このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第7章 悩んでいる生徒

1 悩みの相談、援助

1 中学生は悩むことが仕事
 おじさんになった私は、最近ほとんど悩みません。仕事上の問題はたくさんありますが、その大部分は創作エネルギーとして活用し、使えない問題は一晩寝て忘れるようにしているからです。でも、中学生の頃はよく悩みました。生きる意味、宇宙、時間、自分、人間関係(家族、友達)、学習の成績、容姿、などがいろいろなテーマについて考えました。中学生という時期は、精神的に自立するために悩む季節です。自分でも不思議なほど『深遠な問題』を取り上げ、深く思考し、その淵に沈みます。それは大人になるためのステップで、問題を1つずつ克服することで自己を確立し、大人になっていきます。もちろん、若い先生もたくさん悩んでいると思います。

2 自分だけで解決できない悩み
 しかし、あまりに大きな問題は、自分1人で解決できません。両親との死別、級友からの悪質な犯罪行為などは、健全な成長を阻害する有害な問題です。その場合は、友達、先輩、両親、保護者、先生、その他、身近な人に相談したり、援助されたりすることで克服します。解決できない場合は、精神的な病気として専門の医師の診察や治療をうけますが、最終的に解決するのは本人です。自力で解決できい問題に直面している生徒を見つけたら、できるだけ早期に声をかけ、相談にのり、援助してあげましょう。

3 悩みの原因となるもの
(1) 両親の不仲、離婚
(2) 家族(父母、祖父母、兄弟姉妹など)との死別
(3) 家族の失踪、入院
(4) 保護者による虐待(家事や育児や仕事をさせる、学校へ行かせない)、放任(食事なし)
(5) 保護者による過保護(『ガラスの壊れもの(過保護に悩む生徒)
(6) 人間関係(家族、友達、先生、塾)に関する問題
(7) 身体(容姿、発育不良、肥満、持病、障害、性)に関する問題
(8) 学習、塾、進路に関する問題
(9) 少年犯罪(タバコ、窃盗、バイク)
(10) 精神障害(集中力なし、多動性、うつ病)

4 相談されたときの基本姿勢
(1) 黙って聞く
(2) 君の気持ちはわからないと肝に命じる

5 生徒の悩みに対する対応を3つに分類する
(1)相談室で悩みを聴く 生徒が自主的に悩みを打ち明けてきたもの
(ア) 悩みを聞くだけ
(イ) アドバイスまでする
(ウ) 援助を行い、解決を見届ける
(ア)〜(ウ)の区別については、別ページ『生徒が話しかけてきた目的』参照
関連ページ『
重くて深い相談をされた時』『優等生からの相談、友達を助けて!
(2)教育相談 生徒全員に対して悩みの有無を問いかけるもの
(ア) 必要に応じて、悩みを聴いたり援助したりする
(3)アドバイス、援助 悩んでいる生徒に対して、教師から手助けするもの
(ア) 悩みを聞くだけ
(イ) アドバイスまでする
(ウ) 援助を行い、解決を見届ける
関連ページ『
泣いている生徒を見かけたら』『1人でいることが好きな生徒
修学旅行に行かない! と言い張る生徒

note
(1) 生徒から自主的に相談に来たときは、その時点で解決していることが多い。一方、相談に来たように見せかけて、教員にクレームを付けている場合もある。

(2) カウンセラーは、クライエントの現状を把握(診察、診療に相当する)し、専門的な技術(治療に相当する)を使って、相談・援助し、クライエントの相談内容(精神的な悩み、身体に関する悩み)を解決する。

(3) 最終的な解決した後の姿
(ア)クライエントの身体が改善させる
(イ)外部環境が変わらなくても、クライエントの考え方・視点が変わることで、問題が消滅する。一段高い視点を得るなら、成長したと言えるだろう。
(ウ)心を強くする。ところで、心を強くするとは何か。複数の考え方を得ることか、無神経になることか、繊細な感覚を失うことか、愚鈍になることか
(エ)その問題について笑えるようになる

(4)Fはクライエントも不明な悩みを解決(予防)するために、モデルになる、描く、指導を受ける。一般的な問題として、人生、病気、恋愛(結婚)、美容、生活、就職、ローン返済、法律、教育(育児)、園芸など。

2010年12月29日

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