、アルバニアまでの航空券を調べました。目的地の候補は、ギロカスタル(アルバニア)、サランダ(アルバニア)、ティラナ(アルバニアの首都)、テッサロキニ(ギリシャ)、アテネ(ギリシャの首都)の順です。その結果、いずれも日本からの直行便がないこと、アネテ以外は航路がないか乗り継ぎが悪いことがわかりました。そこで、目的地をアテネに絞り、料金の安い航空券を探しました。

 ネットで調べた後、いつも利用している旅行代理店で相談し、アラブ首長国連邦の国営『エティハド航空』に決めました。

右:アブダビ空港
 中央に見える曲った建物は、アブダビ空港の管制塔です。尾翼だけ写っている飛行機は『エティハド航空』のものです。

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 (私の日記:初日から旅のはじまり
 今回の航空券は、出発5日前に旅行会社へ問い合わせ、4日前に現金で購入し、日曜日をはさんだ月曜日(出発の前日)に航空券を郵送してもらう、という手順でした。名古屋とアテネの往復で13.5万円ぐらいだったと思います。とても安価です。航空会社はアラブ首長国連邦のエディハド航空(国営)、アブダビで飛行機を乗り換えますが、『北京経由』というおまけ』もついています。どれだけ時間を使うか分かりませんが、格安航空券が出発直前まで残っていたのですから、文句は言えません。昨年のチケット(大阪発、ドーハ経由)も同じようなものでしたが、、、 それより、北京経由には楽しみがあります。名古屋から北京までの乗客は僅か20人ほどなのに、北京から満席になると言うのです。おそらく急成長している中国の一般観光客が大挙して搭乗するのでしょう。どんなことになるのかとても楽しみです。

私が購入した航空券:エディハド航空
名古屋←
(北京経由、アブダビ乗り換え)→アテネ

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2 パスポート、ビザ
 パスポートは絶対に必要です。持っていない人は取得し、持っている人は有効期限と未使用ページ数を確認してください。ピザは2010年8月現在、ギリシャ、アルバニアともに必要ありません。ただし、政情によって変わることがあるので、必ず各自の責任で確かめてください。

 日本、ギリシャ、アルバニアの出入国時には、パスポートに出入国スタンプが1つずつ押されます。これは多くの西欧諸国の出入国時と違います。フランスやイタリアなどは、パスポートを見せるだけで出入国のスタンプは押されません。

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3 気候と服装
 私が旅行した8月(夏)の気温はとても高く、連日35度Cを越す猛暑日でした。ただし、湿度は低く、洗濯物は数時間で乾きます(夜も同じようなものです)。したがって、日中の服装は、『帽子、Tシャツと短パン、サンダル』をお勧めします。これに対して、夕方18時以降は『オシャレな服装』に着替えてください。レストランで夕食を楽しみたいなら必ず、散歩するだけでもドレスアップした方が良いでしょう。なぜなら、地元民のほとんどは夕食や散歩を楽しむために、時間をかけて準備しているからです。1日の仕事は夕方から夜にかけての散歩のためにある感じです。

 現地の人々は毎日、数時間の昼寝をします。そして、シャワーを浴び、髪を洗い、安価なワンピースや流行りの安いジーンズやシャツを着て、いくつかのアクセサリーを身につけます。全身で1万円以下であっても、男女ともオシャレ上手で、毎晩楽しんでいます。それがギリシャやアルバニアの夜であり、彼らの人生です。日本人は高額なTシャツやジーンズを着て満足する傾向がありますが、それは浮浪者のように見られるので注意してください。汗臭いTシャツはダメです。

 あご鬚を生やした東洋人の私は、毎晩、白い襟つきのシャツ(ポロシャツみないなもの)を着ていました(写真右)。襟なしTシャツや色のついたものは『現地の人々に対して失礼にあたる』と肌で感じたからです。次回旅する時は、洗濯できる黒の上質なジャケット、ワイルドなアクセサリーを持参しようと思います。女性なら、いくかのアクセサリーや小物を使ってアレンジすると良いでしょう。

 なお、私はシャワーを浴びることが好きなので、まめに衣類を洗濯しました。洗濯するといっても、衣類を足元において、ホテルに付属している液体石鹸やシャンプに浸けてから足踏みするだけです。それをベランダに干します。午前着たものを洗濯し、昼寝してから夕方同じものを着ることもできます。

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4 持ち物
 お金さえあれば、手ぶらで出国しても大丈夫です。日本と同じ程度のものを現地で購入できるからです。ただし、すぐに必要になる歯ブラシやガイドブックは持参した方が良いでしょう。以下に私の持ち物を紹介しますが、デイパック1個(35P、
写真右)に全て入る量で、重さは9kgです。飛行機に乗る時は、これを2つに分けます。1つは機内に持ち込むカメラとパソコンを入れた非常に薄手の手提げ袋で、合計5kgです。もう1つは飛行機に預ける生活用品を入れたデイパック(写真右)ですが、こちらはペチャンコで総重量4kgです。あまりに分量が少ないので、空港でチェックインするときに不思議な顔をされますが、アーミーナイフが入っているので必ず預けるようにしています。

写真右:この鞄は、日本へ帰国便(飛行機)で破損しました。航空会社は5000円支払うと言いましたが、私は自分で契約した保険会社へ請求しました。6000円になりましたが、手数を考えると5000円で手を打っておくべきでした。あたり前ですが、それでも全く良いことはありません。

A) 貴重品
 パスポート、パスポートのコピー2、現金(1000ユーロ、3万円、300ドル)
 キャッシュカード2、顔写真(5センチ角。2枚)、財布1、貴重品用ウエストポーチ1
 ※現地通貨をATMで引き出すことはしませんでした。
  
B) パソコンと撮影器材
 Mac Book(インテル)1、電源アダプター1、パソコン用ソフトケース
 デジタルカメラ(ニコン D200)、ニコンレンズ18-200
 バッテリー1、充電器1、メモリーカード2枚(4G、8G)
 ※メモリーカード8Gはつかいませんでした。
 デジタルカメラ(Olympus μ1030sw)、メモリーカード1枚(2G)
 マルチ電源変換プラグ1、たこ脚アダプター1、カードリーダー1、パソコン接続コード2種類

C) かばん
 デイパック(35P水色)、手提げ袋(30P灰色)

D) 衣 類
 パンツ2、Tシャツ2、襟つきTシャツ1、スラックス2
 サンダル1、靴下2、帽子1

E) その他
 時計(スントのデジタルコンパス付き)
 歯ブラシ、歯磨き粉
 無添加せっけん1、無添加シャンプーとリンス各1、
鬚剃り
 薬一式、空気枕1、アイマスク1、アーミーナイフセット
 ガイドブック(地球の歩き方『ギリシア2010-2011』)

F) 現地で購入したもの
 ※飲食物をのぞく
 ・サンダル(テバ)     

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5 お 金
A) 通 貨

 空港や街にあるATMを使って現地通貨を引き出せるので、カード2枚(予備1枚を含む)を持参すれば十分でしょう。ギリシャはユーロ、アルバニアはレックです。現金を持参するならユーロが良いでしょう。ドルはレートが悪く、円は両替できないことが多々あります。アルバニアでは現地通貨『レック』よりも『ユーロ』を好む傾向がありますが、博物館入場料やキオスクで小額の買い物をするときはレックしか使えません。

B) 換算率 (2010年8月現在)
  107円= 1ユーロ
  100円=100レック

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何をいくら持っていくか
 換算率は個人の力ではどうにもならないので、そのまま受け入れるしかありません。手数料は多少変わりますが、ごちゃごちゃ考えること自体が損なので、私は現金をたっぷり持っていきました。たっぷりと言っても、その内訳は1200ユーロ、3万円、200ドル(18万円)です。トラベラーズ・チェックは嫌いです。

 この他に、クレジットカード2枚、私の日本の銀行口座から直接現金を引き出せるATMカード1枚を持参しました。カードで支払える場合は積極的にカードを使いましたが、帰国後にカード会社から請求された金額は2万円足らず、ATMは1回も使用しませんでした。現金は少し残りました(日本円は手をつけませんでした)。

 ということで、現地で使ったお金は22日間で15万円ぐらいでしょう。これには宿泊費、食費、交通費、観光地や博物館への入場料など、現地での全てが含まれます。私が今回に旅に使った金額は、飛行機代(13.5万円)と合わせて30万円弱です。

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C) 日本の貨幣価値との比較
 レストランでの食事やホテルでの宿泊など、一般観光客として感じた物価を日本と比較すると、ギリシャは80%、アルバニアは40%ぐらいです。つまり、ギリシャは少し安く、アルバニアは半額ぐらいになります。ただし、庶民生活で感じるものはもっと低く、アルバニアは日本の20%ぐらいに感じました。

 カフェのテーブルで飲むビールは、ギリシャで2.5ユーロ(270円)、アルバニアで1.5ユーロ(160円)です。もっとも安いビールは、アルバニアでもっとも人気にのある観光地の1つ『サランダ』の海岸で飲んだ生ビールで、中ジョッキ100レック(100円)、大ジョッキ200レック(200円、写真右です。これは割引価格ではなく通常料金です。ちなみに、瓶ビールより生ビールの方が安価でした。

 ギリシャでもっとも美味しかったパンは、世界遺産『メテオラの修道院』があるカランバカのパン屋さんで買ったオリーブパンでした。1個で昼食としても良いほど中身がつまったもので、価格は1ユーロだったと思います。日本で同じものが買えるなら350円払っても惜しくない満足感を得られるものでした。

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6 宿泊施設 ※別ページへジャンプします


7 食料事情 ※別ページへジャンプします


8 交通機関 ※別ページへジャンプします


9 その他

A) 言語(ギリシャ語、アルバニア語、英語)
 ギリシャはギリシャ語、アルバニアはアルバニア語が公用語です。しかし、大多数の人が外国の言葉、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、英語などを話します。私は英語でがんばりましたが、英語の人気はよくありませんでした。英語を母国語とする国、イギリスやアメリカを嫌いなのでしょう。そのように感じたのは、私自身も軍事大国アメリカを嫌いだからです。ただし、アルバニアは若干アメリカに傾いています。

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B) 宗 教
 ギリシャ国教はギリシャ正教会です。私は専門家ではないので詳細はわかりませんが、マリアとイエス・キリストを大切にする宗教です。そして、中世、ビザンチン時代の教会がたくさんあり、とくに美しいモザイク画が残されているものは世界遺産に登録されています。

 アルバニアは、ギリシャ正教会と同じようなアルバニア正教会があります。しかし、それを信仰している人よりイスラム教徒の方がたくさんいます。

 ギリシャもアルバニアも宗教について厳格ではないので、あまり気にする必要はありませんが、宗教施設を訪問する時は、礼儀正しい服装、態度、言葉を心掛けてください。

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上:イオアニア(ギリシャ)で見かけた正教会の牧師
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C) 写真撮影
 かなり自由に撮影できました。逆に、ギリシャの有名観光地では、私が被写体になることもありました。アルバニアでも同様ですが、地方都市『エルバサン』は強烈でした。私の一眼レフ・カメラを見て、「撮影してくれ!」と声をかける人々が何人もいるのです。単純にカメラが珍しいのです。私をプロカメラマンと勘違いしたのかもしれません。しかし、いざレンズを向けると、ポーズをつけることができず、棒立ちになってしまうのです。写真慣れしていないので、照れてしまうのです。写真右の男性は、魚をもってくれましたが、どれだけ粘ってもカメラと視線が合うことはありませんでした。そんな彼を見て、「可愛い!」と思う自分が怖かったです(私は男性に興味ありません)。時間をかけてうろうろ歩き回れば、面白い写真がたくさん撮れたと思いますが、市場を歩いたのは15分ぐらいでした。今から思うと、とても残念なことをしたと思います。

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10 旅を終えて
 旅の終盤になって、盛り上がりました。ハイライトは第19日目です。その日は、世界遺産『デルフィ』から『オシオス・ルカス修道院』へ向いましたが、たくさんの人々に助けられました。あまりにたくさんあるので箇条書にします。

(1)若者の自家用車に乗せてもらう(ヒッチハイク?)
(2)裕福な殿方に(写真下)、昼食、白ワイン、ビールをおごってもらう
(3)市バスの運転手に、路線を外れた『オシオス・ルカス修道院』まで運んでもらう
 ※ 酔っぱらってバスに『カメラバック』を置き忘れる
(4)イタリア人の車に乗せてもらう(ヒッチハイク)
(5)カフェバーの電話を使わせてもらい、通訳してもらう
(6)『カメラバック』を届けてもらう


上:ディスティモの名士達と記念撮影

 波乱万丈、思った通りに行かない時ほど面白いことが起こります。(1)は何もない場所でバスを降りたから、(2)は飲みたい酒を断り続けたから、(3)は呼んだタクシーが1時間以上来ないから、(4)は10km以上歩く以外に方法がないから、(5)は『カメラバック』を置き忘れたから、です。そして、人生は一度面白い方に転がると、しばらくそのまま転がり続けるものです。

 次に、ここで学んだギリシャ人の人生哲学を教えましょう。

 私は、上の写真の素敵なおじさま達と酒を酌み交わし、肌身で人生を体感しました。それは、酒を飲む男性だけのものかも知れませんが、グラスを持って、ビバ! 飲むことは人生、乾杯することは人生、隣にいる人と目と目を合わせてグラスを鳴らし、「ビバ!」を叫んで飲むこと、それが人生です。それ以外に一体何が必要なのでしょう。

 私たちは、昼間から散々美味しいものを食べ、美味しいものを飲みました。その種類は限られていますが、本当に美味しいものでした。私がこの地で生活しているなら、死ぬまで同じものを食べて飲み続けるのかも知れません。それでも、人生は最高の愉快で美味しいと思います。何故なら「ビバ!」があるからです。

 このように書くと、私は男性だけの愉しみを書いたような気がしてきました。この席に女性が入っても問題ありませんが、毎日、妻と一緒に(私は独身ですが)私のような1人旅の女性を迎えて「ビバ」するのは難しいでしょう。ビバには、焼きもち、嫉妬、疑い、など一切の思考を伴う感情は入りません。ビバはビバであり、ヒバです。以上です。

 あー、旅行記の最後にクレームをいっぱい頂きそうなことを書いてしまったけれど、こんな時こそ、ビールを注いでビバ! おっ、ビバした後に良いことに気付きました。男性でも、「ビバ」できない人がいます。これは酒が飲めない、という意味ではありません。とにかく、隣人のグラス、他人のグラスに注いで、・・・ビバ!(思考終了! みんなビバ!)

 ビバできない人は、だからといって悩む必要はありません。できない人生は、できる人生と同じように尊重されるものです。人は誰でも自分の信条に従い自由に生きる権利があると同時に、他人の信条を侵してはいけません。自分の人生、ビバとは違う人生を歩めば良いのです。人生は、人の数だけあります。

 さあさあ、最後にビバしてページを閉じましょう。酒の準備です。用意できたら、モニターに向ってでもいいじゃないですか! 後のことは考えずに、

 ビバ!

 ほら、全てが良い方向へまわり始めたでしょ!

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